「りゅうぐう」の季節
7月19日のニュース。
小惑星「リュウグウ」 地表の温度は摂氏30~100度ほど(NHK 2018年7月19日 15時15分)
目標の小惑星に到着し、観測を開始した日本の探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」の姿を少しずつ明らかにし始めました。地表の温度は摂氏30度から100度ほどで、15か月余りで季節がめぐることがわかり、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、秋に予定される着陸に向けて、さらに細かい観測を進める予定です。
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また、自転の軸が太陽に対してわずかに傾いているため、それぞれの場所に夏の期間と冬の期間が存在し、15か月余りで季節がめぐります。
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このニュース自体は多くの報道機関も報じましたが、「りゅうぐうに季節がある」ということを報じたのは、NHKを含めて2,3の報道機関だけだったようです。
上の引用文にあるように「自転の軸が太陽に対してわずかに傾いている」ということが大事なのです。
小惑星とはいえ、惑星には違いない。自転軸が傾いていれば、「solstice:至」と「equinox:分」が生じることは必然。もし仮に「りゅうぐう星人」がいて「90度区切りでは粗い。45度区切りにしよう」などと考えたら「二至二分四立」ができるわけですね。
二至二分四立とか二十四節気が古い暦だとか、人間の文化に固有のものだ、とは思わないでください。
惑星が主星の周りを公転する時の、位置の目印、という天文学的な事実なのです。くれぐれも「名前」にとらわれ過ぎないように。
それを含む日を「大暑」と名付けているわけですね。
春分から「120度日」でもいいのです。
夏至を過ぎ、立秋(135度日)まであと15度の日に何と名前を付けようか。「暑い日」と名付けよう、ということですね。
決して「一年で一番暑いとされる日」ではありません。
きっと今日のニュースでは「一年で一番暑いとされる大暑という名前のように今日は暑い日でした」と皆さんがおっしゃるんでしょうね。
名前は「りゅうぐう星人」につけてもらいましょう。
この問題に突き当たったのは、「カッシーニの土星探査」についての記事を読んでのことでした。
↓ここです。ぜひお読みください。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-cccf.html
2017年12月22日 (金) 冬至の日に
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そうか、自転軸が傾いた惑星にはすべて「二至二分」があるんだ。それはそうだが、気づいていなかったなぁ。
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横倒しになった天王星でも、二至二分はあります。
水星、木星、金星では自転軸がほぼ垂直なので、二至二分はほぼないと考えていいです。公転周期の間中、ほぼ赤道上に太陽がありますので。
マイッタナ。そうだったか。思慮不足だった。
「二至二分」を旧暦に属する「古い暦上のできごと」なんて思わないでくださいね。宇宙的・天文学的な出来事なのですから。・・・
土星人がいれば四季の変化を感じることができるんです。二至二分をさらに半分に分割して「四立」だって作れますよ。
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