シオカラトンボ
夕方、ちょっと庭へ出た妻が、シオカラトンボがイヌタデで交尾していたと、撮影してきてくれました。
2020.8.22
真っすぐ立っているのがオス、腹を曲げているのがメスです。
どういう状況なのかといいますと。
オスは、交尾前に腹端部にある精巣から精子を胸の下のところの副性器に移しておきます。
メスを見つけると、その腹端部でメスの頭と胸の間のところを挟みます。(この姿勢だと精巣は使えませんね)
メスは腹を曲げて、腹端部の生殖器をオスの副性器に当てて精子を受け取ります。
その姿勢を写真で見ているわけです。
交尾が終わると、メスは産卵ですが、産卵は自分一人で水面を叩くような動作で行います。その時にメスの上でオスが旋回していることがあります。産卵中のメスを守っている、という説明もありますが、おそらくはもっと現実的。オスは自分が渡した精子で受精した卵を産んでほしい。自分の遺伝子を繋ぎたいのですから。で、メスが、別のオスと交尾してしまわないように監視・防御しているのだと思われます。オスは産卵はできないわけですから、自分の遺伝子を残すためには、そのようにして自分の精子で受精した卵を産んでほしいわけですね。メスの方は、自分が産卵するのですから、特に「欠格」条件がない限りどういうオスと交尾して受精卵を産んでも自分の遺伝子が残せるのです。
8.26
朝8時半頃です。私の撮影。
この時間、昆虫は体が暖まっていないことがあって、太陽光を浴びて体温を上げようとしていることがよくあります。
この時もそういう状況かな。じっとしていましたので、じっくり撮影できました。
トリミング。トンボの頭部を後ろから見ると、ちょっとドキッとするような感じですよ。
翅の付け根もものすごい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%86%E8%99%AB%E3%81%AE%E7%BF%85
トンボの場合、翅の基部には筋肉が結び付いており、これが直接に翅を駆動する。前翅と後翅は別々に動く。
それ以外の昆虫では、筋肉は胸部体節の背面と腹面のキチン板につながり、胸郭を上下に動かすことで、間接的に翅を動かすようになっている。
トンボの場合、翅の駆動はダイレクト・ドライブなんですね。トンボの空中停止とか、停止していたのが一瞬で高速飛行に移るとか、あのすごい飛翔能力はこの直接駆動のおかげなのです。
横からも撮ることができました。
すごいものでしょ。飛びながら空中で小昆虫を捕獲したりできるんですから。視覚も優れている。
昔々の記憶:小学校に入るちょっと前くらいだったかな。ある時、家の裏のちょっとした崖のふちで、目の前にオニヤンマがやって来て、私の方を向いてホバリング。手元に捕虫網もなく、じっとにらみ合ったのですが、なんとなく「ガキ、俺をつかまえられるかな」とニヤッと笑ったような気がした、という遠い記憶があります。
また、同じ頃、電柱を支える斜めのワイヤにギンヤンマがとまっていました。その時は捕虫網を持っていたので、ひたすらそ~っと{主観的にはかなり長い時間をかけて}網を後ろから近づけていって、今だ!という時に網を斜め上に思いっきり動かしたのですが、ギンヤンマは思ったようには浮き上がってくれず、悠然と網の下をくぐって飛び去りましたっけ。このときも、ザマミロと笑われたような気がしたっけな。
トンボの単眼は、明暗視しかしないということですが、情報の伝達が早いので、地平線を認識して姿勢を保つとか、地上の構造物の識別とか、鳥などが上から襲ってくるのを知るとか、そういう役割をしているといいます。
高度な飛翔、ということでは、ハエやアブもすごい飛翔能力ですが、やっぱりトンボのカッコ良さにはかなわないよな。
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