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2022年10月

2022年10月26日 (水)

化学の日

10月23日は「化学の日」だったそうですね。一応まぁ私は化学が専門の立場ですから、新聞の題字の下の小さな広告を見て、一瞬で「あ~そうか」でしたけど。わかります?化学が苦手になる一つの「躓きの石」かもしれないんですけど。

アボガドロ定数 6.02×10^23[mol^−1]

というやつです。{「^」はべき乗を表す記号として使っています。右肩の上に乗るやつですね}

↓当事者の日本化学会
https://www.chemistry.or.jp/kagakunohi/2014/09/1023.html
10月23日は「化学の日」

日本化学会,化学工学会,日本化学工業協会(日化協),新化学技術推進協会(JACI)の4団体が,毎年10月23日を「化学の日」,その日を含む月曜日から日曜日までの1週間を「化学週間」として制定しました。アボガドロ定数 6.02×10^23 mol^−1 にちなんだものです。各種イベントに使う缶バッジのデザインもできました。この産学官一体となった化学の普及活動が国民的イベントとなるよう,会員の皆さんこぞっての参加を呼びかけたいと思います。化学の市民権向上に向けて。

{イラスト}
chemiちゃん calちゃん
 も応援中です!!

よくやる話では。
12個のまとまりを「1ダース」といいますね。
原子分子の世界はスケールがものすごく小さいので、質量が人間の測定できるスケールになるまで集めると、ものすごい数になります。それがアボガドロ数なんですね。
これ以上は深入りしません。

ところで、「10の23乗」などというのは、私たちの日常生活には無縁な数なのでしょうか。
パソコンを扱っていると、「メガ」「ギガ」などの用語には日常的に接しますね。最近は「テラ」くらいまでスケールが上がってきた。
テラってどのくらい?
  10の12乗
なのです。
10の12乗 × 10の12乗 =10の24乗
ですから、アボガドロ数のスケールに来ましたね。
なんとなくスケール感がつかめるでしょうか。

「センチ」「キロ」・・・「メガ」「ギガ」・・・
こういうのを「SI(国際単位系)接頭語」といいます。
これが、まもなく拡張の予定だそうです。
これまでは、10の24乗を表す「ヨタ」が一番大きかったのですが。
窮屈になったんでしょうかね、拡張されるんですって。

https://unit.aist.go.jp/nmij/info/SI_prefixes/index.html
計量標準総合センター : National Metrology Insutitute of Japan (NMIJ)

SI接頭語の範囲拡張について
 大きな量あるいは小さな量を端的に記述するために、10のべき乗を表し、SI単位と共に用いられるものをSI接頭語と呼びます。これまでは、1024から10-24の範囲のものが認められていましたが、昨今のデジタル情報量の急激な増加など、科学技術の発展に伴いSI接頭語の範囲拡張が議論されてきました。2022年11月に開催予定の第27回国際度量衡総会において、1030、1027、10-27、10-30のSI接頭語の名称と記号が新たに提案される予定です。承認されれば1991年以来のSI接頭語の範囲拡張となります。 詳細は下記のファイルをご参照ください。ファイル内容の転載は自由ですので、SI単位に関する教育や広報にぜひご活用ください。

— SI接頭語の名称と記号 —
10^30 クエタ quetta Q
10^27 ロナ ronna R
10^24 ヨタ yotta Y
10^21 ゼタ zetta Z
10^18 エクサ exa E
10^15 ペタ peta P
10^12 テラ tera T
10^9 ギガ giga G
10^6 メガ mega M
10^3 キロ kilo k
10^2 ヘクト hecto h
10^1 デカ deca da

10^-30 クエクト quecto q
10^-27 ロント ronto r
10^-24 ヨクト yocto y
10^-21 ゼプト zepto z
10^-18 アト atto a
10^-15 フェムト femto f
10^-12 ピコ pico p
10^-9 ナノ nano n
10^-6 マイクロ micro μ
10^-3 ミリ milli m
10^-2 センチ centi c
10^-1 デシ deci d

