フィジカル・ディスタンシング
↓ちょっと前の記事です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-e8561b.html
2020年4月10日 (金) ソーシャル・ディスタンシング
(家庭内での)「ドメスティック」に対して、(家庭の外での、社会での)「ソーシャル」において物理的に「間隔をおく」ということのようです。(私には英語感覚があるわけではないので、推測ですが)
「人間関係を疎遠にする」のではなく、「他の人との距離を確保する」ということでしょう。
そのあたりを混同しないようにしてください。
こんなことを書きました。
これについてWHOが「フィジカル・ディスタンシング(physical distancing)」と言いかえるように提案しましたね。
↓朝日新聞から
ソーシャルディスタンシング 重要なのは「物理的距離」(朝日新聞デジタル 2020年4月19日 11時00分)
新型コロナウイルス対策で、政府が緊急事態宣言の対象を全都道府県に広げて外出自粛の徹底を呼びかける中、「ソーシャルディスタンシング(社会的距離の保持)」というカタカナ語が注目されている。感染を防ぐために他人と一定の距離をとる対策のことだ。一方で、海外ではこの言葉を「フィジカルディスタンシング」(物理的距離の保持)という言葉に言い換える動きも出てきた。なぜなのだろうか。
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ソーシャルディスタンシングという用語は欧米ではかなり浸透しており、国内の報道でも目にするようになってきたが、世界保健機関(WHO)は最近「フィジカルディスタンシング(physical distancing)」という言葉に置き換えるようになった。3月20日、WHOの会見で専門家が、「あえて言い換えているのは、人と人のつながりは引き続き維持してほしいから」と述べている。
なぜなのか。ソーシャルには社会のほか、社交などの意味がある。ソーシャルディスタンシングは「社会的距離の保持」と訳されるが、実際には社会的や社交的に他人と距離を置いて疎遠になることを求めているわけではない。WHOは、保健当局が感染拡大を封じ込めるために物理的に人と接触する頻度の制限を勧めている場合でも、電子メール、ソーシャルメディア、ビデオ会議、電話を介して人とのつながりを維持できるとする。感染拡大でストレスや孤立を感じがちな時には、とくに人とのつながりで、体と心の健康を維持することが重要だ。
WHO神戸センターで翻訳を手がける健康危機管理担当の茅野龍馬医官は「人と人との物理的な距離を維持することは感染予防のために極めて重要であるが、心理社会的な健康(精神的健康)のために、社会的孤立を避け、SNSや電話などさまざまな手段で人と人とのつながりを維持することが推奨されている」と話している。
・・・
ちょっと遅れて東京新聞も
東京新聞(2020年4月25日 朝刊)
<新型コロナ>「ソーシャル・ディスタンシング」→「フィジカル・ディスタンシング」 人との距離、言い換える動き
・・・
Q だれが言い換えを始めたのですか。
A 世界保健機関(WHO)が最近「フィジカル・ディスタンシング」という言い方に改めました。フィジカルは「物理的」という意味。社会的距離という表現だと「愛する人や家族との関係を社会的に断たなければならない」と誤解されかねず、あくまで物理的な距離を置くだけだと伝える狙いです。WHOの専門家は「人と人とのつながりは保ってほしいと願うからだ」と解説しています。
・・・
私はもとが理科教師ですので、「フィジカル」というと「物理的」という感覚が強いのですけど。
スポーツ関係の方などは「メンタル(精神的)」「フィジカル(身体的)」というような用法に慣れているかも。
どっちでもいいんです。
「心理的に距離を置く」ではなくて
「物理的に、空間的に距離を置く」「身体的に距離を置く」ということですね。
英語のネイティヴ・スピーカーなら「distance」を動詞として使うことにあまり違和感はないと思うんですが。
日本人は、「距離を置く」ではなく「距離」という感覚が強いですよね。
そうすると「人間関係の距離」になってしまいそう。
他の英語圏ではない国でどう感じるかはわかりません。
でも、WHOという世界的な機関としては、誤解が入り込む余地のないように、「フィジカル」に置き換えようとしているのではないでしょうか。そんな気もしました。
とにかく、「物理的に空間的に身体的に距離を置く」ようにしましょう。
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