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2021年2月 2日 (火)

すみません 続きです

尾籠な話は続きます。

(現場へ!)「ごみゼロ」への道:2 町ぐるみ、し尿まで畑に循環(朝日新聞デジタル 2021年1月26日 16時30分)

 「次の世代にツケを残さないために循環に取り組んできた」
・・・福岡県大木町・・・は、町内から出る生ごみをメタン発酵させて有機肥料をつくり、農作物を育てて町内の台所に戻す循環の取り組みを紹介した。
・・・
 生ごみやし尿は元々、農作物を育てるための貴重な有機肥料だった。「江戸時代は循環型社会だった」といわれるように、私たちはかつて、作物を食べ、し尿を再び畑に返す仕組みを持っていた。だが、いまや生ごみやし尿の処理は自治体の悩みのタネになった。

「江戸時代」とありますが、そんなに遠い話でなくてもね。
70代の私が子供のころ、便所は弁壺型でした。で、定期的に「汲み取り屋さん」が来てくれたのです。大八車に桶を積んで回ってくる。長い柄のひしゃくで弁壺の中のし尿を汲み取っていってくれましたっけ。私が知っている時代には有料だったと思います。で、そのし尿を肥料にしたのですね。ですから、まだ循環型ではあったのです。

ところが、ここに、人糞を肥料にすることのデメリットがありまして。
寄生虫の問題なのです。
人糞肥料には寄生虫やその卵が入っていたのです。で、その肥料で栽培した野菜を生で食べると寄生虫に感染してしまう。私が小学校の低学年のころは、検便が厳しかった。マッチ箱にウンチを入れて提出。かなりの高率で寄生虫卵が見つかっていたと聞きます。ですから、野菜は生で食べてはいけない、必ず火を通すようにと言われたものなのです。
で、そのうち化学肥料に変わっていきまして、その結果「清浄野菜」というものが出てきた。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta5703&dataType=1&pageNo=1

○清浄野菜の普及について
(昭和三〇年三月二八日)(衛発第二〇五号)(各都道府県知事あて厚生省公衆衛生・農林省農業改良局長連名通知)

 現下の野菜類は、相当部分が、衛生的に未処理の屎尿を肥料として栽培されているために、腸内寄生虫蔓延の要因となり、ときには赤痢等経口伝染病の原因となる例も稀でなく、他方かかる配意から野菜の生食を阻み、無機質、ビタミン類等の国民的不足を来す等保健上並びに食生活改善上幾多の支障がある現状である。
 これを改善刷新することは、重大な意義を有するものであるが、このためには、屎尿処理方式の改良、栽培法及び市場取扱の改善等を行うことが前提となるものであって、一朝にして、その全きを期することは困難である。
 しかしながら、今後の方向を示す意味において、今回別紙清浄野菜普及要綱を定め、その推進を図り、漸次野菜類に関する衛生の向上を図りたいと考える次第である。
(後略)

清浄野菜は生でバリバリ食べられる。新鮮な驚きでしたね。生で野菜が食えるということは当時としては結構すごいことだったんですよ。サラダというのが家庭に普及していったのは、その頃からじゃなかったのかな。
と、昔の記憶をたどってみました。
(まだ続きがありますが、ちょっと先になります)

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