↓「下記のファイル」とある文書です。
https://unit.aist.go.jp/nmij/info/SI_prefixes/pdf/SIprefixes.pdf
2022 年 4 月 13 日 計量標準総合センター
SI 接頭語の範囲拡張

↓朝日新聞の記事から部分引用
ギガよりゼロが21個多い 宇宙の果てより遠くも表せる大型ルーキー(2022年7月31日)

・・・
 いま接頭語で表せる最も大きな桁は10の24乗の「ヨタ」、小さな桁は10のマイナス24乗の「ヨクト」だ。そこに10の30乗を表す「クエタ」と27乗を表す「ロナ」、10のマイナス27乗を表す「ロント」とマイナス30乗を表す「クエクト」が加わる見込みとなった。
・・・
 計60桁を接頭語がカバーするようになる意義を、長さの単位「メートル」で考えてみよう。
 人間の身長はスケールで言えば、ざっくり「1メートル」だ。それに対し、地球から観測できる宇宙の果てまでの距離(約138億光年)は、10の26乗メートルのスケールで、「約0・1ロナメートル」と言いかえられる。
 「プランク長(ちょう)」と呼ばれる現代の物理学で扱える最小の長さは、10のマイナス35乗メートルのスケールで「約0・00001クエクトメートル」と言える。
 つまり、四つの「ルーキー」の登場で、人類が現時点で認識しうる世界の全スケールを接頭語でスカッと簡潔に表せるようになるのだ。
・・・

 今年11月の会議で1991年以来、31年ぶりに四つの接頭語が加わる背景には、情報科学の発展によるデジタルデータ量の爆発的な増加がある。
 米国の調査会社IDCによると、2010年に世界に存在したデジタルデータ量は約1ゼタ(10の21乗)バイトだった。しかし、20年には新型コロナウイルス対策によるビデオ会議や映像配信の増加で約59ゼタバイトに到達。25年には約175ゼタバイトになると予測されている。
 このデータ量を現在の米国のインターネット平均接続速度で1人でダウンロードしようとすると、18億年かかるという。
・・・(後略)

なんだかなぁ。ものすごいことになってきましたね。
テラ バイト級のハードディスクでも買おうかなぁ。時代遅れになりそうだ。

↓過去記事です
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-6b91.html
2014年10月27日 (月) 化学の日

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-84c2.html
2018年10月23日 (火) 10月23日は「化学の日」

2022年10月25日 (火)

無重力と無重量

東京新聞の10/18の記事で

無重力アート制作に成功 「世界初」と京大チーム
2022年10月18日 19時46分 (共同通信)

こういう記事を見かけました。

・・・
チームは、芸術家が微小重力の環境下でアート作品の制作に成功したのは「世界初」としている。
チームによると、飛行機で急上昇した後にエンジンを切って急降下させることで微小重力の状態を作り、薄いゴムの膜に乗せた絵の具に下から音で振動を加え、絵の具を数十センチ跳び上がらせた。昨年8月に16作品を制作した。
・・・

微小重力下でのアート作品ということでは「世界初」なんでしょうが、原理的には何も新しいものはないのです。

「宇宙に行くと無重力。地球上では無重力にはならない。」と思ってませんか?
上の引用中にあるように、ジェット機を急上昇させ、エンジンをごく細く絞って(空気抵抗に勝てるくらい)、落下すると、落下中、機内はほぼ「無重量」状態になるのです。
今はどうやっているかは知りませんが、宇宙飛行士の訓練として、このジェット機の急降下による何十秒かの無重量体験が行われました。
逆に、ロケット発射時の強い重力に耐える訓練は、遠心力を利用して壁に押し付けられる力で体験したはずです。

実は、宇宙全体を見渡すと、重力が満ちているのです。「宇宙は無重力」なんてのはウソっぱち。
太陽系は重力でまとまってますよね。
恒星たちが重力でまとまっているのが銀河。
銀河が重力で集団をつくると、銀河団やら銀河群を構成する。
銀河団や銀河群が重力で、1億光年を超える程度の構造を構成すると、超銀河団。
すごいでしょ。宇宙には重力が満ち満ちているのですよ。

