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2020年4月20日 (月)

危ういバランス

学校が休みになってしまって辛い思いをしている子どもたちのためかな、朝日新聞で「おうちで たのしーと」という企画が3月に2週間ほどあったのです。
その第8回(3/25)のテーマは「つよい『カタチ』をさがそう!」というもの。
新聞紙面の右側の絵の部分を切りとって、折って、強い形を作るのです。
ジャバラに折ってジグザグの上から押せば強い。ジグザグを延ばす方向に押すと弱い。
そんなことがわかるわけですね。円筒にしてもいいですね。
ここでは取り上げていませんでしたが、ハニカム構造につながるものです。
あるいは、棒より管の方が強いとかね。工学的な発展もあります。奥深いテーマです。
さて、今回はそのテーマそのものではありません。

0325tuyoikatati 2020.3.25
紙を折った図を見ていて、思い出したことをご紹介します。
私たちはよく紙幣でやったのですが、お札で遊ぶのはまずいかな、と紙でやります。

広告の紙をまず二つに折って、折り目をきちっと爪でつぶしておきます。
更に二つに折って、これはV字形でいい。
0327_1coin1
そのVの上に、硬貨をのせます。
0327_1coin2
そ~っとV字型を開いていきます。
0327_1coin3
ゆっくりゆっくり、そ~っと。
0327_1coin4
ほぼまっすぐに開きました。
危ういバランスですが、硬貨は落ちません。

最初にV字型の上に硬貨をのせる時は、落ちさえしなければどう乗せてもかまいません。
そ~っと開いていく過程で、紙と硬貨の摩擦の関係で、重心が紙の山折りの上に自動的に移動してくるのです。
面白いでしょ。お試しあれ。

★別バージョン
0418masatu
Fig.1 をご覧ください。
1:準備するもの:ものさし。30cmでも1mでもいいです。竹製でもステンレス製でもいいです。端から端まで表面が一様であればいい。
両手の人差し指にものさしを乗せます。ものさしが落ちない範囲で、左右アンバランスな位置で支えた方が面白い。
で、ゆっくり両手の指を手を合わせるように近づけます。ものさしが不思議な動きをしながら、最終的に物差しの真ん中、重心の位置で指がくっつきます。
ぜひやってみてください。
物理の授業で摩擦のところ。教壇での演示でこれをやると、生徒が喜ぶ。やってみたいという生徒も出ますからやらせてあげる。うけます。

重心の位置より遠い側の支点の方が下へ押す力が弱いので、摩擦力も弱い。で、その支点のところで滑る。
二つの支点のうち、遠い方が滑る、ということを繰り返しながら、最終的に重心の位置へたどり着くわけです。

棒と支点におけるこの仕組みの拡大版が初めの実験なのです。硬貨の「面」と支える「線」の間の摩擦力の関係なんですね。それ以上は立ち入りませんが。
面白いですよ。

2:思考実験
物差しと指の実験を踏まえて。思考実験。
Fig.2 と Fig.3 です。
板の下に、ローラーがあります。二つのローラーは同じ材質でできています。
このローラーを回転させるのですが。
板との接触面で両方とも外側向きになる回転がFig.2 です。
逆に、板との接触面で両方とも内側向きになる回転がFig.3 です。
さて、どちらが安定でしょうか?

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