不自由
台風などで発生した水害は、まだまだ復旧には時間がかかりますが。
センセーショナルな状況や報道は多少は落ち着いてきたかな、と。
で、余分なことを一言、言おうかな、と。
水害報道で、「脚の悪い高齢者」が逃げ遅れたり、避難しても避難所生活が大変だったり、という表現を多く見聞きしたような気がするのです。
善し悪し、良し悪し、好悪。
いろいろあります。
昔、私も「脚が悪い」という言い方をされましたし、よく耳にしたものです。
いつの頃からだったのか、よくわからないのですが。「私の脚は悪くなんかない、不自由なだけだ」という考え方が広がっていったように思うのです。
私は満1歳直前にポリオに罹患しました。それによって脳からの筋肉を動かす指令(遠心性)が左脚に届かなくなったのです。でも求心性の情報、左脚の感覚情報はちゃんと脳に送られます。痛い・かゆい・熱い・冷たい・・・等々。
私自身は「脚が悪い」と言われて傷つくようなことはないんですが、まあ、あんまりいい表現ではないですよね。
随意に左脚を使うことができないだけです。
思うままにならないのですから「不自由」ということですね。
今回、そんなふうに緩やかに流れてきた言葉の使用法の変化をあまり知らない世代の方がニュース原稿を書いたのかな。
ふだんから、障害者のことに敏感であってほしいな、とは思う次第です。
電車に乗ると、私は「体の不自由なお年寄り」だから、と優先席を使わせていただいております。ダブルで資格あり、と内心ニヤッとしながら。70年も障害者やってるのですから「ベテラン障害者」なのでした。
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