重力はあるんだけど、重力に従う自由な運動体の中では重さを感じません。それが「無重量」です。
重さは感じていないけど、質量はあるんです。体重の小さな人と大きな人が綱引きをすれば、体重の大きな人が小さな人を引き寄せる感じになります。力が加わった時の動きやすさの尺度=質量ですからね。
F=Mα
α=F/M
質量が大きいと、加速度が小さい=動きにくい
なのです。

で、地球上で無重量状態に近い状況を作るには、ジェット機を使う手もありますが。
地下深くへの廃坑を利用して、自由落下せる手もあるのです。

↓このあたりのことは、去年の「かかしさんの窓」で詳しく書きましたので、そこへリンクします。
自由落下中に起きる、ほぼ無重量の話は、3番目が詳しい。ぜひどうぞご覧ください。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-0da80d.html
2021年8月10日 (火) 宇宙=無重力 ?

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-dfcac2.html
2021年8月10日 (火) 無重力

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-e82dea.html
2021年8月10日 (火) 大気圏内での無重量・地下での無重量

↓参考
https://astro-dic.jp/supercluster-of-galaxies/
天文学辞典 > 宇宙の進化 > 大規模構造 > 超銀河団
超銀河団

銀河の集団である銀河団や銀河群が、複数個以上連なった大構造のこと。およそ1億光年程度以上の大きさを持つ。フィラメントと呼ばれるブリッジ構造を介して連なっている。大規模な銀河の赤方偏移サーベイなどによってその存在が明らかになっている。数値シミュレーションによっても、重力によるダークマターの構造進化の結果、このような宇宙の大規模構造が再現されている。近傍宇宙ではわれわれの天の川銀河(銀河系)が属する局所超銀河団や、ピセス-ペルセウス超銀河団などが知られている。宇宙には逆に銀河がほとんど存在しないボイドと呼ばれる場所があり、対照的である。近年の研究で、局所超銀河団はその約100倍大きなラニアケア超銀河団の一部であることが分かった。

 

北前船

朝日新聞の10/18の記事が気になりまして。

水中考古学、夢も発掘した18歳 一冊の本きっかけ、クラウドファンディングで資金集め
2022年10月18日 16時30分

 京都府北部の日本海に面した漁港で、海に眠る遺物を探す調査が行われた。1人の高校生が抱いた夢が、水中考古学の専門家らを巻き込んだプロジェクトに発展して実現した。江戸時代に船を係留するのに使ったとみられる設備など、貴重な発見があった。

 緑豊かな山に囲まれた京丹後市の旭漁港。9月下旬、台風14号が去り、天候が落ち着いた湾内に、ウェットスーツに身を包んだ調査メンバーが散らばった。ゴムボートで漁港がある湾を移動して地形を調べたり、水中に潜って遺物を探したりしていった。
・・・
 コロナ禍で8月に予定していた調査は延期になり、9月に実現した今回の調査も台風14号が直撃。期間の前半は海に入れなかったものの、海岸の岩場では、船を係留するための綱を通す穴が開いた「鼻ぐり岩」や、綱をかけられるように加工された「もやい岩」が約30個確認された。陸上でも、台風で打ち上げられた土砂に混じって江戸時代のものとみられる陶磁器の破片が見つかった。
・・・
 調査後に開かれた現地説明会兼オンライン報告会で佐々木さんは、「船をつなぎとめる設備がこれほどの密度で見つかるのは珍しい。古い文献にも記載があるが、江戸時代、大型の船と小型の船で荷物を積み替えていたと推測できる」と話した。今後、船から落ちた物などを探す潜水調査も考えているという。
・・・

地元の羽間さんという女子高校生も調査に参加していた、ということも記事では強調されていましたが、ここでは割愛。
引用した記事中の「佐々木さん」というのは、福岡県在住の水中考古学者、佐々木蘭貞(らんでぃ)さんという方です。

で、私が気にしたのは、京丹後市の旭漁港という日本海側の海中に、「大型の船と小型の船で荷物を積み替えていたと推測できる」遺跡が見つかったという点。

「日本海側は辺鄙なのに」という感じを受けませんか?

