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2022年4月21日 (木)

台風の風

台風1号が日本列島のそばを通過していきました。
テレビの気象情報で台風周囲の風の画像が見られましたが、それは撮影し損ねました。
進路の右側が真っ赤で、猛烈な風であることが表示されていました。

で、私は時々使う地球上の風のサイトへ行きました
↓このサイトです。
https://earth.nullschool.net/jp/#current/wind/surface/level/orthographic=-225.01,34.29,1306

2022_0415taihu 2022.4.15
こういう画像を得ました。
進路の右側が赤く、風が強いことがわかります。

なぜそうなるのか?
↓気象庁のHPから
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/2-1.html
台風に伴う風の特性

 台風は巨大な空気の渦巻きになっており、地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。そのため、進行方向に向かって右の半円では、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので、右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなります。
・・・

気象庁の解説ですが、普通に調べると、どこも大体この説明をしています。
台風自体の風と台風を移動させる風の、足し算と引き算。
地上で測定される風速はそれでいいんですけど。(言い方がちょっと微妙ですね)
つまり観測する座標系が地上にある場合はこれでいい。

ですが、台風を移動させる風に乗って台風と一緒に移動しながら台風を見下ろす位置に座標系を移したらどう見えるかな?
台風は円形の渦ですから、おそらく渦の回転速度は周囲でほぼ同じだと思うんですよ。でないと歪んでしまう。

それを地上から観測すると
台風の右側では、台風自体の風と台風の移動速度が足し算になって強くなる。
台風の左側では、引き算になって、風は弱まる。
私が高校の物理で話した時にはこの論理でやりましたね。

出来事は一つなんですから、結局同じことの説明をちょっと視点を変えただけなんですけどね。

↓こんな論文を見つけました。
http://www.fudeyasu.ynu.ac.jp/member/thesis/2016-yamasaki/index.html
修士論文:台風シミュレーションに基づく強風ハザー ド評価 -台風ノモグラムの開発-
横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士二年 山崎聖太

図1.1 理想的な台風の風分布:台風は渦状であるため、北半球で は台風の中心に対して反時計回りに回転している。その渦としての風速場に、台風の移動速度の成分が足されるため、台風の移動方向に対して右側の半径で風が 強まり、左側では弱まる。また、台風の風は外側に比べ中心に近い方が強い。しかし、眼にあたる部分は弱風となる。

この図1.1というのがわかりすい。ご覧ください。

★ちょっと話を変えて。
速さvで等速で直進する自動車の屋根の上からピストルを撃ちます。弾丸の速さはVとしましょう。
撃つ人から見たら、前方へ向かって撃っても後方へ向かって撃っても、弾丸は自分から速度Vで飛んでいきます。
ところが、これを地上にいる人が見ると

前方へ向かって撃った時は、弾丸はV+vの速さで飛び
後方へ向かって撃った時は、弾丸はV-vの速さで飛ぶ

のです。

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