ダマコもち 半殺し
前の記事で鬼の話が出ましたので、「鬼→なまはげ」という連想から思い出して「半殺し」の話を書きます。鬼を半殺しにしようなどという恐ろしい話ではありませんので安心してお読みください。
↓「なまはげ」などの来訪神行事がユネスコ無形文化遺産に登録されたときに新聞掲載された投書です。
(声)泣くごはいねぇが、祝・文化遺産(朝日新聞デジタル 2018年12月11日05時00分)
子供のころ、冬休みになると母の実家へ遊びに行きました。1月15日は小正月。青年団が「なまはげ」の扮装で「怠け者はいねぇーが」「泣くごはいねぇーが」と家々を練り歩き、お酒や料理でもてなすのです。子供は囲炉裏の隅っこに一塊となって正座してかしこまり、なまはげが帰ると「バンザイ」です。
男性は朝から地鶏をさばき、女性はダマコ餅を作ります。
・・・
秋田の方言で「だまける」というのは「丸める」という意味です。
炊きたてのご飯をつぶして、直径2cmくらいのご飯団子を作り、鶏肉、セリの鍋に入れて食べるんですね。頬が落ちるほどおいしいです。
このご飯団子を「丸める」のが「だまける」なので、「だまけた」「もち」でダマコ餅。
投書では、男性が鶏をさばき、女性がダマコ餅を作る、とありますが。
子どものころ、私の母の実家では、伯母が鶏を締めてさばき、子どもらがダマコ餅をだまけましたっけ。
昼間に庭を走っていた鶏が夜には鍋になるのですが、別に気にもしなかったな。さばくところも見てましたが、鮮やかな手さばきでしたね。
★さて「半殺し」
炊きたてのご飯はそのままでは「だまけ」られない。すり鉢で潰すのですけれど、餅つきのように完全につぶしてしまってはおいしくない。適当に粒を残してつぶします。これが「半殺し」です。
この状態のものを竹串に巻いて、いろりで焼けば「きりたんぽ」ですが、だまけるのがダマコ餅。
大人が炊きたてのご飯をすり鉢に入れてくれて、半殺しにしてくれ、といわれて子どもたちでつぶす。
そうすると、大人がそのつぶしたご飯を適当な大きさにわけてくれます。
子どもらは、塩水の入ったボウルをそばにおいて、べたつかないように塩水で手のひらを濡らしながらだまこをつくる。
そうして、夕飯になるわけで。
ものも言わずに食いつきましたね。
投書では小正月の話になっていますが。新米の時期にも作りましたね。草の香りがするような新米で作るダマコ餅のおいしさといったらもう、筆舌に尽くしがたい。
鬼の話から、半殺しの話になりました。笑ってください。
↓レシピなど
https://cookpad.com/recipe/4758508
新米を買ったら★だまこもち鍋★
https://www.akita-yulala.jp/selection/5000011061
秋田市観光・イベント情報総合サイト「アキタッチ+(プラス)」
丸い姿が可愛らしい だまこ鍋
1. ご飯を少々硬めに炊き、すりこぎで突いて半殺しにする。
約5割方突き、粘り気がでてきたらOK。
2. 桶に水を用意し、手に水をつけながらご飯が熱いうちにだまける。
3. 素早く硬めにだまける。
大きさにもよるが、だまこは5~6個でご飯3杯分に相当。
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