いえいえ。高校の日本史にも出てきたのではないかとも思いますが、中世から江戸時代の航路は日本海側が主流。
太平洋側の航路は、波も荒いし潮の流れがきついんですね。日本海側の方が穏やか。船だって今のような巨大な船じゃなし。
で、日本海側の航路は栄えていたのです。
(サーフィンは太平洋側が主でしょ。日本海側の波はいまいち。太平洋側は、長い距離を風に吹かれて波が来るので、吹送波が大きいのです。日本海側は吹かれる距離が短い。)

「北前航路」なんて有名なんだけどな。

↓日本海事広報協会
https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/fune/fune_3.html
北前船ってどんな船

 江戸時代には日本海や北海道の港から江戸や大坂(大阪)へ、米や魚などが船で運ばれていました。船は瀬戸内海をとおって大坂、江戸へ向かう西廻り航路か、津軽海峡をとおって江戸へ向かう東廻り航路を利用しましたが、西廻り航路を走る船を北前船と呼ぶようになりました。なぜ北前船と呼ぶのかについては、北廻り船がなまったという説、北前とは日本海の意味で日本海を走る船だからという説など、いくつかあります。
 18世紀のはじめごろになると、西廻り航路が東廻り航路にくらべてさかんに利用されるようになりました。というのは東廻り航路では太平洋側を北へ向かう黒潮の流れにさからって走らなければならないため、当時の船では航海がたいへんだったからです。また、西廻り航路のほうが荷物を安く運ぶことができたからでした。
・・・

↓このページの上から1/3位のところかな、良い図があります。
http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-11.html

十三湖、能代、秋田、酒田・・・
主要な中継地点がわかります。
私は生まれたのは能代市ですが、1歳ちょいまでしかいなくて、それ以降は東京育ちです。
でも、親戚などが能代市や八峰町などに多いものですから、秋田県に親近感があります。
八峰町は青森に近くて、津軽弁に近い方言になじみがあるんですね(純粋津軽弁はチト無理ですが)。
そんなこんなで十三湖も知っている。今はあまり「栄えている」という状況でもないのですけど、江戸時代には北前船の港として栄えたのです。そんなことも知ってほしいな、と。

↓参考に。
https://aomori.uminohi.jp/report/noheji-kitamae/
海と日本PROJECT in 青森県
“誇り”は海の向こうからやってきた!―野辺地町と北前船―

京丹後市には御縁はないのですけど、日本海側の航路は重要なものとして栄えていたのだ、ということを知っていただきたいな、とこの記事になりました。

2022年10月24日 (月)

人は生きることがその人の最大の役割

前の記事で扱った朝日新聞の読者投稿欄「声」、同じ日の「声」にもう一つ「重みのある言葉」を読みました。

「声」生きること、それこそが人の役割
2022年10月18日 5時00分

・・・
 「おやじのせなか」(9日本紙)の「人にはそれぞれ役割があってそれぞれの仕事をしている」という言葉に目がとまりました。私は「人は生きることがその人の最大の役割」という意味だと受け止めました。誰かの役に立つことも大事ですが、それよりも「生きること」自体が、人の尊い最大の役割だと今は感じています。
・・・

ここで触れている「おやじのせなか」は、南野陽子さんのお話でした。
佳い言葉を聴かせていただき、悦びに浸っています。

地球上を滔々と流れる38億年に及ぶ「生命の大河」から生まれたこの命。
生きる力のある限りを生き切るのが、私に与えられた使命だと思っております。
「生命の大河」から生まれて「生命の大河」へ還る。それが生きるということだと思っています。
「墓」などという人間の文化は不要。
地球そのものこそが私の墓標です。
すべての生命はそのようにして生き継いできたのですから。

今日までそして明日から

朝日新聞の読者投稿欄「声」に、吉田拓路さんに関する投稿が載りました。
「声」拓郎、まだまだ人生を語らないで
2022年10月18日 5時00分

「人間なんて」の絶叫を聞かれたのが高校生の時だった、という方です。
私はもう大学生だったな。
さらに「今日までそして明日から」への言及もありました。
懐かしいな、大好きな歌です。

↓こんな歌です。(昔はもっと叩きつけるような歌い方だったような気もしますが)
「吉田拓郎 今日までそして明日から」
https://www.youtube.com/watch?v=rh76yCwMy7s
from 「'90 日本武道館コンサート」
弾き語りversion.

