春霞
2018.3.27
妻が「春霞の写真を撮ってきた」と笑っています。
写っているのは川の向こうのマンションの霞んだ姿。晴れていれば見えるかもしれない丹沢や富士山は見えません。
それだけなんですけど。実は、妻の発言には「夫婦の歴史」というものが刻まれているのです。
1968年、20歳の夏、私も妻もそれぞれに北海道を旅行していました。
摩周湖を見に行った私。ものすごい霧で何にも見えなかった。1966年ですか布施明さんの「霧の摩周湖」という歌がヒットしましたから、残念。旅程など何もない旅行でしたので、翌日もう一回摩周湖へ行きました。その時、私は「将来の妻」との出会いを果たしたのでした。すごいでしょ。
「霧の摩周湖」ではなく「摩周湖の霧」が私共を引き合わせたのでした。
さて、東京に戻って、旅行中の写真をDPEに出したのですが。写真屋さんが失敗作とみなして焼いてくれなかったのです。「これは意図的に霧を撮影したのです、っ」と説明して、灰色一色のポジを得た。
後に「これが摩周湖の霧だ」と妻にも見せて笑い合いました。
そういう経緯を踏んで、妻は「春霞に霞む景色の写真」ではなく「春霞の写真」と言ったのです。
夫婦にはそれぞれの夫婦の歴史がある。そういうことなのです。
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