理科話

2022年10月25日 (火)

無重力と無重量

東京新聞の10/18の記事で

無重力アート制作に成功 「世界初」と京大チーム
2022年10月18日 19時46分 (共同通信)

こういう記事を見かけました。

・・・
チームは、芸術家が微小重力の環境下でアート作品の制作に成功したのは「世界初」としている。
チームによると、飛行機で急上昇した後にエンジンを切って急降下させることで微小重力の状態を作り、薄いゴムの膜に乗せた絵の具に下から音で振動を加え、絵の具を数十センチ跳び上がらせた。昨年8月に16作品を制作した。
・・・

微小重力下でのアート作品ということでは「世界初」なんでしょうが、原理的には何も新しいものはないのです。

「宇宙に行くと無重力。地球上では無重力にはならない。」と思ってませんか?
上の引用中にあるように、ジェット機を急上昇させ、エンジンをごく細く絞って(空気抵抗に勝てるくらい)、落下すると、落下中、機内はほぼ「無重量」状態になるのです。
今はどうやっているかは知りませんが、宇宙飛行士の訓練として、このジェット機の急降下による何十秒かの無重量体験が行われました。
逆に、ロケット発射時の強い重力に耐える訓練は、遠心力を利用して壁に押し付けられる力で体験したはずです。

実は、宇宙全体を見渡すと、重力が満ちているのです。「宇宙は無重力」なんてのはウソっぱち。
太陽系は重力でまとまってますよね。
恒星たちが重力でまとまっているのが銀河。
銀河が重力で集団をつくると、銀河団やら銀河群を構成する。
銀河団や銀河群が重力で、1億光年を超える程度の構造を構成すると、超銀河団。
すごいでしょ。宇宙には重力が満ち満ちているのですよ。

重力はあるんだけど、重力に従う自由な運動体の中では重さを感じません。それが「無重量」です。
重さは感じていないけど、質量はあるんです。体重の小さな人と大きな人が綱引きをすれば、体重の大きな人が小さな人を引き寄せる感じになります。力が加わった時の動きやすさの尺度=質量ですからね。
F=Mα
α=F/M
質量が大きいと、加速度が小さい=動きにくい
なのです。

で、地球上で無重量状態に近い状況を作るには、ジェット機を使う手もありますが。
地下深くへの廃坑を利用して、自由落下せる手もあるのです。

↓このあたりのことは、去年の「かかしさんの窓」で詳しく書きましたので、そこへリンクします。
自由落下中に起きる、ほぼ無重量の話は、3番目が詳しい。ぜひどうぞご覧ください。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-0da80d.html
2021年8月10日 (火) 宇宙=無重力 ?

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-dfcac2.html
2021年8月10日 (火) 無重力

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-e82dea.html
2021年8月10日 (火) 大気圏内での無重量・地下での無重量

↓参考
https://astro-dic.jp/supercluster-of-galaxies/
天文学辞典 > 宇宙の進化 > 大規模構造 > 超銀河団
超銀河団

銀河の集団である銀河団や銀河群が、複数個以上連なった大構造のこと。およそ1億光年程度以上の大きさを持つ。フィラメントと呼ばれるブリッジ構造を介して連なっている。大規模な銀河の赤方偏移サーベイなどによってその存在が明らかになっている。数値シミュレーションによっても、重力によるダークマターの構造進化の結果、このような宇宙の大規模構造が再現されている。近傍宇宙ではわれわれの天の川銀河(銀河系)が属する局所超銀河団や、ピセス-ペルセウス超銀河団などが知られている。宇宙には逆に銀河がほとんど存在しないボイドと呼ばれる場所があり、対照的である。近年の研究で、局所超銀河団はその約100倍大きなラニアケア超銀河団の一部であることが分かった。

 

2022年8月 1日 (月)

アリの道しるべフェロモン

livedoor の方で、画像のないテキストだけの記事をアップロードしました。
そういうのはこのcocolog で書こうと思っていたのですが、話の流れでこうなりました。

自分ではかなり面白い話を書いたつもりです。
どうぞ、お読みください。↓
https://kuebiko.blog.jp/archives/15036084.html#more
アリの道しるべフェロモン 2022年07月28

よろしく。

2022年4月26日 (火)

チョルノービリ原子力発電所事故

今朝NHKラジオの「今日は何の日」で今日は「チョルノービリ原子力発電所事故の起きた日」だったことを知りました。

1986(昭和61)年4月26日

だったのです。36年前ですね。そうだったんだ。

↓今日のNHKニュースです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220426/k10013599101000.html
チョルノービリ原発占拠「パニックになった」と従業員が証言(NHK 2022年4月26日 9時00分)

