古い話です。沼の底に沈んだ有機物が発酵してメタンの泡が浮いてくるようなもので、記憶の中に沈みこんだごちゃごちゃから、ふと泡のように思いが浮いてくることがあります。
★「アベマリオ」の話。
今年の夏に行われたオリ・パラの招致の時の話。今時思い出してしまいました。
↓当時の記事です。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/08/21/rio-mario_n_11646846.html
2016年08月21日 23時07分
「まさかのアベマリオ」安倍首相、マリオの格好で土管から出現 リオオリンピック閉会式
8月21日のリオデジャネイロ・オリンピックの閉会式で、任天堂の人気キャラ「マリオ」の格好をした安倍首相が、土管から登場するというサプライズ演出があった。
・・・
・・・安倍首相が、人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のマリオに変身。「ドラえもん」の出した土管を使って、東京から見て地球の裏側にある会場へとワープ。
・・・
古いSFファンである私にとっては「ワープ」とは3次元空間を曲げて、東京とリオを接触させてしまい、結果として移動に時間がかからない、という概念です。
2次元人が面上のA点からB点へ、ABという距離を移動するには時間がかかる。で、3次元人が面を曲げてA点とB点をくっつけてしまえば、AからBへの移動は瞬時にできる。
これを次元を一つ上げて、3次元人が東京からリオへ移動しようとしているのを見て、4次元人が3次元空間を「曲げて」東京とリオをくっつけてしまう。結果、東京からリオへ瞬時に移動できる。というのがワープでしょう。
そういう話だったのかなぁ。
あいまいな記憶ですが、当時見た動画で、先端がドリルのようになった車のようなもので、地球に穴を掘り進んでいくというシーンがあったような気もするんですよね。
地球を貫通する穴を掘って、東京からリオへ行った、という話かな、とも思っていました。
そうであるならば、アベマリオの移動はワープではないだろうし。
結局わかってないんです。
で、アベ・マリオから離れて。思考だけが進みまして
★地球の中心を貫通する穴に落ちた物体の運動。
図1
数式にはとらわれなくていいです。結論は「物体の単振動になる」ということです。
↓参考
https://examist.jp/physics/mechanics/earth-tansindou/
地球トンネル(万有引力による単振動)
★第1宇宙速度で地球表面を飛ぶ人工衛星の運動の正射影
図2
等速円運動の正射影は単振動になります。この単振動を起こしている力を求めてみると、図1で求めた単振動の力と同じになります。
図2の後半にあるように、この等速円運動の周期は84.8分。その正射影である単振動の周期も84.8分。
片道42.4分≒42分チョイ かるわけです。
地球の中心を貫通する穴に落ちた物体は42分ほどかけて向こう側に到達します。
さて、安倍さんの出張は、瞬時のワープか、42分の地下の穴の中の突進か。知りません。
★別件
・何かの罰として、地球の中心を貫く穴に飛び込め、と命じられた男Aがいる。
男Aは怖くて仕方がないので、穴の壁に手足を突っ張って、落ちまいと頑張ったがずるずる滑り落ちてついに力尽きて手を離し穴に落ちていった。向こうまで行って戻ってきたら、穴の入り口までは戻れず、力尽きた点までしか戻れなかった。
男Aは永久に穴から出られなかった。
・男Bは元気よく穴の縁で思いっきりジャンプして穴へ飛び込んでいった。戻って来た時男Bは穴の口から高く飛び上がれたので無事帰還できた。
もしそんな罰を食らったら、飛び上がって飛び込んでくださいね。
★工業高校で物理を教えていた当時。ループフィルムの物理動画教材がたくさんありました。その一つ。
天井から垂らした針金の先に、4~5kgもあろうかという鉄球をぶら下げます。壁からは何mか離れた位置で。
先生らしき人が鉄球を引いてきて壁に背をつけて立ち、鼻先にその鉄球を保持します。
そして、スッと手を離す。鉄球は単振動を開始し、真下から向こうの端まで行って、また戻ってくる。
戻ってきて鼻先まで来て、また折り返す。
鉄球が顔面に近づいてきたら怖いですよね。
単振動なのですから開始点までしか戻ってこないと。わかっちゃいるんですけど。やはり思わず顔をよけてしまいそうだ。
動画ではちゃんと冷静に鉄球が戻ってくるのを見ていました。スゴイ。
生徒もハラハラ・ドキドキ・ビックリ。
初めに手を離す時に、万が一にも「押し放して」はいけない。そうすると、戻ってきたときに鉄球が顔面に衝突します。
楽しい動画でした。
★とまあ、だらだらと下らないことを考えていました。
「第四次元の小説」というSF短編集を兄貴の影響で読んだのが小学校の終わりごろか中学に入ってすぐの頃。
SFにはかなりはまりましたよ。比較的初期のSFマガジンの愛読者でした。最近は全く縁遠くなりましたが。
小松左京さんはほとんど全部読んだんじゃないか。
平井和正さんも読んだっけなぁ。
古い話なのでした。