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2019年8月13日 (火)

暑さ指数

★承前
前の記事で引用した8月7日付の朝日新聞の「天声人語」の記事の終わりの方に
「スタート時刻変更の影響が大きいのは、気温と湿度より日の差す角度だという。朝が早いほど、都心の高層ビル群が作り出す日陰はまちがいなく増える。」という記述があります。日射が少なければ、選手は楽になります。

夏の昼下がり。信号待ちする歩行者は、ビルの影に入って待つ人も多い。
日の当たる横断歩道前も、ビルの影の中も、気温も湿度もそう大差があるはずはない。何が違うかというと、日差しを浴びるかどうか、ですね。
日の当たる場所より、木陰が涼しいのも同じこと。
暑さ、というものは、気温と湿度だけではないのですね。
車の中にいても、エアコンで車内の温度は低いのに、太陽にあぶられた屋根から「熱気」が迫ってくることはありませんか?
太陽光そのものは遮られていても、熱くなった屋根が放出する赤外線に照らされると暑い。
可視光・赤外線などを含む「放射 or 輻射」を取り入れたのが「暑さ指数(WBGT)」です。

↓下は、環境省のサイトです。
http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php
環境省 熱中症予防情報サイト

●黒球温度(GT:Globe Temperature)は、黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測します。黒球の表面はほとんど反射しない塗料が塗られています。この黒球温度は、直射日光にさらされた状態での球の中の平衡温度を観測しており、弱風時に日なたにおける体感温度と良い相関があります。

●湿球温度(NWB:Natural Wet Bulb temperature)は、水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測します。温度計の表面にある水分が蒸発した時の冷却熱と平衡した時の温度で、空気が乾いたときほど、気温(乾球温度)との差が大きくなり、皮膚の汗が蒸発する時に感じる涼しさ度合いを表すものです。

●乾球温度(NDB:Natural Dry Bulb temperature)は、通常の温度計を用いて、そのまま気温を観測します。
暑さ指数(WBGT)の算出式

屋外での算出式
WBGT(℃) =0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

屋内での算出式
WBGT(℃) =0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
※単位は摂氏度(℃)になります


ここで全国の「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」を見ることができますし、暑さ指数についての解説なども読めます。
暑さ指数はWBGTと称されますが、Wet-Bulb Globe Temperature の略です。
気温1に対して湿度7、環境中の輻射熱2の割合で計算されます。単位が「℃」にしてあるので、気温そのものと混同されやすいのですが、湿度の占める重みが大きくなっています。以前、不快指数という指数がありましたが、そこへ輻射を加えた指数だとご理解ください。

「黒球」というのがみそでして。
「黒」というのは、色ではなく、入射した光が全部吸収されてかえってこない、ということが「黒」ですね。
可視光も吸収されますし、赤外線も吸収される。この黒球がうける「輻射」を測定しようということなのです。
{白球ではダメですよ。白は光を全部はね返すのですから、輻射の影響は測定できません。}

もう一度、天声人語の記事に戻りますと、スタート時刻を繰り上げると、太陽高度が低いので、建物の影が長く伸びて、マラソンコースを影が覆う部分も増えるだろうということですね。気温と湿度が同じでも確かに「暑さ指数」は下がるはずです。
なんとかして、選手たちの健康を守りたいものです。

★私が12歳でしたか、1960年のローマオリンピック。8月25日-9月11日でした。この大会でのマラソン。アベベ選手が優勝したのですが、日没とともにスタートしたと記憶します。当然ゴール時は真っ暗。現在のように、選手とともに走る中継車もなく、ゴール地点で待ち受けていたら闇の中から、無名のアベベが裸足で帰ってきた、というのを新聞で読んだと記憶します。テレビは白黒の時代、海外からの衛星中継などなかった時代、新聞で読みましたよ。

日本での、人工衛星による初めての宇宙中継について調べてみたら1963年でした。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009030052_00000

放送期間:1963年

番組詳細
11月23日早朝、世界の放送史上画期的な実験、太平洋を越えたテレビの宇宙中継が行われた。午前5時28分、モニターテレビに史上初めて太平洋を越えてきた映像が鮮やかに映し出された。ところが、この歴史的な電波に乗って送られてきたのは、ケネディ大統領暗殺の悲報。中継のアナウンサーは「この電波でこのような悲しいニュースをお送りしなければならないのは誠に残念」とリポートし、衝撃は全国に広がった。

我が家でもね、白黒テレビの画面を見つめながら、初めての宇宙中継というものが始まるのを待っていました。そうしたらケネディ大統領の暗殺のニュースが入りまして、衝撃を受けました。記憶しています。

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