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2022年3月23日 (水)

前の記事の続き

★飛梅の話で
「同じ遺伝子情報を持つクローンづくりに取り組み、7年前、苗木をつくることに成功」とか
「組織培養で苗木6本の育成に成功」とかいう言葉が出ていました。

植物の世界では、接ぎ木とか挿し木という手法で、遺伝的に同一の個体が作られてきました。
ソメイヨシノはほとんど実のならない木ですから、クローンで広まっている。
キンモクセイは雌雄別株ですが、日本に持ち込まれたのは雄株ですから、やはりクローンで広まったものでしょう。

動物でのクローンというと、いろいろ大変なのですが、植物では古くからクローン=挿し木で増やしてきていますよね。
植物では、茎の先端や根の先端が伸びる部分の細胞、また茎や根を太くする形成層の細胞は、分裂組織といって、旺盛に分裂します。

ですから、飛梅の話でいうと、挿し木をしたのではなく、分裂組織の細胞を培養して作ったのでしょう。
単に培養しただけですと、塊になってしまいますから、どういう技術かは知りませんが、何かホルモンとかの刺激を与えて分化させて木にしたのだと思います。

★別の話ですが。
スギ花粉が大量に飛散して社会的にも問題となる中で、「無花粉杉」という研究もされているようです。

↓NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20220316/1030020504.html
無花粉スギ 短期間に量産へ新技術 新潟大など研究チーム(03月16日 06時41分)

 花粉症の要因となるスギ花粉の対策につなげようと、新潟大学などで作る研究チームが、花粉がつかないスギを短期間に量産する新しい技術の開発に成功したと発表しました。
 これは新潟大学農学部や、森林総合研究所などで作る研究チームが開発したものです。
これまで開発された花粉がつかないスギは、花粉がつくかどうかを確認するまで苗木を植えてから数年待たなければなりませんでしたが、今回開発された技術はこれを数か月に短縮できるということです。
研究チームによりますと、未熟な種子を2、3か月培養した「カルス」と呼ばれるものから遺伝子を取り出し、検査することで簡易に花粉をつかないスギだけを選び出すことができるようになったということです。
さらにこの「カルス」から通常の苗を培養する技術の開発にも成功したということで今後、花粉がつかないスギの量産にも期待できるということです。

ほらね。スギの未熟な種子から分裂する細胞を取り出して培養すると「カルス」ができる。カルスというのは未分化の細胞の集団・塊のことです。
そこから遺伝子を調べて無花粉になるスギを選ぶのですね。

それはそれでまあいいですけど、私的には若干の違和感を感じています。
花粉を作らないスギは有性生殖ができない。有性生殖によって遺伝子の多様性を生み出し、環境に適応して分布を広げ、新しい環境にも適応・進出できるような「進化」の原動力を、人間の都合で取り上げてしまっていいのかなぁ。という感覚なのです。
わかりません。

★昔話
 大学の教養学部時代の植物学の講義。
ニンジンを輪切りにすると中に円がありますよね、あれが形成層。あそこの細胞を取り出して、培養し、カルスを形成させ、さらにそこからニンジンの新しい個体まで成長させた、という研究の話を聞きました。その講義の先生がご自分でなさった研究で、非常に先進的な成果だったそうです。で、定期テストの前。絶対今度のテストにはニンジン・カルスの話が出るぜ、と学生たちで話し合ってヤマをかけたら、ちゃんとその問題が出まして、みんなで高得点をとったのでした、っけ。


↓またしても話題転換
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220317/k10013535391000.html
全国のソメイヨシノ 上野公園の4本から各地に広がったか(NHK 2022年3月17日 5時41分)

 全国各地のソメイヨシノは、東京の上野公園にある4本から各地に広がった可能性が高いことが遺伝子の解析からわかったと、かずさDNA研究所などのグループが公表し、ソメイヨシノの歴史を知る手がかりになる成果だとしています。
 
ソメイヨシノは、江戸時代の後期に誕生して枝から増やす「接ぎ木」という方法で全国各地に広がったと言われていますが、最初の原木がどのように誕生したかや、各地に広がった詳しい経緯などはわかっていません。
 ・・・
 すると、各地のソメイヨシノは大きく6つのグループに分かれ、上野公園の4本はそのうちの主要な4つのグループにそれぞれ含まれることがわかったということです。
 また、遺伝子の解析から4本はいずれも原木ではないものの、1本はソメイヨシノの元となったとされるサクラと比べると、遺伝子の変異が8か所と極めて少ないことから、ソメイヨシノの原木に遺伝的に最も近いと考えられるということです。
 このため研究グループは、上野公園のこの4本の枝を接ぎ木してソメイヨシノの苗が作られ、各地に広がった可能性が高いとしています。

日本全国のソメイヨシノは遺伝的に非常に近いんですよ。ですから「開花前線」というような現象がはっきり表れるのでしょう。遺伝的に多様なら、大体このくらいの頃には開花するものが多い、と幅が広がるんでしょうけどね。

↓「チコちゃんに叱られる!」です。
https://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/834.html
「なぜ桜は一斉に咲くの?」という話。クローンの話も出てきますよ。(コピー禁止のようですので、ご自分でご覧ください。)

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