理科おじさん

2018年7月 9日 (月)

ナメクジの脳

★新聞記事から引用↓

(ひと)松尾亮太さん ナメクジの脳の働きを研究する福岡女子大准教授(朝日新聞デジタル 2018年7月4日05時00分)
 ねばねばした不気味な害虫という印象は、「意外と賢い」に変わった。17年前、東京大薬学部の助手になり、実験動物のナメクジに「学習能力がある」と教わったときだ。哺乳類とはまるで違う脳神経のしくみの面白さにはまり、マウスの脳研究からのりかえた。
 福岡女子大の研究室。温度を19度に保った飼育装置で体長3センチほどのチャコウラナメクジ1千匹を飼う。神経細胞の数はヒトの10万分の1しかない。でも、食べてまずかったエサのにおいを覚え、1カ月は避ける。脳は損傷しても回復し、嗅覚(きゅうかく)や視覚をつかさどる触角は切っても再生する。太らせると神経も大きくなる。
 高機能だが、もろいヒトの脳に対し、最低限の機能であっても再生可能な脳を進化の末に獲得した。そこにしたたかな生存戦略を感じる。「人類は滅んでもナメクジは生き残ります」
 ・・・後略

★そう、ナメクジは学習するんですよ。
↓以前、その話書いたよなと、「ナメクジ 冷却 健忘」で検索したら6番目に出てきました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-a55f.html
2012年12月 5日 (水) 鏡の話:10の2

詳しくはぜひお読みください。ナメクジは学習する。そして、1℃くらいに冷やされると学習したことを忘れちゃうんですね。かわいそうに。
せっかく勉強して覚えたのに冷やされちゃったから忘れちゃったよぉ。
ゴメンナ。

記憶が持続するためのメカニズムがそこに見えるのでしょう。ヒトは恒温動物ですから、大丈夫です、冷やされても。

↓私のブログからリンクした論文の再掲です。
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=1994&number=3914&file=E3VhOMqywvMJB18tkcGRUQ==
軟体動物の古典的条件づけを通して見た学習・記憶の分子機構

↓こういう論文もあります。どうぞ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys1961/31/5/31_5_26/_pdf
ナメクジの記憶メカニズム ― 逆行性健忘による解析

2018年6月25日 (月)

夏至の頃の影

↓夏至が近いなと思った頃に撮った写真です。
0612_21koudo2 2018.6.12
棒状のステッキの影がなくなるように線路柵に立てかけて、なるべく低い位置から撮影しました。
去年も同じ考え方の写真を撮って記事を書きました。下の②のリンクです。
大雑把にいって地面から70度ちょいの傾きになっています。この時期、東京の日南中高度は77度くらいなので、おおよそ合ってますね。

★今年ちょっと思いついたことがありまして。
以前にも使った図です。
Nantyukoudo2
南中高度の図。
Kage_2  
長さ「1」の棒の影の図。

この二つを合体させたらどうなるんだ?
新たに図を描き起こすのは面倒ですので、影の長さの図を左右反転させて南中高度の図にくっつけてみました。
{「なんちゅう」ずさんな仕事だ!}
Nantyukoudo_kage

これで何かがわかりやすくなったのかどうか。
思いつきをご紹介しました


http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-27d1.html
2017年6月22日 (木) 夏至の翌日


http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/post-2c2e.html
2017年7月14日 (金) ステッキの影


http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-7fb6.html
2018年1月26日 (金) 長い影

2018年6月21日 (木)

夏至

今日は夏至なのですが、理科年表2018年版によりますと
夏至 太陽黄経90度 6月21日 19時7分
とあります。
えっ?という感じがしませんか?
太陽黄経が90度になるのは「ある時刻」なのですね。それが19時7分。夏至点を通過する時刻が19時7分でもいいです。
この夏至点を含む日を通常、夏至と呼んでいるわけです。

