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2018年8月28日 (火)

フェーン現象

8月23日の出来事です。

北陸で記録的な暑さ 新潟県内3カ所で40度超え観測(朝日新聞デジタル 2018年8月23日17時27分)
 高気圧に覆われた北陸地方周辺で23日、記録的な暑さとなった。気象庁によると、最高気温は新潟県の胎内市で40・8度、三条市で40・4度、上越市で40・0度を観測。新潟県で気温が40度以上になるのは観測史上初めて。
 新潟県や北陸地方の日本海側では太平洋高気圧が強く張り出し、台風20号の影響もあって南風が入り込んだ。一部では山を越えて暖かく乾いた風が吹くフェーン現象も起きたとみられる。新潟県では29の観測地点のうち13地点で観測史上最高気温を記録。石川県でもかほく市で39・2度、志賀町で39・1度まで上昇した。

今夏はなんだかすごいことになっています。

★「フェーン現象」について、何かわかりやすい解説はかけないかな、と考えていまして。
分かりやすいかどうかは分かりませんが、普段の解説などではあまり聞かないポイントを取り上げてみましょう。

↓これは、当日の東京の気象データからの抜粋。
東京 2018年8月23日
    気温    蒸気圧  相対湿度    風向
1   27.4    31.4        86      南南西
2   27.0    31.4        88      南
3   27.1    31.6        88      南
4   26.8    31.4        89      南南西
5   26.3    31.8        93      南
6   26.4    32.4        94      南南東
7   28.1    32.3        85      南南西
8   30.2    31.3        73      南南東
9   30.6    32.1        73      南東
10  32.0    31.4        66      南南東
11  32.8    32.4        65      南東
12  31.7    30.9        66      南東
13  31.9    32.2        68      南南東
14  31.4    32.2        70      南東
15  30.7    31.8        72      南南東
16  30.8    32.0        72      南東
17  30.6    31.6        72      南南東
18  29.9    31.2        74      南南東
19  29.5    31.3        76      南東
20  29.0    32.5        81      南東
21  29.0    31.7        79      南東
22  28.9    31.9        80      南南東
23  28.7    31.9        81      南南東
24  28.9    31.1        78      南南東

「相対湿度」とあるのが、通常「湿度」といっているものです。
ある気温で空気がその温度で含みうる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)に対する、現存している水蒸気量の割合を%で示したものです。
気温が上がれば飽和水蒸気量は増えますので、現存する水蒸気量が変化しなくても相対湿度は下がります。
朝6時、26.4℃で94%だったのが、11時に32.8℃になって65%。気温の上昇と共に相対湿度が下がっています。
ところであまり聞かない言葉かもしれませんが、「蒸気圧」という項目があります。
この値は一日中 31~32 くらいであまり変化していません。この数値の単位は圧力ですので「hPa」です。
高校で化学を学んだ方は思い出してください。「分圧」というやつです。ここではもう蒸し返しませんが。
ここでの蒸気圧は水蒸気の分圧で、そこに存在する水蒸気の量の目安となります。
つまり、東京では一日中、大気中の水蒸気量は大きな変化はしなかった、ということです。
20180823tokyo
変なグラフです。
蒸気圧を読むときには左目盛りで数値をhPaで読みます
相対湿度も左目盛りで読んでください、但し、数値を%で読みます。
気温は右目盛りで読みます。
数値より、グラフの形を読み取ってください。気温が上がると相対湿度は下がる。蒸気圧は変わらないのに。と。

★さて、フェーン現象の話に行きましょう。大雑把な話です、その辺はご容赦を。
東京の風向は南東から南南東ですね。
その風が関東地方の北の山を越えて、日本海側へ吹いていった、と思われます。
この山越えがフェーン現象の核心部分です。
20180823_1230wind
12時半ころにダウンロードした風のデータです。
台風が二つ。ちょっと薄いのですが、東京のあたりから佐渡・能登半島あたりへ風がぬけているのがわかります。
観測点のデータの都合で、新潟市のデータを使います。東京から新潟市へ吹いていったかどうかは知りませんが、大きな誤りはないでしょう。

