風速75メートル
昨日のNHKのニュースで、聞こえてきて、アレっと思ったけれど詳細は読み取れなかったニュースを、今日、NHKのサイトで見つけました。
台風11号 沖縄 大東島地方に接近 暴風や高波に厳重に警戒(NHK 2022年8月31日 10時27分 )
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猛烈な台風11号の影響で沖縄県の大東島地方に近づき50メートル近い最大瞬間風速が観測されています。大東島地方では引き続き暴風や高波に厳重に警戒するとともに沖縄本島地方でも台風の接近に備えるようにしてください。
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中心の気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルで中心の半径95キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
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台風11号は31日、中心付近の最大瞬間風速が75メートルになると予想され、接近する沖縄県の大東島地方では最大瞬間風速が70メートルに達するおそれがあります。専門家で作る日本風工学会によりますと、最大瞬間風速70メートルは時速に換算するとおよそ250キロと、新幹線の速度に匹敵するということです。
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あのですね「風工学」の専門家でなくても風速を時速に換算するなんてことは簡単にできるんですよ。
丹念に説明すれば小学生にだってわかります。
やるべきことだけ先ず書いてしまうと
風速[m/s]を時速[km/h]に換算するには
風速の値×3.6=時速の値
なのです。ですから
70×3.6=252≒250
手元に電卓があればNHKの記者さんも計算できたんだけどな。暗算でもできるでしょ。
その場合の記事は(私なら)
「最大瞬間風速70メートルは時速に換算するとおよそ250キロと、新幹線の速度に匹敵します」
こんな記事かな。
個人的な表現を付け加えると
「新幹線の屋根にしがみついているような感じがするでしょう」
かな。新幹線の窓は開かないから「走行中に窓から顔を出したような感じ」とは書けないでしょうからね。
★ではちゃんと説明します。
秒速 a m/s を時速に換算します。
a [m/s] = a[m] / 1[s]
です。分母を 1[h]にすれば時速になりますね。で、1[h]=3600[s]ですから、分子分母に3600を掛けます。
a [m/s] = a[m] / 1[s] = a×3600[m] / 1×3600[s] = a×3600[m] / 1[h]
分子の
a×3600[m] は、a×3.6×1000[m] = a×3.6[km]
となります。
ハイ。
a [m/s] = a×3.6[km] / 1[h] = a×3.6[km/h]
できました。
秒速の値を3.6倍すれば時速の値になるのです。
式のこの変形、50年近く昔、中学校で教えていた時に授業でやったと記憶します。
その後、高校でも物理を担当した時は当然ちょこっと授業中にやりましたよ。
[m/s] [km/h]
10 36
20 72
30 108
40 144
50 180
60 216
70 252
80 288
90 324
100 360
こんな表を黒板に作って。
「高速道路を時速100kmで走っていて、窓から顔を出すと秒速30mが体験できるけど、やるなよ、呼吸困難だぞ」
「台風では時速200kmくらいの風というのもあるんだぜ」
ついでに
「100mを10秒で走ると時速36km。マラソンは時速約20km」というような話も付け加えて。
私は日本風工学会の会員でもないけど、このくらいはわかるんです。理科教師として。
中学校で「速さ」の授業というのをやったことがあるので、いずれご紹介したいとは思っていますが、いつになるやら。今日はここまで。脱線だらけの理科教師です。