現在のウクライナ情勢の中で、問題になりましたね。
他方、私には個人的な記憶があるのです。
0426_1osen1

これです。「放射能汚染茶」の缶詰です。
当時、生協の店舗があって、そこへたまに入ってみたりしていたのですが、そこで見つけたものです。
0426_1osen2

裏側。セシウムによる放射線量のグラフがあって、色々解説がついていました。
0426_1osen3

私自身は、生協の立場とはちょっと姿勢が違うんですけどね。
放射性物質が飛んできた。日本の食品にも放射能汚染が起こっている、という立場を生協はとる。
私は、原爆マグロの経験もあるし、世界各国の度重なる核実験による地球全体の放射能汚染のほうが重大な状況ではないのか、という認識。
当時の私にとって、この缶詰はすごい教材だ、という認識でしたね。
「放射能標識」のついた缶を教室に持っていけば、いろんな話ができる。
セシウムはベータ崩壊が主ですから、缶の金属で遮蔽できるはずで、この缶が危険とは思えませんでしたしね。
{夜光塗料で夜にも読み取れる時計の文字盤がありましたが、大学の放射化学の学生実験で色々測定していて、時計の表側からは微量の放射線が出ますが、裏側は金属で遮蔽されて全く放射線は検出できませんでした。そんな経験もしています。}

ま、そんなこんなで、私費で教材として購入したのでした。
36年も前のことですか。記憶がよみがえりました。

↓参考
電気事業連合会
https://www.fepc.or.jp/nuclear/safety/past/chernobyl/index.html

    チョルノービリ(チェルノブイリ)事故
 1986(昭和61)年4月26日、旧ソ連ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)村に立地していた原子力発電所で、近隣の地域はもちろん、東欧や北欧まで放射能が拡散するという、原子力発電所事故としてはこれまでで最も重大な事故が発生しました。
 当初、旧ソ連は事故に関する情報を発表せず、放射能レベルの急上昇をみたヨーロッパの国々の圧力によって、重大事故の発生を認めました。この情報隠ぺいは世界から大きな批判を浴びました。国際原子力事象評価尺度(INES)ではレベル7とされました。

2022年2月28日 (月)

天気図と風

↓2/21の天気図と風の状況です。
2022_0221_0600tenkizu 2022.2.21
958hPaというと台風並み。すごいな、等圧線が混んでる。と、そこまではごく普通に読み取れます。
風の様子を見ると
2022_0221_1000kaze2
低気圧のものすごさがわかります。
若狭湾から能登半島あたりへJPCZという収束帯が見えます。
また。日本列島を越えてから収束する様子も見えます。この収束帯でも雲が発達するはずですが、海上なのであまり騒がれません。でもきっとすごいことになっているのではないでしょうか。
低気圧の中心から南の方へ伸びている寒冷前線の様子もくっきり。
2種類の空気が激しくぶつかっていることがわかります。

↓翌2/22
2022_0222_2100tenkizu 2.22
低気圧は956hPa、大陸の高気圧は1044hPa。
その差、88hPa。
2022_0222kaze1030
風の様子から気圧差を見ることはできませんが、収束帯はくっきりわかります。

両日ともオホーツク海はとてつもなく荒れたことと思います。
ここへ漁に出た漁船が、船の上部構造に雪氷がついて重心が高くなり猛烈な横風に吹かれて倒れて沈没する、という海難事故がよくあったものです。おそろしい海なのです。

★話は別件
高気圧と低気圧の気圧差が88hPaと書きました。
約0.9気圧の差です。
水銀を使ったトリチェリの実験は有名です。1気圧が水銀柱760mmを支えることができる。
水銀ではなく、水だったら?
水銀の密度は13.6なので
0.76×13.6≒10.3
1気圧は10mの水の柱を支えることができるのです。
ということは、気圧差が88hPaだと、水位が1m近くの差になる。
台風の時によく吸い上げ効果という言葉を聞きますが、冬の低気圧で、こういう大きな差が生じたことに驚きました。

↓教科書会社だと思いますが「大気圧による10m水柱実験」です。
https://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/labo/water/water.htm

実は私、工業高校で物理を教えていた時に、この実験をやったんです。
透明ビニールパイプを水で満たして、先端に閉じたガラス管を取り付け、空気が入ったりしないように実験セットを作る。
セットのバケツを1階の床に置き、私が先端を持って、一人の生徒にメジャーを持ってもらって、みんなで一緒に階段を上る。3階に達するまでは特別な変化はない。ただ注意していると、水中に空気中にとけていた空気が微小な泡になって管の内側につくように見えます。
さて、階段を上る。3階の天井から4階の床あたりを過ぎると、真空があらわれるんですね(もちろん水蒸気が入ってますけど)。
生徒たちも大喜び。本当なんだ!とびっくりです。確かに10m位のところなんですよね。
理科の先生におすすめですが、手間がかかることは確かです。

★もういっちょ。物理の他の先生と一緒に、体で実験したこと。
プールでね、口に水道ホースをくわえて、体を脱力してプールの底に沈む。ホースの他端は同僚に保持してもらう。
水深1mちょい。
その状態で口から空気を吸い込もうとしますとね、かなり絶望的に吸い込めないんですよ。
1.1気圧の圧力が胸郭を押す。たった0.1気圧増えただけで、胸を膨らませるのは非常に困難になります。
みんなでそれぞれ試して、肉体的に実感しました。
忍術に水遁の術とかいうのがありますね。竹筒を口にくわえて水中からシュノーケルのようにして隠れる術です。
あれはきつい、ほんの何十センチしか潜れませんね、そういう実感です。

