7月の気温など(東京)
気温
7月半ばごろまでは低温でした。半袖ポロシャツを着ていたら、腕が寒い感じで薄い長そでを羽織ってみたりもしました。
平年差
平年差で見ると歴然。
この「平年値からの差」のグラフ、長いこと縦軸は「-5℃~5℃」だったんです。上限を7℃に上げたのは去年2018年のこと。最高気温の平年差の移動平均が6℃を超えてしまって、変更した。
今年は最低気温の平年差の移動平均の値が、7/17に「-5.1℃」になってしまって、変更しました。で
「-6℃~7℃」になったというわけです。
振れ幅が大きくなってしまったのですね。単純に温暖化で気温が上昇する、というだけのことではない。気象現象の振れ幅が大きくなってきたのも、ある種の温暖化の現れでしょう。
下旬に入って、ぐんぐん上がり、猛暑日目前になってしまいました。
あ~きつい。
去年の7月は猛暑日が5回ありました。今年の7月は猛暑日なしで終わりました。
電気のメーターの検針があったのですが、7月の使用量は前年同期に比べて「1日当たり33%減」でした。エアコンを全然使わなかったせいです。冷房なんて考えもしない、むしろ暖房が必要かな、などと考える日々だったのです。
湿度
肌寒いほどの日々、午後3時の湿度はほとんど80%以上。ジトジトと湿っぽくてたまりませんでした。
月の末から気温が上がり始め、それに伴ってやっと湿度が下がり始めました。
8月はどうなるのでしょう?おだやかな夏であってほしいものです。
7.31
ヘリコプターからのサーモグラフィー画像。要するに赤外線画像を温度に対応させて色付けしたものです。
新宿。日没後も冷めないんですよ。建物が暖まりきっていますので、そうそう冷めるものではない。
東京湾に近い汐留は海水温が比較的低いので、気温も低い。そこから海風が北西へ流れるのですが、暑いビル群を通って練馬区の観測点の方へ流れていくので、東京では練馬が暑いことになっています。
この南東風がずっと北へ進むとどうなるか。関東平野の北側には山が連なっています。
山に風が当たれば上昇する。暑く湿った空気が上昇し、上空に寒気が入っていると、いったん上昇し始めた空気の上昇が止まらない。地表から上空まで通常の気温分布であって、乾燥した空気が上昇したのなら、上昇で膨張した空気は温度が下がり、やがて周囲との温度差がなくなって、上昇が止まる。こういう状態を「安定」といいます。外部からの擾乱に対して揺り戻しがきくのが「安定」。ところが、暑く湿った空気が膨張して冷えると水蒸気が液化します。液化の時に熱を出すし、周囲が寒気で冷たいとなれば、上昇が止まらなくなります。このように、一旦動き始めたら止まれなくなる、というのを「不安定」というのです。
気象予報士さんたちが「大気の状態が不安定」というのは、こういう状態を指しています。アナウンサーが「不安定な天気」と言ったりするのは「天気が変わりやすい」ということを指していて、気象用語ではありません。気象予報士さんの中には、ときどき「不安定な天気」と言ってしまう人もいますが、ちょっと原点に戻ってほしいな。
さて、上昇が止まらなくなった空気の塊りはどうなるのでしょう?
地表から1万mちょいまでの「対流圏」の天井まで行ってしまいます。そこから上は成層圏でさすがに上昇できません。
7.29
これ、上昇気流でできた積乱雲が成層圏にぶつかった写真です。
茨城・栃木・福島、3県の県境あたりの雲の凸凹が積乱雲の頭です。
というわけで、関東地方で、北の山地で積乱雲が発達して雷雨が始まるのは、昼の暑い空気が山にぶつかって上昇していくからなのです。
基本的なことなんですけどね。気象予報士さんも余分な情報を並べてないで、聞いてわかる気象学の基本を話すように心心がけてほしいものです。
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