ネコハエトリ vs. ホソヒラタアブ
2020.4.7
左にアブ。右に動きが見えまして、何だろと見つめると、ネコハエトリのメス。
ん?隣りの葉のアブを狙っているのか?
結構な距離がありました。10cmはないか、ま、それに近いくらい。
アブはこれ。ホソヒラタアブのメスかな。
こちらがネコハエトリ。まだ成体ではないかも。
見ていると、やはりネコハエトリはアブを狙っているようです。
襲うにはジャンプしなければなりません。距離を測って、タイミングを計る。
一度跳んだら、途中でコース変更はできませんので、慎重になっている。
なんだか緊張感が漂う。
私も動けなくなって、5分近くも経ったころ。
ネコハエトリがジャンプ。
残念でした。アブは気づいて飛び上がり、クモはアブの消えた葉の上に着地。
いや、すごいものを見ました。
ふぅ、と息を吐いてそばを離れました。
私たちは蛍光灯の光にちらつきを感じませんが、ハエなどは視覚の時間分解能が細かくて、蛍光灯はちらついて見えているはずだ、という話があります。ネコハエトリのジャンプは、私には瞬間的なものに見えましたが、アブにとってはちゃんと飛んでくる姿も見え、対応する反射神経もあった、のでしょう、きっと。どういう世界が見えるんでしょうね。
★ところで、「距離を測って」と書きましたが、ハエトリグモは獲物との距離をどうやって把握するのでしょうか。
↓日経新聞の記事を引用します。
獲物捕るクモ、ピンぼけ具合で距離つかむ 大阪市大(日本経済新聞 2012/1/27 4:00)
ジャンプして獲物を捕るハエトリグモは、目の中に写るピンぼけした像をもとに、見る対象物までの距離をつかんでいることを大阪市立大の寺北明久教授のチームが解明し、27日付の米科学誌サイエンスに発表した。
チームによると、このクモがハエなどに飛び付く際、どのように距離を測るのかは謎だった。ヒトでは左右の目のわずかな見え方の違いから測定しているが、今回のような視覚メカニズムが明らかになったのは初めて。
・・・
ハエトリグモの8個の目のうち、前面中央にある2個の「主眼」。この中には可視光を認識する部分が、レンズに近い方と奥の2層あり、いずれの層にも緑色の光を認識するタンパク質があった。見ている物がレンズを通して奥の層でピンぼけしていない像として写り、もう一方の層にはピンぼけした像が写ることが分かった。
チームは2つの像を比べたピンぼけ具合から、距離を認識していると推測。緑の光を照らした場合と、緑よりもぼやけ具合が大きくなる赤の光の場合で、クモが餌に飛び付く様子を観察した。
すると、緑の光では餌まで飛び付けたが、赤い光では餌まで届かなかったため、大きくぼやける光ほど距離を短く誤認するとみられた。
チームの小柳光正・大阪市立大准教授は「ピンぼけ具合が距離に変換される原理を解明したい」とした。〔共同〕
ピンボケの度合いから距離を把握する、というのですね。ちょっと想像を絶しますね。
今回見た、ネコハエトリの狩り、失敗に終わりましたが、やはりこうやって間合いをはかってていたのか、と思うとなんだか感激してしまうのでした。
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