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2023年6月

2023年6月 6日 (火)

珍しい花の記事を書きました

livedoor の方で、下の2本の記事を書きました。
珍しい話ですのでご紹介します。よろしければどうぞ。

珍しい花1:ショクダイオオコンニャク
https://kuebiko.blog.jp/archives/19902445.html

珍しい花2:竹の花
https://kuebiko.blog.jp/archives/19902476.html

2023年6月 1日 (木)

「父」からの脱出

https://www.nhk.or.jp/aomori-blog2/3010/467341.html いえ、なんとなく頭に浮かんだものですから、書いておきます。
高村光太郎の「道程」という詩、多くの方がご存知と思います。
詩の冒頭で

どこかに通じてる大道を僕は歩いてゐるのぢやない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出來る

こう出ます。かっこいいですよね、何物にも頼らない、自分の道は自分で切り開いていくのだ。と。

↓青空文庫です。かなり長い詩ですので、終わりの部分だけを引用します。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/59185_75168.html
道程
高村光太郎

・・・
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出來る
ああ、父よ
僕を一人立ちにさせた父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の氣魄を僕に充たせよ
この遠い道程の爲め

この部分を初めて知った時、私は失笑してしまった。
カッコいいこと言っていて、父親から脱却できてないのかよ、ナッサケネェーなぁ。
「とうちゃん、ボクを守ってね。とうちゃんの気力、パワーをちょうだいね。ひとりじゃ歩いていけそうにないから」

私の父は明治の最後の年の生まれで、家庭内で妻や子に君臨するのがごく当たり前の人でした。
今なら、言葉によるDVということになる状況の中で私は育ちました。
ですから、中学生くらいのころ以降、私の人格形成は「父を超え、父の力を撥ね退けて、『父を破壊する』」という形で進行したのです。「あんな男には絶対ならないぞ」とね。(『反面の手本』といえばそうですけど)

光太郎くん、まだまだ修行が足りないね。独り立ちしてないんじゃないの。

いやはや、こんな詩だったとは。でも正体が知れて、まあ、よかったとは言えますけどね。

★ところで、高村光太郎と戦争の関係、というのも忘れてはならないこと。
↓NHK
https://www.nhk.or.jp/aomori-blog2/3010/467341.html
"わが詩をよみて人死に就けり" 高村光太郎 ~「乙女の像」に込めた願い~

・・・
しかし、日本が先の大戦に突入すると、高村は戦争を後押しする詩を、次々に発表するようになります。
日本が真珠湾攻撃を行った昭和16年12月8日に執筆した詩では、国民が一丸となって戦うことを呼びかけています。
「われら自ら養いてひとたび起つ 老若男女みな兵なり 大敵非をさとるに至るまでわれらは戦う 世界の歴史を両断する 十二月八日を記憶せよ」(「十二月八日」)

国民の戦意高揚を図る歌謡曲も作詞しました。
・・・
真珠湾攻撃の翌年には、文学を通して国策を周知することなどを目的とした、『日本文学報国会』が政府主導のもと設立されます。
高村は詩の部会長に就き、戦争を賛美する作品を次々に世に出しました。
・・・
「特に学徒動員で戦地に行くことになった若い兵士達にとっては、高村光太郎に何か書いてもらうというのは、一つの守り神というようなトレンドがあった。多くの若者が高村のアトリエを訪れて、日章旗に一筆書いてもらった。その中には帰ってこられなかった、戦地で露と消えてしまった若者もいた」

軍部や政治家だけでなく、文化人も加担して行われた戦争。
その結果、日本人だけで310万もの命が失われたのです。
・・・
「その詩を戦地の同胞がよんだ 人はそれをよんで死に立ち向った」
(「わが詩をよみて人死に就けり」)

終戦から5年後に出版した詩集の序文には、戦争へと向かう雰囲気に流され、あおってしまったことへの後悔の念がつづられています。
(後略)

★こんな書籍をご紹介します。
危険な「美学」
  津上英輔 著、2019年10月12日 第一刷発行、集英社 インターナショナル新書044

きつい読書でした。高村光太郎についても詳しいですよ。

★話は飛びますが。
「陶酔感」とか「戦意高揚」とかいうとき、「歌」の力というものを考える必要がありますね。

「露営の歌」という軍歌があります。
「勝ってくるぞと勇ましく・・・手柄立てずに死なれよか・・・まぶたに浮かぶ旗の波」
私はこれが軍歌であると同時に、現代にも重なっていると感じるものです。オリンピックの選手団の結団式なんか見ると、この軍歌と同じじゃないですか。選手たちに「旗」を背負わせ、「旗」で送り出す。
気持ちが高揚します。感情が昂ぶります。
この軍歌の作曲は古関裕而さん。

そして
「長崎の鐘」
「こよなく晴れた青空を・・・」という歌い出しですね。
心揺さぶられますよね。
昭和24年、古関裕而さんの作曲なんです。

音楽って、恐ろしいですね。心を揺さぶってくる。
戦意高揚だったり、平和の祈りだったり。同じ作曲家の曲なんですが。

私は音楽に限らず、自分の心が揺さぶられている、と感じたときには、意図的にしらけようとします。
みんなが一方向を向いてしまってはまずい、危ない。必ず反対方向を見る奴がいなければならない。
そう思っています。

戦争を遂行するためには、権力者は国民の「戦意高揚」「陶酔感」「一体感」を「煽り」立ててくるのです。
警戒しなくっちゃなりません。

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