10月23日は「化学の日」
http://www.chemistry.or.jp/kagakunohi/2014/09/1023.html
10月23日は「化学の日」
日本化学会,化学工学会,日本化学工業協会(日化協),新化学技術推進協会(JACI)の4団体が,毎年10月23日を「化学の日」,その日を含む月曜日から日曜日までの1週間を「化学週間」として制定しました。アボガドロ定数 <6.02×1023 mol−1 >にちなんだものです。各種イベントに使う缶バッジのデザインもできました。この産学官一体となった化学の普及活動が国民的イベントとなるよう,会員の皆さんこぞっての参加を呼びかけたいと思います。化学の市民権向上に向けて。
< >の中は
こうです。10^23から、10月23日になったわけですが。
後ろに「mol^(-1)」がついているのが目新しくないですか?「10^23 /mol」ということです。
で、これが「アボガドロ定数」の表記です。
高校化学では「アボガドロ数」と習ったのではないでしょうか。現在は「定数」であって、単位がありまして、それが「 /mol」なのです。ここでは深入りしません。
ここでちょっとお話したいのは「物質量」という言葉。
Wikiによると
物質量(ぶっしつりょう、英語: amount of substance)は、物質の量を表す物理量のひとつである。
要領を得ませんね。
「もののりょう」というと、質量(感覚的には重さ)とか体積ですよね。
肉の値段は、g(グラム)で測られる質量で「肉の量」を測っているんですよね。
兄弟でジュースを公平に分けたい。弟としては兄ちゃんに余分に取られては嫌なので、並べたコップの液面を横から眺めて同じ高さになるように監視しますよね。これは体積で「ジュースの量」を見ている。
私が授業でよくやった話を簡単にご紹介します。
ある幼稚園の運動会で、園児がお相撲さんと1対1で手を繋いでダンスを踊る企画を立てた。
園児の平均的な体重を40kgくらいとしましょうか。園児40人がそのダンスに参加する予定。
依頼を受けた相撲部屋では、40kg×40人=1600kgか、160kgのお相撲さんを10人送れば「重さが釣り合うな」と考えて10人のお相撲さんを派遣した。
1対1で手を繋いだら、園児10人は手を繋げたけれど、あと30人は相手がいなくて大泣きになった。
と、こういう話です。
確かに重さは釣り合いましたが、ここで重要なのは「人数」ですよね。
園児40人には、お相撲さん40人で「ちょうど釣り合う」のですね。
実は化学反応はこれに似たもの。
水はH2O。水素原子2個と酸素原子1個で釣り合いが取れるわけです。
質量比だと水素:酸素が1:8になります。質量が等しくても化学反応では釣り合いは取れていない。
原子が1:2の個数で釣り合うのなら、100個と200個でもいいし、1兆個と2兆個でもいいのです。
人間のスケールでは、6千垓位の集団で扱うと扱いやすいので、そういうスケールの数を定めたのです。
化学では、原子・分子の「個数」が重要なのです。そこで「個数」を「ものの量」として導入したのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%B3%AA%E9%87%8F
物質量
粒子の個数と物質量
日常的には、物質の量は「2リットルの水」のように体積で表すか、「5キログラムの食塩」のように質量で表すことが多い。しかし、目に見える大きさの物質は、原子、分子、イオンなどの目に見えないほど小さな粒子(これらの粒子やこれら粒子の組み合わせを物質の要素粒子という)から構成されていて、不連続構造をもつ。そのため、物質の量を、物質を構成する要素粒子の数で表すことも可能である。目に見えるか見えないかくらいの少量の物質でも莫大な数の要素粒子からできているので、要素粒子の個数そのものではなく、要素粒子の個数を非常に大きな定数で割ったもので物質の量を表す[6]。この大きな定数をアボガドロ定数といい、要素粒子の個数をアボガドロ定数で割ったものを物質量という。アボガドロ定数は物質の種類や温度、圧力などにはよらない定数なので、要素粒子の個数と同様に物質量でも物質の量を表すことができる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9C%E3%82%AC%E3%83%89%E3%83%AD%E5%AE%9A%E6%95%B0
アボガドロ定数
アボガドロ定数は、ある物質 1 mol の中に含まれている要素粒子(elementary entities)の総数であり、正確に質量 0.012 kg(12 g)の炭素12(12C)の中に含まれている原子の総数で定義される。
2014CODATA推奨値は NA = 6.022140857(74)×10^23 mol−1 である[1]。
もともとの定義は上の通りでして、理科年表などにもこの数値が掲載されています。高校化学でもこの定義を話すはずです。
ですが
2019年に予定されている国際単位系(SI)の改定では、物質量モル (mol) は、アボガドロ定数によって定義されることになる。従来は「12グラムの炭素12の中に存在する原子の数に等しい数の要素粒子を含む系の物質量」であったが、アボガドロ定数の測定精度が向上したことで、アボガドロ定数そのものからモルを定義するように改定される。現行のモルの定義は質量の定義に依存しているが、新しい定義ではこの依存関係はなくなる。逆に「炭素12を1モル集めた質量」は12グラムからわずかにずれることになる。
新SIにおけるアボガドロ定数の値は、正確に 6.02214076×10^23 mol^−1 である[5]。2018年11月の国際度量衡総会で決議され、2019年5月20日に発効される予定である。
ということで、変更されるようです。
↓これもどうぞ。
http://www.chemistry.or.jp/kagakunohi/2014/10/602-1023-mol1.html
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