夏の海でシュノーケリングしていて、水を吸い込んで溺れる事故がよくあります。
水圧って怖いものなのです。

気圧差の話から吹っ飛びました。ごめんなさい。
私の話は脱線が多い。

2022年2月10日 (木)

刀鍛冶 打ち初め

前の記事では、石炭にマッチから火をつける話をしましたが。
思い出して、打ち初め式の話を。

↓過去に書いたものです。これでほぼ十分なのですが。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-d50cac.html
2020年1月 9日 (木) 打ち初め式

日本刀の打ち初め式の話です。
「鉄は熱いうちに打て」ではなく「鉄を打つと熱くなる」というお話です。
・・・
オリンピックの聖火は「神聖」なんですか?で、採火式では太陽光を凹面鏡で集光して焦点のところで点火しますよね。
日本刀の打ち初めでも、やはり神聖であることが大事なのかな。マッチやライターでの点火はしないようなのです。
そうすると、錐もみや舞錐式とか「摩擦熱」を使いますか。それとも火打石を使いましょうか。
どちらも力学的なエネルギーを熱エネルギーに転換して火を採るわけですが。
私が見た日本刀の打ち初め式では、ちょっと意外で、物理教師は大喜びする方法だったのです。

常温の鉄の棒を、刀匠が槌で叩くんですね。そうするとやがて叩かれた鉄の棒が熱くなってきて火口に火をつけられるくらいになるわけです。それを火床(ほど)に移す、という採火法だったのです。

これも力学的なエネルギーを熱エネルギーに転換するということでは同じなのですが、さすが日本刀の打ち初めだよなぁ、と感動しまして、当然、私の授業の材料になったのでした。鉄を打つと熱くなるのだ!
理科教師は「好奇心 命」。なんでも教材に見えて仕方ないのでした。

↓今年のニュースから
NHK 岐阜 NEWS WEB
刃物の産地 関市で日本刀の打ち初め式(2022年01月02日)

刃物の産地として知られる岐阜県関市で、ことしの作業の無事を祈る日本刀の「打ち初め式」が公開されました。
・・・
ことしも「関鍛冶伝承館」の鍛錬場に白装束に烏帽子姿の刀匠7人が集まり、ことし最初の鍛錬に使う火をおこしてかまどに入れたあと、刀のもとになる鋼を火で熱したり「つち」でたたいたりして、日本刀を丈夫にする工程を披露しました。
・・・

無事と盛業を願う 岐阜・関市で日本刀鍛錬打ち初め式(朝日新聞デジタル 2022年1月2日)

 全国有数の刃物の産地、岐阜県関市の関鍛冶(かじ)伝承館で2日、新春恒例の日本刀鍛錬打ち初め式があった。
 1年の無事と盛業を願う行事で、えぼしに直垂(ひたたれ)姿の刀匠が、熱して折り曲げた日本刀の素材、玉鋼(たまはがね)を大つちで打ち付けた。
・・・

どちらも、「火起こし」の方法についての言及がない。
で、検索↓
https://www.touken-world.jp/tips/22235/
刀剣・日本刀の専門サイト 刀剣ワールド> 美濃伝の刀剣/関市の刃物>
関市における刃物の催事・祭事「関市の古式日本刀鍛錬打ち初め式」

祝詞を上げ一年の安全と発展を祈ったあと、鋼をたたいて火を起こし、火床(ほど)へ火を入れ鞴(ふいご)を動かすと一気に燃え上がります。この火は神棚にも捧げられ、いよいよ今年最初となる古式日本刀鍛錬の始まりです。

ちゃんと「鋼をたたいて火を起こし」となっていました。この文章で、鉄をたたくと熱くなる、ということを理解してくださる人がどのくらいいるかはわかりませんが。
理科教材としてはとても面白い。理科にかかわる方がいらっしゃいましたらご利用ください。

↓参考に。
https://hirahaku.jp/kyoushitsu_circle/labo/seika/hiokoshi_2009.pdf
火起こし道具の作り方

理科教員の研修で、きりもみ式の発火を実体験したことがあります。あれは面白かったな。

2021年8月25日 (水)

TVの気象情報から

0722_16tv_taihu 2021.7.22
台風6号です。雨の予想の画像。

↓先ずリンク先をお読みください。
https://tenki.jp/bousai/knowledge/5accc20.html
台風の構造

■台風の眼
台風の中心にあって、風が弱く雲のない領域。その直径は約20~200㎞。一般に、台風の眼が小さくはっきりしているほど、台風の勢力は強いと言われます。
■アイウォール
台風の眼を囲うようにある背の高い雲。非常に発達した積乱雲で形成されており、その下では猛烈な暴風雨となっています。
■スパイラルバンド
アイウォールの外側の雨雲。その下では激しい雨が連続的に降ります。
■アウターバンド
スパイラルバンドの外側で約200~600㎞にわたって存在する雨雲。断続的に激しい雨や雷雨があり、時には竜巻が発生することもあります。