夏至といえば「一年で一番昼が長い日」ということになっていますが。
日の出が最も早くなるのは夏至よりも前です。また日の入りが最も遅くなるのは夏至の後です。

理科年表によりますと、東京での日の出日の入りは

 6    4:25   18:54
・・・
18    4:25   18:59
19    4:25   19:00
20    4:25   19:00
21    4:25   19:00
22    4:26   19:00
・・・
24    4:26   19:01

こうなんです。
あら、19日から21日までの3日間、日の出・日の入りが同じですね。

秒単位まで考えればどうなるのか。面倒だから追及しません。

私は個人的な感覚として夏至のことを「夏至点通過の日」と感じているだけです。
二至二分を基本として1年を把握しているといってもいいです。
二至二分は天文学的な出来事。それをさらに分割するかどうか、いくつに分割するかというようなことは人間の文化的なものでしょう。

してん【至点】
(solstice)黄道上で分点より90度へだたった所。夏至点と冬至点との並称。二至。

ぶんてん【分点】
〔天〕(equinoctial point)黄道と赤道との交点。太陽が赤道を通過する点で、その南から北に通る点を春分点、北から南に通る点を秋分点という。
   広辞苑第六版より引用

日長は、まあ、生活感覚程度にしか感じていませんね。

↓国立天文台の「暦Wiki]です。
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/
ここを出発点にして、いろんな内容が楽しめます。

↓こんなところはいかがでしょう。
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B5A8C0E12FC6F3BDBDBBCDC0E1B5A4A4CEC4EAA4E1CAFD.html

お楽しみください。

↓そうそう、理科年表をお持ちでない方は下のサイトで調べてください。
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/
ここも利用できます↓
http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/koyomix.cgi

2018年6月20日 (水)

つむじ風

0604_9tumujikaze1 2018.6.4
森田さんの懐の深さが現れるシーン。いろいろご存知です。
この日は東京では29℃くらいまで気温が上がった日。

0604_9tumujikaze2

公園や学校の校庭などで小規模なつむじ風はみますが、これはかなり大型のつむじ風ですね。「つむじ風」と書くより「旋風(つむじかぜ)」と書いた方が「らしい」感じがする。
地面が熱くなって、そ上の空気が暖められ、上昇しようとします。
でも、一様に全部上昇するわけにはいきませんよね。何かのきっかけである部分の空気が上昇し始め、周囲の空気を吸い込む、ということが起きるとつむじ風になるわけです。
小さなきっかけが生じたら、それが拡大して大きな気流に成長する、この意味で「地表付近の空気の状態が『不安定』になった」ということですね。
小さな規模で、逆向きに。
熱いみそ汁を静かに冷ますと、表面が冷めて下降する水流ができるのですが、ポツンポツンと点のような下降水流部分ができますね。ひっくり返しのつむじ風のようなものです。
↓参考。竜巻と旋風のきちんとした定義も述べられています。よろしかったらお読みください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%B5%E6%97%8B%E9%A2%A8

塵旋風(じんせんぷう)とは、地表付近の大気が渦巻状に立ち上る突風の一種である。一般的には旋風(せんぷう、つむじかぜ)や辻風(つじかぜ)と呼ばれ、英語ではダストデビル(Dust devil)と呼ばれる。竜巻と誤認されることがあるが、塵旋風と竜巻は根本的に異なる気象現象である。
 ・・・
塵旋風(じんせんぷう)とは、地表付近の大気に上昇気流が発生し、これに水平方向の強風が加わるなどして渦巻状に回転しながら立ち上る突風の一種である。乾燥した土や砂などの埃、細かい落ち葉やゴミといった粉塵(ふんじん)が激しく舞い上がることから塵旋風と呼ばれる。対流混合層がよく発達した晴天で強風[1]の日中などに砂漠・荒地・空き地・田畑・運動場・駐車場などのある程度の広さがある場所で発生しやすく、小規模な塵旋風であれば日常生活の中でも比較的容易に見ることができる。大部分の塵旋風は無害であるが、ごく稀に大規模な塵旋風が発生して人や建物などに被害を及ぼすことがある。
・・・
塵旋風の定義を簡潔に述べるため、日本の気象庁や気象研究所、日本気象学会などによる竜巻の定義と併せて述べる。
・・・

