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2018年8月27日 (月)

飛んで火にいる夏の虫

前の記事中の引用でアオドウガネが「灯火にもよく飛んでくる」という記述がありました。
また朝日新聞1面の連載で「しつもん!ドラえもん」というのがあるのですが、8/4の「なつのことば編」というのに
「飛んで火にいる夏の虫」が載っていました。

 みずから進んで災いに関わってしまうことをさすんだ。夏の虫が明るさに誘われて火の中に飛びこんでしまう様子にたとえているよ。

まあね、「明るさに誘われて火の中に飛び込んでしまう」というのは、出来事としてはそうではあるのですが・・・。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AC
ヒトリガ(火取蛾、燈取蛾、灯取蛾、火盗蛾、灯盗蛾) Arctia caja はチョウ目ヒトリガ科に属すガの一種である。

成虫は他の多くのガ同様夜行性であり、光源の周囲を渦を描くように飛びまわる走光性を持つ。この習性は特に本種に限ったものではなく、他のガや昆虫で普遍的に見られるのだが、特に本種において目立つ。光源がたき火など直火の場合、最終的にはに火に飛び込んで自ら焼け死ぬ結果となり、和名のヒトリガもここに由来する。また自らを滅ぼすような禍の中に進んで身を投じたり、みすみす敵の餌食になる行為を指す飛んで火に入る夏の虫ということわざも、本種のようなガが見せるこうした習性から生まれたものである。

ここでは「光源の周囲を渦を描くように飛びまわる走光性」「他のガや昆虫で普遍的に見られる」「最終的にはに火に飛び込んで自ら焼け死ぬ結果」と記述しています。

私のブログで10年ほど前に書いたことがあるのですが、この習性は「火(光源)に向かって飛んで来る」のではなく、「光源を見込む角度を一定に保つと螺旋を描いて光源に向かうことになる」という出来事なのです。
下にリンクを貼りますが、そこで私はこう書きました。

おそらく、月夜に飛ぶ時に、月を見込む角度が一定であるように飛べば水平に飛べるのです。カブトムシなどもきっとそうでしょう。
地上でいくら飛んでも、月の角度が変わるわけじゃないですからね。

月は事実上無限遠にありますので、月を見込む角度を一定に保って飛行すれば昆虫は一定の高度で水平飛行ができるわけです。
見晴らしのよい地域を走る列車から外を見ていると、近景はどんどん後ろに飛び去りますが、遠景はまるで自分についてくるように見える。これと同じことです。
もし、夜間に地上に明るい光源があれば、昆虫はそれに対して見込む角度を一定に保って飛ぼうとするでしょう。そうすると地上の光源は無限遠じゃないですから、その光源に向かう等角螺旋を描いて光源に近づいてしまうのです。

詳しくは↓下のリンク先をお読みください。プログラムで曲線を描いてあります。どうぞ。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_b0d1.html
2008年8月28日 (木) 巻き貝シミュレーション
「対数ラセン」(「等角ラセン」)

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_9af9.html
2008年8月28日 (木) 等角ラセン

蛾の飛跡がこの曲線になるのですね。
蛾は、灯火を見込む角度を一定に保ちながら飛行するのです。そうすると自然にこのラセンを描くことになります。
別な言い方をすると
ラセンの中心から直線を引き、ラセンと交わった点で接線を引きます。すると、曲線上のどこであっても、中心からの線と、接線のなす角度が一定なのです。
ですから「等角」ラセンなのですね。
蛾の場合、別に灯火に飛び込むことが本来の目的で、灯火を見込む角度が一定の飛び方をするのではないでしょう。
おそらく、月夜に飛ぶ時に、月を見込む角度が一定であるように飛べば水平に飛べるのです。カブトムシなどもきっとそうでしょう。
地上でいくら飛んでも、月の角度が変わるわけじゃないですからね。
そういう性質があだとなって、人間が火を灯すと、そこへ飛び込んでしまわざるを得なかったのでしょう。かわいそうなことです。
「飛んで火に入る夏の虫」というのはみんな等角ラセンを描くのだと思います。

★「飛んで火にいる夏の虫」というと、速水御舟の「炎舞」という絵が有名ですね。
山種美術館にあります。高校生の頃、都内のいろんな美術館・博物館に行きましたが、山種美術館も行ったことがあります。落ち着いた雰囲気の素敵な美術館でしたね。

http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html

作者  速水御舟
作品名 『炎舞』 重要文化財
制作年 1925(大正14)

[作品解説]
《炎舞》は昭和52(1977)年に重要文化財に指定され、御舟の最高傑作として、また近代日本画史上における傑作としても評価の高い作品である。
作品の制作にあたっては、大正14(1925)年の7月から9月にかけて約3ヶ月間家族と共に滞在した軽井沢での取材をもとにしている。毎晩、焚き火をたき、そこに群がる蛾を写生したり、採集した蛾を室内で写生したという。蛾に関しては克明な写生がいまも残されている。

美術作品に難癖をつけてはいけないでしょうけれど、「採集した蛾を室内で写生した」とありますが、絵の中の蛾は、翅を広げた状態で写生した蛾ばかりですね。生きたい、でも本能としては火に近づかざるを得ない、その葛藤の中で激しくはばたく苦悩の切迫感は私には感じられません。炎との関係の「妖しさ」が人の心を惹くのでしょうけれど。

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