アイウォールが真っ赤な輪として見えます。
眼の部分は青で雨は弱い。完全な中心は雨が降っていないかもしれません。
こういう構造を頭の中に収めて台風に接してください。
台風の中心近くが通過していくと、通過の前後で強風の向きが反転します。「吹き返し」ですね。
このごろ、接近してくるかなり前と遠ざかっていく時とで風向きがかわることに「吹き返し」という言葉を使う予報士さんもいますが、いいこととは思えません。
台風の目が通過する時、一時的に風が弱まりますが、すぐ後から逆向きの強風が吹き返しますよ、というように使ってほしいな。

私が子どもの頃、台風が来ると、米軍機が台風の目に入って観測した、というような報道もあったな。今は誰でも見えるのですものね、時代が変わりました。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/2-1.html
台風に伴う風の特性

過去の台風の地上での風速分布を右半円と左半円に分けて示した図です。進行方向に向かって右の半円の方が風が強いことが分かります。

わかりやすい図があります。
授業では、台風の進路の右側では台風自体の風に加えて、台風の進行速度が足し算されて、風が強くなる。左側では逆になる。と教えましたっけね。で、傾向として台風の進路の右側が「風」左側で「雨」に特に注意するように、とも話したっけな。

参考:台風の風を背中から受けるとき、台風の中心は左斜め前方(極端には左45度方向)にある、と考えてください。
それによって、接近中なのか、遠ざかりつつあるのか、などが、TV などの情報がなくても大まかに把握できます。
災害時の知恵です。

↓同じ日のTVから
0722_16tv_umikaze 海風
東京湾のあたりを見てください。東京湾を囲むように白い雲の輪がありますね。
千葉県でも海岸線から離れた陸地に雲の線。

これ、おそらく、日中の日差しの中で、海は暖まりにくく陸が温まりやすいので、海側が高気圧、陸は低気圧になって、海風が吹いているせいだろうと思います。
「海風前線」というのかどうか、そこまでは私の知識は届いていませんが、出来事の理解自体は間違っていないと思います。
冷たい海風が、陸の暖かい空気の下に潜り込むように吹き込んで、暖かい空気が上昇して雲が発生した。
そういう出来事を見ているのだと思います。

授業で、比熱と海風、浜風、朝凪、夕凪などの関係を話し、大きく季節変化と気圧分布なども話しましたっけ。
↓その記事です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-a24b.html
2017年2月27日 (月) 比熱

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-4605.html
2017年2月27日 (月) 世界の気圧分布

今回は、こういう出来事が、気象衛星画像で見られるということを知りました。現役だったら絶対に教材に使ってますね。
何でも教材に見えてしまう、教師の「さが」というやつです。

2019年2月25日 (月)

オリゴ糖

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-e620.html
2019年2月19日 (火) オリガーキー
↑この記事で「オリゴ」から話を広げました。今回はその続きです。

★「オリゴ糖」という言葉を聞きますね。
「オリゴ」は「少ない」という意味でした。何が少ないのでしょう?
単位となる「単糖」が「少数」結合したもの、という意味です。
英語だと oligosaccharide

単糖は「monosaccharide」。「mono」は「1」を表します。
単糖にもいろいろあるんですが、一番身近なのはグルコース(ブドウ糖)ですね。

ブドウ糖が2個(di)つながると。「disaccharide」です。二糖類。
身近なのはショ糖、乳糖、麦芽糖あたりかな。

二糖類だって、「少数」の単糖がつながっていますので、「オリゴ糖」といえないこともない。普通にはあまり言いませんがね。
単糖が3~6、7個つながったものを、化学の方ではオリゴ糖と言い慣わしている感じかな。

10を超えたら「多糖」polysaccharideという分類になりますね。
    デンプン
    グリコーゲン
    セルロース
    キチン
    アガロース
    ヒアルロン酸
    ペクチン
    グルコマンナン
    アルギン酸
こんなところが、よく耳にする多糖類でしょうか。

ところで、オリゴ糖=少糖というのは化学用語ですが
「稀少糖」という言葉を耳にすることもあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%8C%E5%B0%91%E7%B3%96

希少糖(きしょうとう、英: rare sugar)とは、国際希少糖学会によって「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義され[1]、単糖とその誘導体としての糖アルコールを加えると、60種類ほどになり、自然界に豊富に存在するD-グルコースやD-マンノースなどを除いた単糖の大部分を占める。

考えすぎかもしれませんが、オリゴ糖⇒少糖⇒稀少な糖という「すりかえ」をやっていませんか?
稀少糖は rare sugar です。化学用語のオリゴ糖(少糖)とは異なる概念です。