2018年6月18日 (月)

見たものはすべてか:選択的注意(selective attention)

Eテレ、朝の「にほんごであそぼ」から。
「ゆく河の流れは、絶えずして・・・」という方丈記の文章を子どもたちが一生懸命唱えるんですね。
で、始まる前に、画面に変化があるはずだ、といわれてから見ているのですが。
私、正直、変化に気付かなかった。
0530_15nihongo1 2018.5.30
始まりの画面。
0530_15nihongo2
終了時の画面。
中央右の縦の流れがいつの間にか描かれていた。
もう一度繰り返してくれたので、やっとわかったという次第です。
さして大きくもない画面の中で、明らかな変化なのに、見逃してしまった。
子どもたちのかわいい声と、画面内の右から二人目の男の子の動きに関心が行ってしまって、全体を見ていませんでした。
こういう出来事を心理学では「選択的注意(selective attention)」というそうです。

よくね、百聞は一見に如かず、といって、見たものは絶対だと信じ込みますよね。
自分は視野に入ったものをすべて見ている、と思っていますよね。
ところが違うんだなぁ。
人は見たいものしか見ていない。見たいと思っていなくても強い印象を与えるものを見てしまう。

自分が「見たもの」が「全部」であり「確か」なものだとは思わない方がよいのです。

事件などに関わりたくないですが、もし何かの事件を目撃してしまった時、私は事件を「見た」のだから私の証言は信用できるはずだ、と考えてしまう。目撃証言というものにはその危うさがある。

https://psychoterm.jp/basic/cognition/03.html

「選択的注意」とは、多様な情報が渦巻くような環境条件下において、
その個人にとって重要だと認識された情報のみを選択し、
それに注意を向ける認知機能を指す概念です。

https://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/perception/selective-attention.html

私はこの「選択的注意」ということについて、ある読書で知りました。
「錯覚の科学」 (文春文庫)、 クリストファー チャブリス , ダニエル シモンズ
という本です。ただこの本の内容は大人向けですので、お子さんには読ませない方がいい。
ただ、この本で衝撃的な動画の話が出ていまして、それは youtube にアップされていますし、見ても大丈夫です。

https://youtu.be/vJG698U2Mvo
バスケットボールをパスするシーンなのですが、白いユニフォームのチームが何回パスをするか数えてください、というだけです。
びっくりしますよ。

とにかく。私たちは自分を取り巻く世界のすべてを把握しているのではない、という点には十分注意する必要がありますね。

2018年6月15日 (金)

東京スカイツリー

0530_18skytree 2018.5.30
5月30日の空。雲が低く垂れこめて、東京スカイツリーの展望デッキがかすむくらい。
展望デッキは地上から350mの高さだそうです。
ずいぶん低い雲ですね。
以前、車で東京タワーのそばを走っていた時に、東京タワーのてっぺんが雲の中に入っているのを見たことがあります。
333mより低かったわけです。
梅雨の季節、どんよりと雲が垂れこめたら、地上300mくらいまで下がってきていることがあるんだな、と思ってください。
↓参考
http://www.tokyo-skytree.jp/about/outline/
展望デッキ:350m

2018年6月13日 (水)

酸素に引火???

