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2022年1月11日 (火)

唱歌「冬景色」に違和感

「冬景色」は、1913年(大正2年)刊行の「尋常小学唱歌」第五学年用』に掲載された文部省唱歌だそうです。
私も一番はよく知っています。で、NHKの朝のラジオでこの歌が流れたんですね。
二番も流れたのですが、なんだかなぁ、違和感に襲われた。
↓二番です

烏啼きて 木に高く
人は畑に 麦を踏む
げに小春日の のどけしや
かへり咲の 花も見ゆ

私が引っかかってしまったのは
「のどかな小春日に麦踏をしている」
という光景なんです。そんなのありかよ。

小春日って11月くらいの初冬の暖かい日でしょ。
で、麦踏みって早春に麦の芽を踏むことですよね。

私が子供のころ、世田谷の地域でも、空地はあるし、畑もあるし、麦踏みも見たことあるんですよ。
何やってるんだろうと母親に訊いたら、霜柱で根が浮いてしまわないようにああやって踏むのよ、麦の芽は踏まれるとかえって強く根を張るんだそうよ、と教わったのでした。
東京は霜柱の立ちやすい土地ですが、1月から2月でしたよね、ザックザクになるのは。
その季節には「小春日和」はないよなぁ。

↓広辞苑第六版より引用

むぎ‐ふみ【麦踏み】
麦の伸び過ぎを押さえ、根張りをよくするため、早春、麦の芽を足で踏むこと。<季語:春>

こ‐はる【小春】
(暖かで春に似ているからいう)陰暦10月の異称。<季語:冬>

季語にこだわっているのではありません。生活感覚にこだわっているのです。
「のどかな小春日に麦踏をしている」という光景はどうにも目に浮かばないなぁ。

↓霜柱については先日記事を書きました。(小春日和との関連ではありませんが)
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-f2c32e.html
2022年1月 5日 (水) 霜柱

↑ここでの写真は元旦のもの。いくら陽ざしがぬくくても元日に小春日和とは言わないよなぁ。

★第19回高校生・高専生科学技術チャレンジ というコンテストがありまして、12月22日の新聞記事で紹介されていました。
その中に
【JFEスチール賞】麦踏みの効果~踏まれた麦の地下部では何が起こっているのか?
という研究がありました。ノートルダム清心学園清心女子高の3年生の研究です。
記事から部分引用します。

 霜柱や霜による被害を防いで根の張りをよくし、乾燥に強くなって収量も上がるとして、昔から早春の時期に行われる「麦踏み」。踏まれることによって、茎や葉など地上に出ている部分にストレスがかかるだけでなく、根が短くなり、遺伝子の働きで広がって伸びることを確かめた。
 麦踏みが根に与える影響はあまり知られていない。そこで、麦踏みをした大麦と、しなかった大麦の根の張り方を観察した。その結果、踏まれた大麦は、根が踏ん張るように広がり、短くなる傾向があった。
 次に、なぜこんな変化が起きるのかを遺伝子レベルで解明することにした。根を下に伸ばす遺伝子を稲で発見した農業・食品産業技術総合研究機構の研究者に教えを請い、大麦にも似た遺伝子があるものの、どのように働いているかを解析した研究がほとんどないと知った。なら、自分で実験方法を確立するしかない。
 ・・・
 そして、1カ月ほど育てた大麦に約10キロの重りを乗せ、翌日の午後4時にRNAを抽出し始める、という実験方法に到達した。できた溶液を電気でふるい分けする手法で写真を撮ると、目的の遺伝子が増えているのがはっきり見えた。「あっ、きれい」。思わず声が出た。
・・・

違和感なし。感動を覚えました。プロに教わりながら高校生が遺伝子の研究をする。そういう時代になったんだなぁ。

発見すること、それをまた学ぶことは、「あ、そうか!」と自分を育てることなんですよね。
元高校教師として、高校生世代が大好き。高校生に育ててもらえるなんて、これほどの幸せはないですね。
記事を読みながら心震える思いをしたのでした。

★もういっちょ。私の大誤解かもしれないけど。
一番なのですけど。

さ霧消ゆる 湊江の
舟に白し 朝の霜
ただ水鳥の 声はして
いまだ覚めず 岸の家

「舟」って漁船でしょ。陸に揚げてあったりするかな。岸壁に係留してあるのかな。
海ってそうそう冷えるもんじゃない。
海に浮かぶ舟に霜が降りるかなぁ。
陸に揚げてあった舟なら霜が降るかもなぁ。

wikiによれば
「霜(しも、英: frost)は、0℃以下に冷えた物体の表面に、空気中の水蒸気が昇華(固体化)し、氷の結晶として堆積したものである。 」

「舟に霜」って、かなりきついなぁ、と思うんですよ。

イメージだけで作られた歌なんだなぁと感じます。哀しい。

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コメント

冬景色、にそんなに突っ込みどころがあるとは知りませんでした。中学校の音楽の時間に教わったと思います。ハモれるんですよ。一番しか覚えてなくて、まあ二番はひどいですね。ビックリです。麦踏みを研究してくれるなんて、なんだかありがたいです。子供のころ、お手伝いで姉といっしょにいっぱいしました。寒いのに汗だくになるんですよ。遥か昔のことです。

今は麦踏みも機械がします。
時代が変わりましたね。

コメントありがとうございます。
記事には書きませんでしたが、農村や漁村の生活は朝が早いんですよね。都会人には想像できないくらい。朝飯前の朝仕事など当たり前の日々。そういう感覚もご存じない作詞者のような気もするんです。
八つ当たりだらけの嫌味な年寄りになりました。
今後ともよろしくお願いします。

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