意図的にこれらを混用してないか?疑い深すぎるかな。
化学を知らない人に、ややこしい言葉、概念をぶつけて、有難がらせているのではないかと、やはり疑ってしまいます。

★話がそれますが、以前「高級アルコール系洗剤」という言葉が流行ったことがありました。
化学屋としては「高級」というのは品質に絡むことではなく、「炭素の鎖が長い」というだけの意味なのです。
まぁ、炭素数が6以上くらいから「高級」というならわしかな。
でも、洗剤メーカーは品質が良い「高級」な洗剤というイメージと重ねましたよね、確実に。もちろんメーカーに意味を問い合わせたりすれば「炭素鎖が長いという意味です」と回答したでしょうけれど。
こういうような、意味をずらす、重ねる、すり替える、というようなことは身近に頻繁にあることですので、充分に注意してくださいね。
「高級アルコール系洗剤」のことは授業でも話しました。そうなんだ高級品とかじゃないんだ、と生徒は驚いていましたよ。

★化学教師現役時代の教材プリントを、かつてのHPに載せたものを再掲します。お楽しみください。
↓ここから
数詞
思いつくままに数のことばを挙げてみました。もっとあります。いろいろ探してみてください。

[1] mono
monarchy        君主政治(体), 君主国
monarch         君主
(参考:anarchy 無政府(状態),(社会の)無秩序。“a”は否定語。)
monochord       一弦琴
monochrome      単色の, 白黒の
monocle         片めがね
monocycle       一輪車
monolith        一枚岩、一本の石、一本の柱
monologue       独白、モノローグ、一人芝居
monomania       偏執狂
monomer         科学用語:単量体
monopod         一脚{カメラの}(pod は、あし)
monopoly        独占権、専売権
monorail        モノレール、単軌鉄道
monotheism      一神教
 (参考:polytheism 多神論、多神教、 atheism 無神論)
monotone        (色彩・文体などの)単調

[2] di(bi)
dialogue        対話
diarchy         両頭政治
dichotomy       二分法
dichromatic     二色の
dilemma         (好ましくない二者択一を迫られる)板ばさみ、窮地、ジレンマ、両刀論法
distoma         ジストマ
bicycle         自転車、二輪車
bilingual       二ヶ国語を自由に話す
 (monolingual, multilingual, trilingual)

[3] tri
triangle        三角形
triarchy        三頭政治
triathlon       トライアスロン(遠泳、自転車、マラソンの3種目を連続して行う競技)
triceratops     トリケラトプス(角が3本の白亜紀後期の恐竜)
tricolor        三色の、三色旗、the Tricolor:フランス国旗
tricycle        三輪車
trident         [ギリシャ・ローマ神話]三つ又の矛(海神Poseidon, Neptune の標章)
trigon          三角形
trillion        百万の3乗
trilobite       三葉虫(最近トリロバイトという掃除ロボットが登場した)
trilogy         (劇・小説・オペラなどの)三部作
trinity         三位一体(神・キリスト・精霊)
trio            トリオ(三重奏、三重唱)三つ組み、3人組、三つ揃い
triple          3重の、3倍の
tripod          (カメラなどの)三脚
tritium         トリチウム(三重水素)

[4] tetra
tetragon        四角形
tetrahedron     四面体
tetrapod        四足獣、(4脚の)波消しブロック
テトラパック    牛乳の容器
tetrarchy       四頭政治

[5] penta
pentagon        五角形、米国国防総省(建物の外郭が五角形)
pentagram       五角の星型(☆形、魔除)
Pentateuch      モーセの五書(旧約聖書の初めの5巻。Genesis(創世記), Exodus(出エジプト記), Leviticus(レビ記), Numbers(民数記), Deuteronomy(申命記))
pentathlon      五種競技、近代五種(馬術、フェンシング、ピストル射撃、水泳、クロスカントリー)
pentarchy       五国連合

[6] hexa(sex)
hexagon         六角形
hexagram        六角形の星型、かごめ模様(二つの正三角形を組み合わせた図形。「ダビデの星」としてユダヤ教のシンボル)
hexahedron      六面体
hexapod         六脚類、昆虫
sextuple        6重の、6倍の、6拍子の
sextet          6重奏楽団
sextant         六分儀

[7] hepta
heptagon        七角形
heptahedron     七面体
hepatarchy      七頭政治。英国の七王国(5~9世紀頃にあった七つの王国)

[8] octa
octagon         八角形
octahedron      八面体
octant          八分儀
octave          オクターブ、8度音程、第8音
octet           八重奏楽団
October         十月(ラテン語で「8番目の月」の意。)(JulyはJulius Caesarから。AugustはAugusutusから。元来「8月」はOctoberであった。)
octogenarian    80歳代の人
octopus         蛸
octosyllable    8音節の語(詩)

