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2019年9月19日 (木)

ハスの葉の上の水

0814_4hasu 2019.8.14
ハスの葉に水が溜まっていました。
水の手前の縁が銀色に輝いています。これは全反射の輝きですね。

0825_15hasu 8.25
ぎらぎらの部分が広い。
この写真でも上の写真でも、奥の方は水が透けて、葉脈が見えます。
角度によって、全反射の部分と通常に屈折で出てくる部分ができるのです。

●葉の上の水に全反射が見られるということは、葉の表面と水との間に薄い空気層がある、ということです。
このことをちょっと説明したいのです。

【全反射】
異なる媒質の境界面で光が全部反射される現象。光が屈折率の大きい媒質中から屈折率の小さい媒質に入射する時、入射角がある一定の角(臨界角)より大きいと、境界面で全部反射される。水中から空気中へ向かう場合などに起こる。
広辞苑第六版より引用

Zenhansha
水から空気へ光が出る時の図です。
AB間の水面に入射した光源からの光は、一部が屈折して空気中へ出ます:屈折光ですね。一部は反射します。
ところが、ちょうどAやBのところへ来た光は、屈折光の進路が水面に一致してしまう。この角度を臨界角と言います。
入射角が臨界角より大きいと、光はもう空気中へ出ることはできない、すべて反射するしかなくなってしまうんですね。
これが全反射。
上の図を単純に引っくり返してみます。
Zenhansha_
ここでは、点線に意味があります。ハスの葉の表面を表しています。
ハスの葉の表面とたまった水の底の間に空気層がある、という図になりました。
空気中から水に入射した光のうち臨界角を超えた光線は、葉との間の空気層で全反射して、水の実際の上の方の表面から出てきて、眼に入るわけです。ですから、冒頭の写真で撮影したような全反射の写真が撮れるのです。
全反射の光を見たら、こういう屈折率の違いを意識してください。

0914_2zenhansha1 9.14
透明な四角いケースに水を入れ、少し水を入れた試験管をそこに斜めに入れてみました。
0914_2zenhansha2
上の方からうまく角度を選ぶと、こうなります。
空気の入っている部分は全反射で銀色に輝きます。
水の部分は、水とガラスの間での屈折があって、少しずれを起こしますが、ケースの底の縁が透けて見えます。
{空のペットボトルを持ってお風呂に入ったら全反射をゆっくり見られるかもしれません}

ということで、溜まった水と葉の表面の間に空気層があることが分かったのですが、どうしてそんなことになるのでしょう?
ロータス効果というものがあります。
0908_5hasu 9.8
顕微鏡じゃないので微細な部分は分かりませんが、画面左上から右下へ、葉の表面が白っぽく見えています。
葉の凸の曲面のてっぺんあたりを真横から見るアングルを狙ったものです。
白っぽく見えるのは、微細な突起があるからなのです。
解説は参考サイトに任せます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B9%E5%8A%B9%E6%9E%9C
ロータス効果

https://sites.google.com/site/fluordoublet/nature/lotus
結晶美術館
ハスやサトイモの葉が水をはじくわけ

0916higanbanasuiteki 9.16
黄花ヒガンバナの花弁の表面の水滴です。丸くなっていますが、花弁の表面にくっついていて、凸レンズの働きをしているだけのようです。

0917_18tokiwamansaku 9.17
ベニバナトキワマンサクの葉です。前夜の雨で濡れていました。
この葉は表面に凹凸があるようです。顕微鏡レベルというほど微細な凹凸ではなく、肉眼視でもわかるくらい。で、その凹凸の上に乗った水滴からは全反射が見えるようですね。空気が入り込んでいるのでしょう。
水滴表面の反射や、葉の表面からの反射光も見えます。
0917_19hoozuki
これはホオズキの葉。べっとり濡れてしまって、丸くもならない。

いろんな「濡れ」があるものですね。
「濡れ」というのは実はかなり厄介な話なのです。

https://www.face-kyowa.co.jp/science/theory/what_contact_angle.html
接触角(ぬれ性)とは?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%A1%E3%82%8C
濡れ

↑上の二つはそう難解ではないので、お読みください。

「濡れ」にはフラクタル構造というのが関わるのもありまして。
↓下の二つは、かなり歯応えがあると思います。物理的に強い「顎」が必要かな。覗いてみてください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvsj2/58/11/58_15-RV-028/_pdf
フラクタル表面構造と親水性・撥水性の物理

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/57/2/57_2_62/_pdf
高分子とフラクタル-超撥水性表面とフラクタル

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