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2020年1月 9日 (木)

打ち初め式

日本刀の打ち初め式の話です。
「鉄は熱いうちに打て」ではなく「鉄を打つと熱くなる」というお話です。

↓NHKのニュースから

新年恒例の日本刀打ち初め式 北海道 室蘭(NHK 2020年1月6日 11時07分)
 伝統的な手法で日本刀を作り続けている、北海道室蘭市の日本製鋼所で新年恒例の打ち初め式が行われ、ことし1年の作業の安全を祈りました。
 ・・・
 6日は午前6時半から「打ち初め式」が行われ、刀作りを行う2人の刀匠が1000度にまで熱した真っ赤な鉄を大づちと小づちでたたいて「圧金」という日本刀の材料を作りました。
 ・・・

ニュースでは、既に炉には火が入っていて、そこで熱した鉄の「打ち初め」でした。
実は、大分以前なのですが、テレビで、その「炉の火」をいれる、本当に「初っ端」のところを見たことがあるのです。
オリンピックの聖火は「神聖」なんですか?で、採火式では太陽光を凹面鏡で集光して焦点のところで点火しますよね。
日本刀の打ち初めでも、やはり神聖であることが大事なのかな。マッチやライターでの点火はしないようなのです。
そうすると、錐もみや舞錐式とか「摩擦熱」を使いますか。それとも火打石を使いましょうか。
どちらも力学的なエネルギーを熱エネルギーに転換して火を採るわけですが。
私が見た日本刀の打ち初め式では、ちょっと意外で、物理教師は大喜びする方法だったのです。

常温の鉄の棒を、刀匠が槌で叩くんですね。そうするとやがて叩かれた鉄の棒が熱くなってきて火口に火をつけられるくらいになるわけです。それを火床(ほど)に移す、という採火法だったのです。

これも力学的なエネルギーを熱エネルギーに転換するということでは同じなのですが、さすが日本刀の打ち初めだよなぁ、と感動しまして、当然、私の授業の材料になったのでした。鉄を打つと熱くなるのだ!
理科教師は「好奇心命」。なんでも教材に見えて仕方ないのでした。
で、ことしテレビで打ち初め式を見ていて、物足りなさを覚えた次第です。取材者の「理科的な目」が問われますね。

↓参考
https://twitter.com/sekikaji

関鍛冶伝承館
2019年11月30日

1月2日
火入れ式では、マッチやライターなどの着火道具は使用せず、古式にのっとり鉄の棒を小鎚で何度も叩いて熱くし、そこから材木に火を着け、さらに神棚の蝋燭と火床(ホド)へ火を移しています。

http://fmgifu.com/blog/detail_5444_5_0_201712.html

2017.12.13
関市 迫力の打ち初め式
■関市 日本刀鍛錬打ち初め式■
 1月2日に行われます。
 ・・・
 そのあと境内に設置された鍛錬場にて、火入れ式と鍛錬の一般公開を行います。そして関鍛冶伝承館技能公開場へ移動し仕事始め式と技能の一般公開を行います。
 古式日本刀鍛錬は古式にのっとり、鉄を槌でうち加熱させ、そこから火をとります。
その火を火床に入れ、風を送りながら玉鋼を加熱していきます。そして真っ赤になった玉鋼を3人の刀匠が交代しながら鍛錬していきます。真っ赤になった玉鋼をたたき、大きく火花が飛び散る様子は、真冬の寒さも忘れさせてくれるほど迫力があります。
 伝統の技を見られる貴重な機会ですので、新年はぜひ関鍛冶伝承館へお出かけください。
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