[9] nona
nonagenarian    90歳代の人
nonagon         九角形

[10] deca
decade          10年間
decagon         十角形
decahedron      十面体
decalogue       the Decalogue:モーセの十戒(the Ten Commandments)
decapod         十脚類(イカなど)
decathlon       十種競技
Decameron       デカメロン。ボッカチョの物語文学。題名は「十日物語」の意。1353年作。10人が10日間、毎日それぞれ1話ずつ語って聞かせる。。

[いち] uni:「単一」の意。ラテン語の「ひとつ」の意から。
unicorn         一角獣(額に一本のねじれた角を持ち、雄鹿の脚とらいおんの尾をもつ伝説上の動物)。
unify           一つにする、統一する
uniform         同形の、そろいの、一様な、均一の、制服
unique          唯一の
unison          調和、和合、一致、斉唱、ユニゾン
unit            単一体、一個、一人、一団

[少] oligo
oligomer        単量体が数個から十個程度つながったもの
オリゴ糖        単糖が数個から十個程度つながった糖類(少糖)
オリゴペプチド  アミノ酸が数個程度つながったもの

[多] poly
polygon         多角形
polyhedron      多面体
polymer         重合体、ポリマー

ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどはそれぞれエチレンのポリマー、塩化ビニルのポリマー、スチレンのポリマーである。
たんぱく質はアミノ酸のポリマー、デンプンやセルロースはグルコースのポリマー(多糖)である。
↑ここまで

2017年11月13日 (月)

台風から吹きだす風

★このタイトルを見ると、ん?なにを言いたいのかな、と思いませんか?
台風シーズンもほぼ終わり、ちょっと書き残しておきたい話がありまして。
もう30年近くも昔かな、化学準備室で同僚と話していて。
私が、気象衛星から撮影した台風の写真は確かに反時計回りに回っているようだが、これって、実際には何を見ているのだろう?と提起したのです。
確かに台風は反時計回りの渦なのですが。吸いこむばかりでいいのかい?というのが私の疑問。
大量の風を吸いこんで、激しい上昇気流を生じ、積乱雲の壁が目の周辺にある。
で、その上昇気流は、成層圏にぶつかったら、そのまま上昇はできないんだから、今度は吹きだすでしょ。
気象衛星は上から台風を見ています。
とすると、気象衛星で見る台風、というのは、何だろう?
吹き出した風が運ぶ雲を見ているという可能性はないのか。
これが私の疑問。同僚も、そういやそうだよな、とは言ってくれましたが。その時は、特に深く追及せずに、ペンディングのままに30年も「背負ってきて」しまいました。

そうしたら今年、台風21号のときに、動画を見ました。
youtube です↓
https://www.youtube.com/watch?v=t8FgJUplEWA&feature=youtu.be
画面右の方で左から右へ流れる雲は、おそらく前線の南側の雲でしょうから無視して。
台風の左上あたりから時計回りに流れていく雲がありますよね。
やっぱりなぁ。そうなんだ。

★難しいことは端折って、アナロジーで考えると。
北半球の低気圧:気圧の低い地点へ風が流れこもうとすると、コリオリの力という見かけ上の力が働いて反時計回りに吹き込んでいきます。
北半球の高気圧:気圧の高い所から吹きだす風がコリオリの力で時計回りに吹き出します。
さて、台風は低気圧ですので、中心へ吹き込む風は反時計回り。これはこれでよし。
吸いこまれた風は上昇し成層圏にぶつかって外側へ吹きださざるを得ない。中心近くではまだ反時計回りに吹きだしてくるのでしょうが、横へ広がって風速が落ちてくると「吹きだす風は時計回り」という高気圧型の回転が勝ってくるのだと思います。
つまり、台風というのは低気圧と高気圧の2段重ねみたいなものと考えられます。

気象衛星でみる台風の雲は、大部分が反時計回りに吸いこまれる風に乗った雲でしょうが、外側の一部には反時計回りに吹きだす風が流す雲も写っているのだ、とご了解ください。
動画だとそのあたりがよく見えるということですね。

このアナロジーを考えてから多分間違いないよな、とネットで検索してみたら。
↓ウレシイ!あってた!
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/feedback/ja/0142.html.ja
質問142: 台風の風の吹き出し方向について

台風は中心に空気が集まってくる渦ですから、どこかでその空気を逃さないといけません。そこで大気圏の上端まで上昇した空気は、相変わらず反時計回りに回転しつつ、しだいに外側に押し出されていきます。外側に押し出されるにしたがって、回転速度も徐々に遅くなっていきます(角運動量の保存則)。これは地上では中心に近くなるほど風速が強くなるのと逆の関係です。そして中心からかなり外側にまで動いてくると、今度はコリオリ力の影響が相対的に強まってきます。そしてコリオリ力によって、この空気は徐々に時計回りに反転していくというのが、この逆回転の仕組みとなります。

ということなのでした。
分からないことをペンディングなままに保持し続けるというのも、面白いものですね。

↓参考サイト
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/kiatsutokaze-01.htm

2011年5月19日 (木)