★勘弁してほしいのです、元化学教師としては、がっかりです。こういう見出し。
「実験中に酸素に引火 名古屋大工学部」(朝日新聞デジタル 2018年6月5日13時16分)

実験中に酸素に引火して火があがり、壁の一部を焼いた。

酸素に引火なんてしません。っって、もう、小学校以来の理科を勉強しませんでしたか?
酸素は助燃性(支燃性)の気体である、自燃性はない、と。

4時間後の記事
「実験でぼや 名古屋大工学部 けが人なし」(朝日新聞デジタル 2018年6月5日17時20分)

 出火したのは9階のボンベ室。実験中に火があがり、壁の一部を焼いた。

さすがに、マズイ、と思ったかな。最初から気づいていればよかったのにね。
お~ハズカシイ。

★実は4月30日にも。
0430_25sansoinka 2018.4.30
TBSのニュース画面です。死亡事故ですので、あまり取り上げたくなかったので今まで書きませんでした。
内容は

佐賀・武雄の製鉄工場で爆発 2人死傷、酸素ガスに引火か
 ・・・警察などが漏れた酸素ガスに引火した疑いがあるとみて、当時の状況を調べています。
・・・
 工場の関係者によりますと、地下の機械室には鉄を溶かすために使われる酸素ガスの配管があり、何らかの原因でガスが漏れ、引火した疑いがあるということです。警察などが30日朝から実況見分して、当時の詳しい状況を調べています。

電気炉で酸素ガスを使うのは当たり前。酸素が燃えるわけがないでしょ。高濃度酸素ガスに高温の鉄ですからね、火花が飛んだとか、可燃物が混入したとか。普段なら燃えるとも思えないようなものが、高濃度の酸素ガス下では爆発的に燃えるんです。

この時の朝日新聞は、酸素が燃えたという表現はしていない。

 同社によると、佐賀工場では鉄くずを溶かし、鉄筋の素材をつくっている。地下室には鉄を溶かす電気炉に酸素を送るためのゴムホースなどがあった。

こう書いています。

NHK佐賀のニュースでは

武雄の製鉄工場で爆発 1人死亡(04月30日 11時54分)
 ・・・
 爆発が起きた地下には、電気炉に酸素を送るためのホースなどがあったということで、警察はホースから酸素が漏れ出し、何らかの理由で爆発が起きたとみて、午前中から現場検証をするとともに、会社から話を聞くなどして当時の詳しい状況や事故の原因を調べています。

酸素が燃えたとは書きませんでした。

日経新聞では「酸素に引火」したそうです。

 製鋼所で爆発 1人死亡 佐賀、酸素に引火か
 ・・・
 県警によると、死亡した作業員は、地下から煙のようなものが出たため確認に行き、爆発に巻き込まれた。地下の機械室には、1階の電気炉に酸素を送るホースが通っており、何らかの原因で漏れた酸素に引火したとみられる。

 マスコミの自然科学レベルはそう高くはない。批判的に読んでください。「ん?ホントかな?」と疑いながら読み・聞いた方がいいですよ。
批判というのは「けなす」「非難する」ことではありません。
きちんと細部にわたって吟味・検討して分析、「評価」することです。
「評価」も高く褒めることではありません。

ひ‐はん【批判】
(criticism イギリス・Kritik ドイツ)
①物事の真偽や善悪を批評し判定すること。ひばん。
②人物・行為・判断・学説・作品などの価値・能力・正当性・妥当性などを評価すること。否定的内容のものをいう場合が多い。哲学では、特に認識能力の吟味を意味することがある。「強い―を浴びる」
広辞苑第六版より引用

ひはん‐しゅぎ【批判主義】
(Kritizismus ドイツ)
①批判の精神をもって独断を排する思想態度。批評主義。
②人間の認識の可能性の条件、認識能力の超越論的吟味、すなわち認識批判を中心課題とする哲学上の立場。カントおよびカント学派の哲学。
広辞苑第六版より引用

日本ではどうも、批判というとネガティブにとられがちで、健全な批判精神が育っていませんね。悲しい。

2018年6月 7日 (木)

0520_29sora 2018.5.20
すごい光線ですね。電線がなければもっといいんですが。
白と黒とは色ではない。雲の厚みで光の透過量が変わると白やら黒になる。
青空では、レイリー散乱といって、光の波長よりサイズの小さな粒子によって青い光が散乱されて目に届くのです。
波長が長くて散乱されにくい赤い光は透過する。ですから、青空を見上げた時、光線の進行方向の先の方では夕焼けが見えているのだろうな、と想像してください。