この歌のリリースは1971年だったそうで。私はもう23歳。
東大闘争の後でした。一応、大学そのものは通常に戻ったのですが、普通には3月卒業なのに、6月に卒業させるという話になりまして。私はへそを曲げた。ちゃんとした時間をかけて学んでいないのに、卒業させられるのは嫌だ、と、個人で卒業拒否をしました。後は卒研さえやれば卒業単位は満たされるというところで、単位取得をやめて留年したんです。理学部化学科です。
その最中ですかね、この歌がリリースされたのは。
農学部へ行って生化学で分子生物学的な講義を聞いたり、理学部動物学科へ行って、単位にならなくていいからゼミに参加させてください、とお願いしたら、歓迎されましたっけね。視覚の生理学についての英語の本を読みました。おかげで視覚の生化学に詳しくなってしまった。いろいろさまよい歩いていたころです。ひょっとして本川達雄さんとすれ違っていたのかも。
そんな宙ぶらりんな私には、この歌、心に沁みましたねぇ。
教師になろうかな、という感覚は結構根強かったのですが、化学科を出て化学教師になるということに、なんとなくすっきりしなくて。科学史・科学基礎論の大学院へ。多士済々でね。化学科出身の私、物理学科や数学科出身の人もいまして。なんだかすごい2年間でした。バビロニアの楔形文字で書かれた数学を学んだり、変体仮名の古文書を読んだり、ラテン語の論文を読んだり、まあものすごかったな、ハードでしたが面白かった。
そして教師になったわけですが。
その時々に出会った経験は、全部、教師としての基盤になったと考えています。

★教師として
私の信条は「人事を尽くして 出たとこ勝負」なのです。
授業というのは、教師一人で創れるものじゃない。生徒の反応があっての授業。教師と生徒が共同で創出するものなのです。
よく、教師なんて毎年同じことを教えるんだから楽なもんだ、という感覚が語られます。
それはない。教えるべき知識は確かに教師側に豊富にありますけどね。
「毎年違う生徒と授業をやるんだから、同じ授業なんてできるわけがない。」と生徒にも語りかけましたっけね。
授業に臨むに際して、その時点で考えられることは考えつくす、そして教室では生徒との切り結び合いですよ。出たとこ勝負。
何をを見ても「教材」にみえる、という「眼」になりました。そして毎年新たな教材を身に備えて授業に出る。
楽しかったですよ。
出会いによって、どんどん変わる私。自分が変わっていくことを恐れず、楽しむ。
それが「私の生き方」なんです。拓郎の歌が身に沁みます。

★夢を持て
この言葉が嫌いです。
夢を持て、その夢の実現に邁進せよ。もし夢が実現しなかったら、それはお前のせいだ。
一つの道を究める。精進する。こういうの日本人は好きですね。
それと新自由主義的な「自己責任論」が一緒になってしまう。

「夢を持て。夢は必ずかなう」なんて噓なんだよ、と私は生徒に言い続けました。
「夢を持つことはいいことだ。でもそれにこだわることはない。出会いを大事にして、選択を大事にして生きていけばいい。人生をそれなりに生きてから振り返ると、『ああ、あの夢が自分の人生の軸だったんだな』となるんだよ」と語り聞かせました。
「夢を持て。夢は必ずかなう」というのは薄っぺらな言葉です。
どこでどう変わろうといい、逃げずに引き受ければいいのです。

「どこでどう変わってしまうか。そうですわからないまま生きていく、明日からのそんな私です」

とね。

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