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2018年6月13日 (水)

酸素に引火???

★勘弁してほしいのです、元化学教師としては、がっかりです。こういう見出し。
「実験中に酸素に引火 名古屋大工学部」(朝日新聞デジタル 2018年6月5日13時16分)

実験中に酸素に引火して火があがり、壁の一部を焼いた。

酸素に引火なんてしません。っって、もう、小学校以来の理科を勉強しませんでしたか?
酸素は助燃性(支燃性)の気体である、自燃性はない、と。

4時間後の記事
「実験でぼや 名古屋大工学部 けが人なし」(朝日新聞デジタル 2018年6月5日17時20分)

 出火したのは9階のボンベ室。実験中に火があがり、壁の一部を焼いた。

さすがに、マズイ、と思ったかな。最初から気づいていればよかったのにね。
お~ハズカシイ。

★実は4月30日にも。
0430_25sansoinka 2018.4.30
TBSのニュース画面です。死亡事故ですので、あまり取り上げたくなかったので今まで書きませんでした。
内容は

佐賀・武雄の製鉄工場で爆発 2人死傷、酸素ガスに引火か
 ・・・警察などが漏れた酸素ガスに引火した疑いがあるとみて、当時の状況を調べています。
・・・
 工場の関係者によりますと、地下の機械室には鉄を溶かすために使われる酸素ガスの配管があり、何らかの原因でガスが漏れ、引火した疑いがあるということです。警察などが30日朝から実況見分して、当時の詳しい状況を調べています。

電気炉で酸素ガスを使うのは当たり前。酸素が燃えるわけがないでしょ。高濃度酸素ガスに高温の鉄ですからね、火花が飛んだとか、可燃物が混入したとか。普段なら燃えるとも思えないようなものが、高濃度の酸素ガス下では爆発的に燃えるんです。

この時の朝日新聞は、酸素が燃えたという表現はしていない。

 同社によると、佐賀工場では鉄くずを溶かし、鉄筋の素材をつくっている。地下室には鉄を溶かす電気炉に酸素を送るためのゴムホースなどがあった。

こう書いています。

NHK佐賀のニュースでは

武雄の製鉄工場で爆発 1人死亡(04月30日 11時54分)
 ・・・
 爆発が起きた地下には、電気炉に酸素を送るためのホースなどがあったということで、警察はホースから酸素が漏れ出し、何らかの理由で爆発が起きたとみて、午前中から現場検証をするとともに、会社から話を聞くなどして当時の詳しい状況や事故の原因を調べています。

酸素が燃えたとは書きませんでした。

日経新聞では「酸素に引火」したそうです。

 製鋼所で爆発 1人死亡 佐賀、酸素に引火か
 ・・・
 県警によると、死亡した作業員は、地下から煙のようなものが出たため確認に行き、爆発に巻き込まれた。地下の機械室には、1階の電気炉に酸素を送るホースが通っており、何らかの原因で漏れた酸素に引火したとみられる。

 マスコミの自然科学レベルはそう高くはない。批判的に読んでください。「ん?ホントかな?」と疑いながら読み・聞いた方がいいですよ。
批判というのは「けなす」「非難する」ことではありません。
きちんと細部にわたって吟味・検討して分析、「評価」することです。
「評価」も高く褒めることではありません。

ひ‐はん【批判】
(criticism イギリス・Kritik ドイツ)
①物事の真偽や善悪を批評し判定すること。ひばん。
②人物・行為・判断・学説・作品などの価値・能力・正当性・妥当性などを評価すること。否定的内容のものをいう場合が多い。哲学では、特に認識能力の吟味を意味することがある。「強い―を浴びる」
広辞苑第六版より引用

ひはん‐しゅぎ【批判主義】
(Kritizismus ドイツ)
①批判の精神をもって独断を排する思想態度。批評主義。
②人間の認識の可能性の条件、認識能力の超越論的吟味、すなわち認識批判を中心課題とする哲学上の立場。カントおよびカント学派の哲学。
広辞苑第六版より引用

日本ではどうも、批判というとネガティブにとられがちで、健全な批判精神が育っていませんね。悲しい。

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