ねじまわし
★2022年6月15日の夕刊に津村記久子のエッセイが載っていました。
(となりの乗客)あなたのネジ締めます 津村記久子
津村さんが使っているデスクライトのアームがゆるんできて、ネジを締めればいいということはわかるのだけれど、道具のことでひと悶着あった、のだそうです。
・・・手持ちの精密スクリュードライバーセットのどれで締めても、ネジが回るという手応えがない。むなしくネジ穴を滑ってゆくばかりだ。
・・・恐る恐る「#2」というドライバーを買ってきた。持っていたスクリュードライバーセットは、「#1」というのが最大で、どうも太さが足りなかったようなのだ。
「#2」でネジを締めた。締まった。力強い手応えだ。呼び径に対して不適切なドライバーを使用していた頃の無力感がうそのようだ。なんて頼もしいんだ「#2」。
・・・(後略)
女性の年齢のことを言うのは失礼に当たりますが、40代の方ですが「ネジ」というものに全く感性がないのであるらしい。ちょっと意外で、笑ってしまった。「#2」があれば大抵のことには対応できます。
私なんかは小学生の頃から、ラジオを作ったり、家のちょっとしたトラブルにはいつも自分で対応していましたから、ネジの頭を見れば、どんなドライバーを持ってきたらいいかは、一目でわかります。
また、どうも男というもの(「私の年代の」としますか)は、道具に凝る、というところがあって、ドライバーは豊富に取り揃えてあるんです。
ライトのアームが緩んだ時に、精密ドライバーを持ち出したりはしない。
メガネのネジが緩んだ時に精密ドライバーは欠かせないけど。
ネジとドライバーのサイズが合わないと、ネジの頭の溝がつぶれたりして、そうなるとさすがに「おおごと」になってきますからね。
「ねじまわし」くらいは一通り持っていた方がいいのではないかと思います。
↓工具屋さんのHPです。参考にどうぞ。
https://evojapan.sakura.ne.jp/tool/plus-2/
★さて、上で「メガネのネジが緩んだ時に精密ドライバーは欠かせないけど」と書きましたが、面白い短歌に出会いました。
朝日歌壇 2022年6月19日
<佐佐木幸綱選>
わかったわ眼鏡のねじの修理にはもひとつ眼鏡が要るということ:(名張市)金曽明子
読んで、一瞬「ん?」となったんですね。どうなっているのかな?と。
私は少年時代から近視で乱視で、歳をとって老眼になったという男です。
私が自分の眼鏡のねじを締めようとしたら、裸眼になるのが手っ取り早い。
ごく近くに小さなものを見るには裸眼がいい。
ん?「もひとつ眼鏡が要る」って。裸眼じゃダメなの?
あ、そうか、この方、もともと遠視でいらして、年齢を重ねて老眼になられた。
ですから、遠くを見るのはそうややこしくないのだけれど、手元の小さなものを見るには、凸レンズの眼鏡が要るのか、とやっと思い至りました。
私は自動車の運転時は、日常生活用の近眼眼鏡より度のきつい眼鏡を使用します。
そうすると、運転時はいいのですが、出先でパンフレットを読んだり、自署しなければならないということがあったときは辛い。鼻眼鏡にして、裸眼になるしかない。
この「裸眼になるしかない」という部分が、「もううひとつ眼鏡が要る」ということなんですね。
近視も遠視も、辛いですね、特に年を重ねると。
いや、だらだらと失礼しました。
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