「おつり」の話:3・発展
★出来事としての「おつり」はわかったとして。
おつりがどうして発生して真上に上昇し、出発点まで帰ってくるのかというメカニズムがわかりません。
液体に固体が落下すれば、バシャッとはねることは当然です。ですが、それって跳ね飛んで斜め上に広がるんじゃないのか。真上に来るか?
スーパーボールというのかな、すごくよく弾むボールがありますよね。あれを床に落とせばかなりの高さまで弾んで戻ってきます。でもおつりの話は、スーパーボールとは違うからなぁ。
★ここで思い出すのがミルク・クラウン。
↓ミルク・クラウンの簡単な説明です。
http://www.nara-gyunyuya.com/qa/crown.htm
ミルク・クラウン現象というのは?
ミルク・クラウン現象 ミルクの王冠
ミルク・クラウン現象というのは、容器に入ったミルクの上面にミルクを1滴垂らすと、きれいな王冠状になる現象です。
___王冠は中心部からの波の伝達が不安定な液体の増幅が原因で起こります。
牛乳だけに限らず粘性の少しある液体において落下させる『滴』の距離、質量、体積、比重、落下スピード、表面張力、等の条件が揃えば発生します。(牛乳の粘度は水の2倍程度です。これは牛乳に含まれるカゼインと脂肪によるものです。)
ミルク・クラウンになる条件は、容器の液体の深さにも影響され、浅いと王冠状になり、深いとこけし状になります。
___つまりミルク・クラウンは、牛乳だけに限ったものではなく粘度のある液体で条件が揃えば出来るというものです。
このサイトでの写真が標準的なものです。確かに王冠状ですね。
↓
https://www2.nagare.or.jp/mm/2003/gunji/index_ja.htm
ミルククラウンに関する研究
{この中のE.染色した液滴を衝突させる に入って}
https://www2.nagare.or.jp/mm/2003/gunji/red-1.htm
{下の各リンクをご覧いただきたいのです。}
流体層の深さ:5mm
r-d05a.htm
落下中の色玉,クラウン
r-d05b.htm
クラウンの崩壊
r-d05c.htm
こけし状構造 1
r-d05d.htm
こけし状構造 2
r-d05e.htm
波紋
r-d05f.htm
波紋・波紋消滅
{特に「こけし状構造」に注目したい}
クラウンが生成し崩壊する。そのとき崩れるクラウンが今度は波源になる。
円周上の波源からの波が中央に集まった時、波の重なり合いで、中央部分が上へこけし状に打ち上げられます。
これじゃないのか。おつりの正体は。
と感じたわけです。
↓これは海上技術安全研究所 造波装置デモンストレーションの動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=rMsLGSSiSPw
11分51秒あって全部とても面白いのですが、特に、2分52秒あたりからの「集中波」が今回の話に対応する部分です。
円周上に並べた波源からの波が中央に集まって、高い水の柱になる。おもしろいですよ。
★今回の「おつりの話」は、この現象がおつりの正体だろう、という私のこの推測で終わりです。
きちんとした科学的な説明にはなっていなくて、アナロジーしかできません、それが私の実力です。
流体力学に詳しい方に、きちんとした解析をお任せします。
↓ストックフォトにあった「ミルククラウン」の中央のこけし状の打上げの写真です。
https://media.istockphoto.com/photos/beautiful-milk-water-pattern-made-by-strawberry-picture-id1166753137?k=6&m=1166753137&s=612x612&w=0&h=fyDb0SvCRYiPVOQQdzMxte4vlTNGOPew0R2wHgw1ksg=
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