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2021年8月10日 (火)

無重力

(承前)
「放物線を描きながら地上100キロを超えて宇宙空間に到達。船内は無重力になった。」という記事の表現。
何となく「宇宙空間に出ると無重力になるんだ」という感じがしませんか?
直径12.4cmの円から1mm離れただけで「重力が消える」なんてことはありません。

6400kmを6.4cmに縮める縮尺では

静止衛星は 3,6000km -> 36cm
月だと   38,0000km -> 3.8m
太陽は   1,5000,0000km -> 1.5km
こうなんですけどね。

月は地球に引かれて回ってるし、その月と太陽の引力で地球上の海が引かれて潮汐を起こしてますよ。

基本的に重力あるいは万有引力は「消えません」。
星やガスが集まって互いに重力で引きあって「銀河」ができます。
私たちの太陽系のある銀河は円盤部が約10万光年あります。そんな距離で引きあっています。

理科年表から引用しながら書きますが
・3個~数十個の銀河集団を「銀河群」と呼びます。重力で引きあって集団をつくっているのです。
・50個より多数の銀河が1000万光年程度の大きさの領域に密集している集団を「銀河団」といいます。
銀河団を作る力も重力です。
・複数個の銀河団や銀河群が連なり合って、1億光年程度より大きな構造をつくるとき、これを超銀河団と呼びます。
この構造を作るのも重力です。

重力というのは電磁気力などより弱いのですが、質量があれば必ず働く。宇宙を構成する主たる力なのです。
地球表面から100km離れたからって、重力がなくなるわけはないのです。

「でもふわふわ浮くんでしょ」
そうです。「重さ」がないから。これを「無重量」状態といいます。

キーポイントは「放物線を描きながら」というところにあります。
ロケットエンジンをふかして、加速し上昇していって、あるところでエンジンを止める。そうすると放物運動になるわけですね。放物運動中のロケットは自由落下なので、内部では重量を感じなくなります。間違ってはいけないのは質量はなくなりません。無重量状態でも質量の大きな物体を動かすには大きな力が必要であり、質量の小さいものは小さな力で動かせるのです。
重量と質量は違うのです。
人工衛星やISSは地球を周回していますが、これは絶え間なく自由落下を続けているということなのです。真っ直ぐ言ったら飛び去ってしまいますが、絶え間なく落下を続けているから地球を周回できるのです。

↓わかりやすい解説です。
https://kotobank.jp/word/%E7%84%A1%E9%87%8D%E9%87%8F%E7%8A%B6%E6%85%8B-140474
日本大百科全書(ニッポニカ)「無重量状態」の解説

物体の重さが感知されなくなった状態。重さは、引力を受けている物体が、その支えとなっているものに及ぼす力として表される。したがって、物体とそれを支えるものとが自由に動く場合には、物体も、それを支えているものも、ともに同じように自由落下運動をするから、物体はその支えにまったく力を及ぼさず、物体の重さは全然感知されなくなる。すなわち重さがなくなったことになる。
・・・
無重量状態(読み)むじゅうりょうじょうたい(英語表記)weightlessness
(なお無重量のことを無重力とよぶことがあるが、重力そのものがなくなるのではないから、これは正確な言い方ではない。)

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