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2018年4月16日 (月)

ムラサキツユクサ

0327_18murasakituyukusa 2018.3.27
ムラサキツユクサのつぼみです。
つぼみを挟んで「両手を開く」ように花葉が広がる。独特の姿です。
多分我が家が震源地だと思うのですが、近所にムラサキツユクサが増えたなぁ、と感じます。きれいな紫色の花ですから、みなさん排除しないで見て下さっているようで、有難いことです。

0330_15murasakituyukusa 3.30
咲き始めました。

0331_17murasakituyukusa 3.31
花の中。オシベの毛の細胞の連なりが写っています。
写真に撮れるような大きさの細胞ですから、相当に大きい。

★ムラサキツユクサのオシベの毛の細胞を対象とした「原形質流動」の観察は高校生物の定番ですね。
このブログでも何回か触れています。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_01b9.html
2008年4月21日 (月) ムラサキツユクサ

「何でわざわざエネルギーを消費しながら原形質を流す必要があるのだろう?」

私の仮定はこうです。
 先端のまだ小さくて丸い細胞が大きく成長して成熟するには、エネルギーや物質が必要です。ところが、細胞は一列に並んでおり、その列の脇から「循環系」のようなシステムでエネルギーや物質を供給することができません。酸素は周りから溶け込んできて拡散してくるとは思いますが、エネルギーを生産するにはグルコースが必要です。そういう、若い細胞が必要としている物質を根本の方の細胞から、順送りに先端方向へ送っているのではないか?そのために、原形質を「激しく」まわして、隣の細胞へ「細胞間の結合」を通して輸送しているのではないか?

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-01b9.html
2016年7月 1日 (金) ムラサキツユクサ

節間が一つの細胞です。大型ですね。
根元の方の細胞が長くて、先端部の細胞は丸い。
先端部近くの細胞もだんだん長く成長していきます。
成長のためには栄養がいるんじゃない?
根元の方から栄養が先端方向へ送られているはずですよね。
どうやって?
維管束はないですよ。
おそらく細胞同士の「結合」通じて栄養を送るのでしょう。(これは私個人の推測。)
そのために、原形質を流動させる必要がある。原形質流動ですね。
成長のためですから、ATPを使ってエネルギー消費しながらでも、栄養は送らなければならない。
昔、思ったんです。「原形質流動って何のために行うのかな?」
ただ細胞の中をかきまわすだけのためにエネルギーを消費するのはもったいない気がしました。
おそらく、毛全体の成長のためだろう、と私なりの解釈に至りました。

★今年の読書に、納得!
「生きものは円柱形」本川達雄 著、NHK出版新書540、2018年1月10日 第1刷発行
本川さんは私と同い年の生物学者。歌う生物学者としても有名です。
この本から引用します。
152ページ

 植物細胞は動物細胞よりずっと大きく、体積が10~100倍もあります。植物では、細胞は分裂した後に体積が何十倍にも大きく成長します。動物細胞では、ふつうはこれほどの成長は起きません。成長しきった植物細胞を顕微鏡で見ると、細胞の中央部は大きな液胞で占められており、細胞質はごく細い糸のようになって壁のへりに押しつけられている感じに見えます。

156~157ページ

 動物細胞が小さいのには、それなりの意味があるようです。細胞が生きていくためには、酸素や栄養物が細胞のすみずみまでいきわたる必要があります。・・・
 植物の場合には特別な輸送系があり、細胞の中味が流動してぐるぐる回っているのが顕微鏡で観察できます。これが原形質流動です。これには、私たちの筋肉で働いているのと同じタンパク質(アクチンやミオシン)がかかわっており、輸送にはエネルギーが必要です。
 動物細胞はこのような輸送系をもっていません。細胞のサイズが小さければ、特別な輸送系は必要ないからです。酸素であれグルコースなどの栄養物であれどんな分子でも、濃度の濃い方から薄い方へとジワジワとひとりでに分子は移動していきます。これが「拡散」という現象です。・・・
(動物でも、卵のようにたくさんの栄養をためておく必要のある細胞や、神経のように長い必要のある細胞では、10マイクロメートルよりずっと大きな細胞もみられますが、これらは細胞内の輸送系をもっています)。

植物では、細胞そのものが積み重なって構造を支えるので、細胞は大きくなる。動物では、骨格系(外骨格でも内骨格でも)で体の構造を支えるので細胞自体は小さくていい。ということの帰結として、大きな植物細胞では細胞内輸送系が必要なのだ、エネルギーを使ってでも輸送しなければならない。ということを、本川さんは明言しています。

長年抱いてきた私の疑問に答えていただいて、すっきりしました。
ムラサキツユクサのオシベの毛の細胞では、細胞内輸送系として原形質流動が行われ、おそらく細胞間結合を通じて毛の先端方向への輸送も行われるのでしょう。
はぁ~、なんだかホッとしました。
高校生物でも「原形質流動は細胞内輸送システム」なのだ、と一言書いておいたほうがいいと思います。

原形質流動のメカニズムについては下が詳しい。お読みください。日本植物生理学会の植物Q&Aというサイトです。
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3376
ムラサキツユクサ原形質流動について

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