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2020年2月 6日 (木)

塩化水素のタンクローリー

0115_2hcl_1 2020.1.15
目の前を走っていたタンクローリー。
「成分名 塩化水素」だそうですが、濃塩酸でしょう。
0115_2hcl_2
「品名 塩酸」ですね。
この数値から比重を見積もると、約1.2程度。
濃塩酸の濃度を35%とすると、比重は約1.2なのです。あってます。

濃塩酸が走っているのか、と驚く方もいるでしょうけれど、化学屋としてはそんなに怖い物質ではない。
むしろ、酸素ガスを積んだタンクローリーからガス漏れでも起きた日には、自動車のエンジンが異常燃焼してとんでもないことになる。濃度の高い酸素は怖いですよ。普段燃えるなんて思ってもいないようなものが燃えますからね。
アポロ宇宙船の事故も純粋酸素のせいです。
時々「酸素に引火した」などというニュースを見かけますが、それは間違い。酸素自身は燃えません、物を燃やすだけですが、濃度が高いととんでもない燃え方をするのです。

現役時代、環状7号線をよく走っていた頃がありまして、この道路はタンクローリーが多かった。
で、自動車のハンドルの脇にメモ帳を置き、信号停止時にタンクローリーの表示をメモして、化学の授業の教材にしましたっけね。懐かしい。

化学科の学生時代、当然大量の学生実験が組まれているのですが、実験大好き人間の私は、かなりの速さでメニューをこなしていった。そうしたら、岩本振武先生が、おう速いな、時間があるようだから定沸点塩酸の蒸留でもやってみないか、と声をかけてくださいました。塩酸を蒸留すると、蒸留時の気圧で濃度が厳密に定まった塩酸が得られるのです。気圧測定をしながらの蒸留でした。おまけメニューをやらせていただいて、楽しかったな。
岩本先生の講義で、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶かすと、青い溶液=ブルーソリューションができるという演示を見せていただきました。電子がアンモニア分子に囲まれた「電子の溶液」ですから、還元反応に使う。バーチ還元としてよく知られています。で、とても面白かったので、科学史の大学院での修士論文に「溶媒和電子の歴史」というのを書きました。
出発点が岩本先生の講義だったので、修了後に、当時の研究室があった駒場へ行って、報告しましたら、雑誌「化学」にダイジェストを書きなさい、ということで、書かせていただいた事がありましたっけ。
塩酸から昔話を思い出してしまいました。ご容赦ください。

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