新潟 2018年8月23日
    気温    蒸気圧  相対湿度    風向
1   28.5    29.2        75      南南東
2   27.8    28.8        77      南南東
3   26.5    29.4        85      南
4   28.0    28.0        74      東南東
5   27.7    28.6        77      東北東
6   27.7    30.8        83      静穏
7   29.8    29.0        69      南南東
8   31.5    28.7        62      南東
9   34.2    28.5        53      東
10  35.3    28.0        49      東南東
11  37.1    24.0        38      南東
12  38.4    24.4        36      東南東
13  39.3    23.5        33      南東
14  39.6    21.0        29      東南東
15  39.0    22.4        32      南東
16  38.0    25.2        38      南東
17  36.4    24.3        40      南東
18  35.1    24.3        43      南東
19  33.4    24.2        47      南東
20  32.1    26.3        55      南東
21  31.1    26.7        59      南東
22  30.6    26.8        61      南東
23  30.6    26.4        60      南東
24  30.5    26.2        60      南東

相対湿度も気温の上昇と共に減少しますが、注目は水蒸気圧。
東京の方ではほとんど変化がなかったものが、新潟ではどうか。
朝、約30hPaくらいあったものが、14時には21hPaまで下がっています。
相対的なことではなく、水蒸気量そのものが減っている。
水蒸気が減るというのはどういうことか。

関東側から風が山を登るとき、高度が上がると一定の割合で空気の温度は下がります。相対湿度は上がります。
もし山頂まで登った時点で、相対湿度が100%に達していなければ、何もなく山越えして山を下り、一定の割合で温度が上がり、出発時の温度に戻って平野に吹き下ろします。

もし、風が山を登っている途中で相対湿度が100%になってしまったらどうなるでしょう。そこより上では水蒸気が気体でいられなくなって液体になります。雲をつくったり、雨を降らせたり。気体が液体になる時、凝縮熱といいますが、熱を出します。熱が出るせいで、空気の温度が下がりにくくなります。雲をつくらなかったときに比べて、山頂での気温は高くなる。そこから同じ一定の割合で温度が上昇しながら山を下ると、平野に降りた時には、出発時より気温が上がってしまいます。

「水蒸気を失い、気温が上がる」。
フェーン現象のことがテレビなどで話題になると、「湿った空気が山を越えてフェーン現象によって乾燥した高温の風になる」と解説しますが、その仕組みはこういうことだったのですね。

風が山越えして高温になる。温度が上がったのですから熱源があるはず。
そのエネルギー源は何か?水蒸気が液体の水になるという相変化のエネルギーなのです。

逆にいって、水蒸気はどうして生成したか。液体の水(海水でもなんでも)が太陽エネルギーで暖められて蒸発して気体になったのですね。
フェーン現象のエネルギー源は元をたどれば太陽エネルギーなのです。
ま、こんな考え方もあるんだな、と思っていただければ幸いです。

★ところで、上の表をグラフ化してみました。
20180823niigatatokyo
通常、文字による表を、グラフ化して視覚化するとわかりやすくなることが多いのですが。
なんだか、よくわからないグラフができました。本当にそうかな。
新潟で、水蒸気量の少ない高温の風が吹いたことはよくわかりますが。
東京の方は水蒸気量が一定であることがわかるくらいで、情報がわかりやすいとも思えないのですけど。
上でごちゃごちゃ書いたことを、このグラフを見ながらもう一回考えてみてください。

↓参考
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/kukichunosuijoki.htm
第6章 空気中の水蒸気

↓オマケ

関東甲信・東海・北陸、史上最も暑い夏 気象庁発表、22日現在(朝日新聞デジタル 2018年8月25日05時00分)
 気象庁は24日、6~8月の平均気温(8月22日時点)について、東日本(関東甲信、東海、北陸)では平年値を1・6度上回り、統計を取り始めた1946年以降、最も高くなっていると発表した。西日本(近畿、中国、四国、九州)でも1・1度高く、過去2番目に並ぶ高さ。
 ・・・
 6~8月の平均気温がこれまで最も高かったのは、東日本では平年値より1・5度高かった10年、西日本では1・2度高かった13年だった。今夏は太平洋高気圧の張り出しが強く、偏西風が蛇行し、本州付近が暖かい空気に覆われたことが影響したとみられる。
 同庁の担当者は「東日本はこのまま推移すれば、過去最も気温が高い夏になる」と話した。

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