3世代

朝日新聞の夕刊に、[彩・美・風]というエッセーがあります。その5月11日の分に大竹昭子さんが次のような文章を書いておられました。

   

過去へ連れゆく写真の力
 母方の親戚一党が客間に勢ぞろいし、記念撮影した写真が残っている。大正末期に祖父の家で撮られたもので、写真屋さんがきたらしく、みんなしゃちこばって前を向いている。いちばん端で白い産着に包まれ若い男性の腕に抱かれているのは、赤ん坊のときの母である。
 この写真を最初に見たのはいつだっただろう。まだ小学生のころではないか。「これだれ?」と尋ねて、「お母さんよ」と母が答えたとき、とても困惑したのを覚えている。
 だれの場合でも、ふにゃふにゃだったころの写真を見せられれば驚く。だがその写真に感じた違和感は、それよりももっと奥深い、自分の実存が危うくなるような感覚だった。お母さんが赤ん坊だったら、私はどうなるの? という理屈にならない問いが湧いてきたのだった。
 この赤ん坊が大きくなって、結婚し、私を生んで育てたということは、頭でわかっていた。でもそんな説明では、そのときの理不尽さは消えなかった。
 子供にとって、母親は生まれたときから母親である。いま自分がここにいるという根拠は、母が母であるという事実によって保証されている。
 その母が生まれたばかりの赤ちゃんで写っているのが、なんとも居心地が悪い。どこかの見知らぬ赤ん坊のようだ。本当にこの子が大きくなって私を生んだのだろうか。そう思うと、ひとつ歯車がちがえば、自分がこの世に存在しなかったような不安が頭をもたげてきた。それは母が「私が赤ちゃんだったころにね」と口で言ったときとはちがう、実に奇妙な感覚だった。
 写真は過去のある一点に見る者を連れて行く。そのとき私は、自分が生まれるという筋書きが、まだどこにも書かれていなかった時点に、引き込まれたのだろう。写真がはらんでいる時間の恐ろしさにうろたえたのだ。

◆自分の母親が赤ん坊だったという写真に困惑し、「自分の実存が危うくなるような感覚」を覚えていらっしゃいます。
 「ひとつ歯車がちがえば、自分がこの世に存在しなかったような不安」と言っておられますが、私のようなタイプの人間には、当たり前のことのように思えます。私が今ここに存在しているということは、全く単なる偶然に過ぎないと思っています。たまたま、こうして生まれてきましたが、別に私が生まれなければならない必然性などどこにもないと思われます。
 「ひとつ歯車がちがえば、自分がこの世に存在しなかった」というのはごくごく当たり前なんですけどね。
 どうも、私にはそういうタイプの感性がない。
 もう少し別のところに大いなる驚きを覚えるたちです。

◆生物は子孫を残さなければならない。
 話を動物に限っておきましょう。話が拡大しすぎないように。
 動物の成体が現実体として今ここにあるとします。
 この動物が子孫を残すためには可能体としての生殖細胞を持っていなければなりません。
 動物は現実体として生きながら可能体としての生殖細胞を保有して、「2世代」が重なり合って同時に生きています。
 さて、ヒトは哺乳類です。ですから、子を子宮の中で育てます。

 想像してみてください。
 お腹の大きな妊娠中の女性。その女性の子宮の中には「子」が成長中です。その「子」はすでに現実体ですね。出生前ですが個体性は当然持っています。そしてその「子」の体内にはその「子」にとっての可能体である生殖細胞があるのです。
 どうでしょう、3世代が重なって同時に生きているのですよ。
 こういう事実こそ私にとってくらくらするほどの驚きをもたらします。
 女性は妊娠中に、自分の孫までを重ねて、3世代の同時存在として生きているのです。
 男性にはそういうことはありません。あくまで2世代の重なりしかありません。

 すごくありません?想像したことありました?3世代が重なっているなんて。

 もし、自分のおなかの大きな祖母が母を妊娠中だったという写真があったらすごいですね。
 祖母がいて、その体内に母がいて、その胎児である母の中に将来自分になるべき卵細胞がある。
 女性って、やっぱり男性をはるかに超える存在ですね。

◆ちょっと発生学の本を開いてみましょう。
発生学アトラス」Ulrich Drews 著、塩田浩平 訳、文光堂、1999年

原始生殖細胞(始原生殖細胞)の遊走
 第4週に、原始生殖細胞が、卵黄囊から背側腸間膜を通って未分化な性腺原基へ移動する。これらの細胞は、遊走しながら有糸分裂によって増殖する。

胚子期の生殖細胞
 卵祖細胞の数は、胎生5カ月に最大(700万)に達する。この時期まで増殖した後、卵祖細胞が第1減数分裂をはじめる。卵細胞の周囲に卵胞細胞ができて原始卵胞が形成された後、第1分裂が停止する。原始卵胞にならなかった卵祖細胞は、死滅する。精巣の原基では、原始生殖細胞が精祖細胞として精巣索の中へ取り込まれ休止期に入る。