普段下ばかり見ている私だって、たまには「上を向いて」見ることもあるのですが。
0521_10sora 5.21
高度の異なる雲が重なって見えているのでしょう。よくわかんないのですが、多分。
0521_13kasa2
私はついぞ、こういう現象にはお目にかからないなぁ。
ハロ(日暈)という現象です。
上空の氷晶で屈折・反射しておこる虹のような現象の総称が「ハロ」です。
氷晶の向きがランダムだと内暈・外暈というような円形になり、上空の気流の関係かな、氷晶の向きが揃っていると円弧(アーク)になります。
上はTBS
下はNHK
0521_13kasa3
「氷の粒」「氷の結晶」という言葉、ひと言が足りないよなぁ。
「太陽の光が屈折してできる」といわれても。知ってる人はいいけど、知らない人には通じないでしょう。大気による屈折じゃないんだから。元理科教員としてはちょっと恥ずかしい。このテロップを書いた人の知識レベルをちょっと疑ってしまう。たったひと言、それで理解の程度がガラッと変わる。暗記なのか推論なのかも変わる。人に知識を伝達する時には充分すぎるほど繊細な注意を払いましょうよね。それをひけらかしちゃいけないけど。
0521_13kasa1
森田さんの同じ気象情報の中で、ドイツでの竜巻かつむじ風か、の写真も見せてくれました。
「不安定」という言葉を多くの気象予報士さんたちは正しい意味を意識しながら使っているだろうか、と疑問を抱いています。アナウンサーの方は大抵「変わりやすい」という意味で使う。予報士さんも「安定した晴天」などと変わりやすさの意味で使ってしまう。
でもねぇ、大気の状態が不安定、というのは意味が違うんだけどなぁ。
地表付近の空気塊が風などで上空に持ち上げられたとき、膨張して温度が下がり周囲との温度差がなくなって上昇が止まる。こういう状態は「安定」といいます。
上空に寒気が入っていたりすると、上昇した空気塊の温度が下がってもまだ周囲の方が冷たくて上昇が続く。一旦「上昇」という出来事が始まってしまうと「止まらなくなる」というのが「不安定」ということなのです。

鉛筆を机に立てます。ちょっと突っついて傾きを生じさせると、傾きは拡大し続けて倒れます。これが「不安定」。
ヤジロベエを突っつきます、揺れますがやがて元の位置に回復します。これが「安定」。

ある釣り合いの状態にある系に対して、外部から擾乱を加えた時、元の状態に回復できるのが安定、擾乱が拡大していってしまうのが「不安定」なのです。

完全な解説である必要はありませんが、正しい意味を意識すれば、言葉づかいが変わります。気象予報士さんたち、自分が使う言葉を吟味してくださいね。
高校理科教師が授業をするとき、大学レベルや研究室レベルの話をする必要はありませんが、意識はしていなければならない。間違ったことを伝えないように、慎重に言葉を選ばなけらばならない。「10年後に効き目が出てくるような授業」とはそうやって作るのです。もし専門家になった生徒が私の授業を思い出してくれた時、そうか先生はこのレベルに踏み込んでそれを意識して授業やってたんだなぁ、と言われたいですものね。

↓とても詳しい。是非読んでいただきたい記事です。
http://wapichan.sakura.ne.jp/cloud-halo.html

↓それ以外に、参考に。
http://weathernews.jp/s/topics/201604/180025/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%88

2018年5月18日 (金)

真夏夜

何日か前の森田さんの気象情報で、森田さんが「真夏夜」について話しておられました。
1日の最低気温が20℃以上の日だそうです。
ただもう、昨今は珍しくもなくなってしまったので、使わなくなったとのこと。「死語」化したようです。
私自身は知らない用語で、森田さんの気象関係蓄積の豊かさを思い知りました。
厚みのないペラペラな予報士さんが多くなってきた現在(失礼)、森田さんのような方は貴重な存在になってきましたね。

