« クレマチス | トップページ | 前の記事に追記:鹿児島・東京・稚内での気圧変化 »

2022年1月17日 (月)

海底火山噴火

トンガの海底火山噴火で、日本でも潮位が大きく変化するという出来事がありました。
私は専門家ではないし、東京という土地にへばりついたままの人間ですから、掘り下げた解説はできません。
ただ、画像を見ながら妻と、なんだかこれまでに見た津波の映像とは違うねぇ、むしろ「大波」という感じだね、と話をしていました。
で、気になったのは気圧変動があったという話。それならここに座ったままでもデータは見られる。
2022_0115_tokyo

16日の午前中に気象庁のHPで見たグラフです。
15日の20時過ぎのところに、上下幅2HPa程度の気圧変化がありますね。
これですね。
↓引用
噴火による潮位上昇、津波と言えない? 気象庁も困惑する未知の現象(朝日新聞デジタル 2022年1月16日 9時24分)

・・・
 また、日本国内で潮位の変化が観測され始めた15日午後8時ごろ、国内各地で気圧が約2ヘクトパスカル上昇していたという。「噴火に伴う気圧変動だと現時点では考えている」と宮岡企画官。だが、海面の動きとの関係については「詳しいことは調査したい」と述べるにとどめた。

 気圧の上昇による海面変動だとすると、通常の地震による津波とは異なる現象と考えられる。この現象は津波と言えるのかどうか問われた宮岡企画官は「そう言ってよいか、ちょっとわからない」。事実、会見で配られた資料の表題は、「大規模噴火に伴う潮位変化について」と書かれていた。
・・・

NHK
前例ない大規模噴火の “津波” そのとき気象庁は…(2022年1月16日 20時53分)

・・・
一方、気象庁内部ではあるデータに関心が集まっていました。日本で潮位の変化が観測され始めた午後8時ごろ、全国各地で大きな“気圧の変化”が起きていたのです。
・・・
「気圧の変化が起きたということなら噴火の空振(空気の振動)で日本に波が来たということか?」
「前代未聞の事態だ」(気象庁幹部)

大噴火、未知の潮位変動 ピナトゥボ級か、噴出物の影響懸念(朝日新聞デジタル 2022年1月17日 5時00分)


・・・
 気象庁は今回、潮位変化が観測され始めたのとほぼ同じタイミングで噴火の衝撃波が通過し、各地で2ヘクトパスカルほど気圧の上昇がみられたことを明らかにした。潮位変化との関連は不明としつつ、宮岡企画官は「私たちは今までこうした現象は確認していない」と困惑を隠さなかった。
 鹿児島大の柿沼太郎准教授(海岸工学・津波工学)は、気圧の変化が海面の波を増幅させることがあると指摘する。1883年のインドネシア・クラカタウ火山の巨大噴火でも、米カリフォルニアなどで気圧の変化による津波が観測されたという報告があるという。
 東北大災害科学国際研究所の今村文彦所長(津波工学)も、衝撃波が潮位を変化させた可能性を指摘する。津波の周期は通常20分~1時間だが、今回は数分から10分程度と短かった。「気圧の変化で海面が押され、それが通過した後に水面が上昇して波ができる。それが日本に来るまでにだんだんと増幅してきたのでは」と話した。(吉沢英将、竹野内崇宏)

★そういう大規模なものなら日本全国で観測されたのではないか、と改めて今日、気象庁のHPへ。
2022_0115_kagosima_ 鹿児島

2022_0115_wakkanai 稚内

2022_0115_tokyo_ 東京
どこでも同様の気圧変化が記録されていました。
なるほど。すごいものだ、と改めて驚きました。

↓で、昨日のウェザーニュースにわかりやすい解説図があります。
https://weathernews.jp/s/topics/202201/160175/
2022/01/16 20:02 ウェザーニュース
火山噴火による空振で津波が発生か
気圧急上昇の観測と良好な対応

衝撃波の前面で圧が高く水面が押し下げられ、通過後は盛り上がる。
その変化が進行するときに波の重ね合わせで、波高が大きくなるのではないか。
そういう話のようです。

火山噴火によって発生するこういう衝撃波を空振といいます。
鹿児島県の桜島の噴火に伴う空振は有名です。家のガラス窓が割れるという被害が出ることもしばしば。
たかが空気の振動とは侮れません。大きな破壊力があるのです。
それが海面を走ることによってどうなるのか。
これからもっと精密な議論を聞くことができると思いますので、注目してください。

↓気象庁の記録です。
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/506_Sakurajima/506_history.html
桜島 有史以降の火山活動

★↓過去記事ですが、衝撃波の前面と後面の圧力変化で雲が生じる話です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_82b8.html
2007年10月 1日 (月) 「かぐや」打ち上げ

★古い話ですが。
超音速のジェット機が上空を飛行すると、そのジェット機が作る衝撃波が地上に達し、ものすごい音がするのです。
私はそれを経験している。ソニック・ブームといいまして、破壊的なものです。
実際にガラス窓が割れたりの被害が多発し、以来、人の住む地域で音速を超える飛行はしないようになったのでした。
↓参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%A0

« クレマチス | トップページ | 前の記事に追記:鹿児島・東京・稚内での気圧変化 »

自然」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« クレマチス | トップページ | 前の記事に追記:鹿児島・東京・稚内での気圧変化 »

2023年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