出生時の生殖細胞
 卵巣では、卵細胞が原始卵胞の中にあって、第1減数分裂の前期(網糸期)で停止している。精巣では、精祖細胞が、緻密な精巣索の中で、減数分裂をはじめる前の状態で停止している。

思春期における分化
 卵巣には、なお4万個の卵細胞がある。各月経周期ごとに、数個の卵細胞が分化をはじめる。対合していた染色体が伸びる(ランプブラシ染色体)。胚が発生をはじめるのに必要なmRNAが転写され、卵細胞の細胞質に蓄えられる(母体因子)。第1減数分裂が排卵直前に完了し、第1極体が放出される。すぐに第2減数分裂がはじまるが、それも分裂中期で停止する。この段階で排卵が起こる。精巣では、思春期になってから、精祖細胞が再び増殖をはじめる。一定回数の有糸分裂を経た後に減数分裂と精子への分化がはじまる。
 {ブログ著者註:精祖細胞は6回の有糸分裂を行ってから減数分裂をします。4回目の有糸分裂をした精祖細胞の一部は、精子発生過程から外れて、再び休止期の精祖細胞に戻ります。これによって、精子発生の幹細胞がなくならずに一定数が保たれるのです。}

受精
 卵細胞に精子が接すると、第2減数分裂中期のブロックが解除される。その結果、引き続き第2分裂が進行し、第2極体が放出される。

接合子
 男性前核と女性前核ができた後、それらが互いに融合して新しい接合子ができ、ここに胚の発生がはじまる。

 いかがでしょう?
 生殖細胞というものは生物にとって、とてつもなく大事なものです。発生中の激しい増殖や分化の嵐から生殖細胞を隔離して「なににもならない」という形で生殖能力を確保します。
 現在の生殖医療と称するヒトの行為に大きな疑念を持ちます。やれることと、やっていいことはちがうだろ、といいたい。38億年もの「継続」を果たしてきた生物の生殖に、思い上がってうっかり手を出すと、生物としての大きな打撃・しっぺ返しをくらうことになるのではないかと危惧します。

 女性の場合、胎児でいるうちに減数分裂を途中まで進めてから停止させ出生を迎えます。まだ減数分裂の後半が残っているとはいえ、その卵細胞が授精すれば次世代になり得るという意味で、ある種の個体性がすでに卵細胞にはあります。
 男性の精祖細胞は、分裂して増えてから更に減数分裂して個々の精子になりますので、精祖細胞の時点ではまだ個体性はないと言っていいだろうと考えます。
 ですから、「妊娠中の母親の体内の胎児が既に持つ可能体としての次世代」といっても、その胎児が女児か男児かで、3世代目の個体性のあり方には大きな違いがありますね。
 女児を妊娠した時に3世代のオーバーラップが際立つわけです。
 つくづく女性ってすごい存在です。男にはどうしようもない。絶対に太刀打ちできない現実です。

◆こういうことに、私はくらくらし、めまいのような感動を覚え、もしほんの一端でもその感動を生徒に伝えることができれば、と生物の授業をしていたのです。

◆派生的に書きたいことがまだいくつかありますが、長くなりました。ここでいったん切ります。

2011年5月 6日 (金)

「春のばくはつ」がひとだんらく。

以前にも平年気温の変化をグラフ化したものをお目にかけたことがあります。
今回は、エクセルのセルの色で変化のようすを見てみました。
Coloring3_2 毎日0.1℃変化するのが通常なので、ある日の平年値から前の日の平年値を引いて、差が±0.1℃のときはセルに着色しませんでした。
(年間のピークと谷底のではその前後で0.1℃の意味が変わってしまいますが、ちょっと緩やかに考えてください)。

0.2℃上昇の時はピンク、0.3℃上昇の時は赤で塗りました。
0.2℃下降の時は薄いブルー、0.3℃下降の時は濃いブルーで塗りました。
前日と変化がない場合は、薄いグレーにしてあります。
{VBAでマクロプログラムを書いて、さっと走らせただけです。}

1,2月は変化のない日も多かった。
2月の下旬から3月中旬は毎日0.1℃の上昇が多くなります。

そして春分を過ぎた頃から4月の終わりまで、ほぼ毎日のように0.2℃上昇しました。「ぐんぐん」暖かくなる。
途中に0.3℃の上昇という日も、何回かありました。
これを表題で「春のばくはつ」と表現しました。

5月に入って、一段落です。最低気温は0.2℃の上昇も多いのですが、最高気温の方は0.1℃上昇が多いですね。

6月は東京では梅雨のせいでしょうか、気温上昇は鈍くなります。

7月、また0.2℃の上昇が増え、8月のピークに至ります。
8月はセルの色が変化なしのグレーか、0.1℃の無色ですね。

9月以降についてはご自分で「鑑賞」してください。

言い忘れましたが、このデータはもちろん私が住んでいる東京でのものです。
他の地域については、気象庁のサイトから平年気温のデータをとって、自分で処理をして下さい。

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