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2021年3月29日 (月)

レッドロビン

0311_4redrobin1 2021.3.11
今の季節、真っ赤な生け垣を見かけますね。妻の撮影です。
0311_4redrobin2
見事に真っ赤っか。

★植物は緑色が普通ですが、何で赤いのでしょう?
植物が緑色に見えるのは葉緑素が太陽光のある波長の部分を吸収して利用し、吸収しなかった部分が見えているのですね。
緑の補色は赤のあたりです。ということは、葉緑素は赤の光を吸収して利用し、緑を吸収していない。
それなのに、葉が赤く見えるということは、どうしてなのか。
どうも、若い葉の未成熟な葉緑素を保護するために赤を吸収しているのであるらしいのです。

↓参考
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2053

バラの枝の先にある芽(葉)が赤い色なのはなぜですか。

それではなぜ、若い葉がアントシアニンをたくさんもっていて赤色に見えるのでしょうか?若い葉は赤く見えますが、クロロフィールはゼロではありません。若い葉は光合成を進行させるための葉緑体を作り上げている段階ですが、まだ、太陽光の強い光、太陽光に含まれている紫外線による害作用を防ぐことはできません。ヒトが海水浴に行けば太陽光によって皮膚が日焼けでヒリヒリしますが、葉も同じように可視光、紫外線によって生ずる活性酸素による害作用を受けます。若い葉はこれらの光による害作用を充分に防ぐことができないため、アントシアニンによって太陽光を遮り、葉緑体が害作用を受けないようにしていると考えられます(ヒトの皮膚の日焼けを防ぐための“日焼け止めクリーム”のような役割)。しかし、葉が成長して、葉緑体に太陽光の害作用を防ぐ機能が充分に発達すると、アントシアニンによって太陽光を遮る必要がなくなるためにアントシアニンはなくなり、葉が緑に見えるようになります。

https://www.toho-u.ac.jp/sci/biomol/glossary/chem/dye.html

色素  (dye)
・・・
 物質の色が見える仕組みの一つは、色素による光の吸収である。図1は植物の緑色の原因であるクロロフィルの可視吸収スペクトルである。クロロフィルは、450 nm付近の青色光と、680 nm付近の赤色光を吸収し、500-600 nmの緑や黄色の光を吸収せずに反射する。この反射された光が、人間の目に緑色や黄色として認識される。つまり、吸収されない波長の光が、その物質の色となる。
・・・

こういうことなんですね。赤い色は若い葉の葉緑体を保護している。
レッドロビンなどは、特に赤い葉を作る性質が強いものを選んで強化したのでしょう。
高校の生物では、太陽光が強すぎる時に、葉緑体を移動させて、光を避けるように並べる、ということを学んだと思います。これは物理的な移動で太陽光を避ける。
赤い葉は、色素で化学的に保護する。
そういうことのようでした。


https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2001/20010316_1/20010316_1.pdf


弱光下では光を十分吸収できるように、葉緑体は、細胞の葉の表面側の壁に集まってきます。一方、強すぎる光の下では光による障害を裂けるために葉の表面と直行する壁、すなわち光線と平行な壁側に移動し、互いに寄り添って太陽の光線を避けます。この現象は、種子植物から緑色の藻類に至るまで、調べられた限りでは全ての植物で確認されており、植物の生存にとって非常に重要な生理現象であると考えられます。すでに19世紀から知られていましたが、そのメカニズムは良く分かっていません。

https://www.nins.jp/uploaded/attachment/1831.pdf
↑11ページにわかりやすい図があります。

https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005100113_00000
↑葉緑体の移動を動画で見られます。

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