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2018年9月 7日 (金)

北海道胆振東部地震に寄せて

★昨日の北海道胆振東部地震で北海道全域で停電が起こりました。これに関して、各報道機関で解説がなされ「周波数」の維持についていろいろな譬えなどで解説がなされています。

↓今朝の朝日新聞朝刊の一部引用

(時時刻刻)最大火力停止、停電ドミノ 北海道地震(2018年9月7日05時00分)
・・・
 電気はためることができないため、必要な分だけを発電所で出力を細かく調整しながら供給する。そのバランスをみるための指標が「周波数」だ。発電機の回転速度にあたる。
 電気の供給が増えると周波数は高くなり、需要が増えると周波数は低くなる。北海道を含む東日本では周波数を常に50ヘルツになるように制御している。
 しかし、需要と供給のバランスが急激に崩れて周波数が乱れると、タービンの故障やシステムの異常が起こりやすくなる。これを避けるため、電力の供給を自動的に遮断する仕組みが元々備わっている。
 大阪電気通信大の伊与田功教授(電力系統工学)は「北海道各地で電気の遮断がドミノ倒しのようにいっせいに起き、すべての発電機が電気系統から離れて広域で停電する『ブラックアウト(全系崩壊)』が起きた」と話す。
・・・

★発電所はどうやって電力需要を知ることができるのか?
発電機にかかる「負荷」で知るのです。負荷がかかれば回転数が落ちそうになる。負荷というのはエネルギー要求ですから、そうなったら発電機に送り込むエネルギーを増やす必要がある。発電機に送り込むエネルギーは水蒸気ですね。ですから送り込む水蒸気量を増やして回転数が維持されるようにするのです。需要が減れば逆のことをして回転数を維持する。

こういう話を、私は以前書いたことがあるのです。
↓2011年3月の東日本大震災後のことでした。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-8bcc.html  から。
2011年3月15日 (火) 計画停電

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-2e14.html
2011年4月18日 (月) 周波数

↑この2本です。是非お読みください。ここではあまり蒸し返しません。

「計画停電」の記事から引用

●さて、4月9日の毎日新聞にこんな記事を見つけました。

福島第1原発:鉄鋼メーカー、自前火力発電で供給に貢献 
 ・・・(前略)
 「おかしいぞ」。JFEスチール東日本製鉄所千葉地区(千葉市中央区)の藤井エネルギー部長らは震災発生の直後、異変に気づいた。大きな揺れは収まったが、送電線を流れる電気の周波数が通常の50ヘルツから49ヘルツに下がっていた。東電が無傷の発電所をフル稼働させるまでの数分間、低下が続いた。
 「07年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が停止した時も周波数の低下はあったが、わずか数秒だった。大規模な電力不足が起きているとすぐにわかった」
 工場内には、自前の火力発電所が二つある。一方は製鉄工程に電力を供給し、もう一方は東電に電気を売る「売電」専用。同社は「電力卸売事業者」でもある。売電用は普段、平日の日中12時間のみ動かしている。
 異常を察知した藤井さんらは即座に「売電量を3倍に増やす」と東電に申し入れ、震災の日の夜には了解を得て休日を含め24時間フル稼働させることにした。各部門の社員を再編成して売電部門の人員を25%増やし、3交代の勤務シフトを作成。設備がフル稼働に耐えられるかどうか確認したうえで、翌12日昼から現在まで能力の限界に近い38万キロワットの電力を供給し続けている。
 ・・・(後略)
毎日新聞 2011年4月9日 13時42分(最終更新 4月9日 14時35分)

1ヘルツの低下を現場では気づいていたというのですね。
電力供給における周波数の変動というものがいかに大事なのかを伝えています。

また、周波数が正確に維持されるということを利用した時計の話もしています。
ブログ記事中からリンク・引用している話があるのですが、そのリンクは切れていますので、ここで引用部分を再現します。

 さて、電源周波数同期式交流時計は嘗てはモータ式や電子回路式など色々と発売されていましたが、現在はデジタルLED表示のものが数機種しかないようです。交流時計は数秒オーダーで進んだり遅れたりを繰り返しますので、電波時計のように常にキッチリと秒まで正確というわけではありませんが、自分の経験上、数ヶ月のスパンでも±10秒以内の誤差に収まっていることが殆どで、クオーツ時計のようにある一定の割合で誤差が発生して(特に電波時計はクオーツ精度のみで使用することを前提としていないので、電波受信機能のない時計よりもクオーツ精度は悪いです)、気が付いたら数分も狂っていたなどということがないので、細かいことを気にしなければ時間合わせの手間いらずで非常に便利だと思います。これは、交流電気時計自体が高精度に作られているということではなく、電源周波数が非常に正確に管理されているのでそれに同期する時計も結果的に正確になるというわけです。しかし、交流式の難点は停電があると時間がリセットされてしまうことと、時計用にコンセントが一つ占有されてしまうことで、何処にでも持っていける電池式とは違って使い勝手は多少悪くなります。

現在、私共が起床に使っているラジオもこの周波数カウンター方式です。その結果

 今回の大地震の後しばらく、この目覚まし時計が不安定になっている感じはしました。
停電対策として、携帯電話の目覚まし機能と並行して使っていましたが、目覚まし時計の鳴る時刻と、携帯のタイマーが鳴る時刻が、近づいたり遠くなったりしていました。
ひょっとして、交流電源の周波数が揺らいでいるのかな、とは思っておりました。
 最近は二種の音の鳴る間隔は安定しているようです。
電力事情が安定しているという印ですね。
こんな所からも、電力事情や電力会社の仕事などが見えるものなのです。
理論を知るって、実に面白いものなんですよ。

ブログ記事中にも書き込んであるのですが、こういう事を知ったのは工業高校に勤務していて電子科の先生といろいろ議論している中で教わったのです。工業高校って面白かったなぁ。「もの」や「わざ」に近接したところで行う物理・化学の授業はものすごく面白かったですよ。

★北海道の地震に被災された方々には、どうかお元気で復興への歩みを踏み出していただけますよう。心からお祈りいたします。子どもたちや青少年の力を引き出してください。高校生のパワーはすごいのです。避難所などでも、中高生を組織化して仕事をやらせてください。持ち場を与えられた子どもたちは大人を支えてくれると思います。

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