さて、そうしたら、昨日5月17日が真夏夜でした。
データ↓

2018年05月17日 東京
最低気温(℃)    21.4    22:38
最高気温(℃)    28.4    15:14

「東京の皆さん、昨日は真夏夜でしたよ~」

東京の最低気温の平年値を見ますと

7/2:19.8℃
7/3:20.0℃
7/4:20.1℃
夏至を過ぎて10日ちょい、というところですね。
暑くなってきました、気温の変化も大きい、皆様には、どうぞご自愛くださいますよう。

↓定義
夏日  :日最高気温≧25℃
真夏日:日最高気温≧30℃
猛暑日:日最高気温≧35℃
真冬日:日最高気温<0℃

真夏夜:日最低気温≧20℃
熱帯夜:日最低気温≧25℃

2018年5月 9日 (水)

桜前線

6日の朝日新聞・天声人語の一部を引用します。

(天声人語)桜を守る(朝日新聞デジタル 2018年5月6日05時00分)
 今年、沖縄県の南大東島で緋寒桜(ひかんざくら)が咲き始めたのは1月7日である。以来4カ月、桜前線はいま、北海道の道南や道央を過ぎ、日高山脈も越えて道東にさしかかりつつある▼道東を代表する釧路市あたりでは、本州でおなじみの染井吉野(そめいよしの)をほとんど見かけない。主役の座にあるのは蝦夷山桜(えぞやまざくら)だ。冬の寒さに耐え抜き、濃い紅の花を咲かせる。蝦夷山桜のほか、千島桜(ちしまざくら)、地元で開発された釧路八重なども春の街を彩る▼・・・

「桜前線」とか「紅葉前線」とか、そういうの、好きですねぇ。目の前の植物たちを見ていれば十分でしょうに。

http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/
気象庁が行っている生物季節観測の表を北と南の地点について一部引用します。省略した地点ではソメイヨシノ、代替種目が書いてないのもソメイヨシノです。

さくら
地点名    代替種目

稚内       えぞやまざくら
留萌       えぞやまざくら
旭川       えぞやまざくら
網走       えぞやまざくら
札幌      
岩見沢     えぞやまざくら
帯広       えぞやまざくら
釧路       えぞやまざくら
根室       ちしまざくら
室蘭      
浦河       えぞやまざくら
江差      
函館      
倶知安    
紋別       えぞやまざくら
広尾       えぞやまざくら
新庄      
青森      
八戸      
秋田      

名瀬       ひかんざくら
与那国島   ひかんざくら
石垣島     ひかんざくら
宮古島     ひかんざくら
久米島     ひかんざくら
那覇       ひかんざくら
名護       ひかんざくら
西表島     ひかんざくら
南大東島   ひかんざくら

ソメイヨシノは結実しませんので、日本中のソメイヨシノは全部クローンと考えてください。
ですから、気温の変化に対してすべてが同じように反応して開花に至るので、気温の変化状態を開花状態として可視化できるのです。多様性がないからこその開花前線ですね。ある意味ではちょっと異常なことではないか、と私は感じてしまいます。
「開花前線が北海道にも達した」というのも変かな、と思います。ソメイヨシノではないのでね。
「北海道でもエゾヤマザクラが開花した」というべきでしょう。

カエデの「紅葉前線」も似たようなものです。イロハカエデを主として、他のカエデも使っています。
http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/phn_014.html

かえでの紅葉日とは、標本木全体を眺めたときに、大部分の葉の色が紅色に変わった状態になった最初の日をいいます。
いろはかえでは東北地方南部から九州地方の山地に広く自生する落葉樹ですが、秋の紅葉が美しいため各地の公園や庭園に植えられています。
かえでは主としていろはかえでを標本木としますが、いろはかえでが生育しない地域では、やまもみじ、おおもみじ、いたやかえでを観測します。
いろはかえでは紅葉の他にも、落葉日を観測しています。

生物なんですからね、雑多なのがいいんです。あまりにも均質なのは気持ち悪い。

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