金箔
★前の記事の引用部に「金閣寺の金箔の張り直しの際に、金箔ブームが起こって、金箔で包んだおにぎりとか、金ぱく入りのお酒や飴など・・・」とありましたがいつだったのか、調べてみました。
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000004492
質問:金閣寺の金箔はどのくらいの量が使われているのか。
回答:金閣寺の金箔張り替えは1986年2月から始まり、1987年9月10日に完成した。
10.8センチ四方の金箔約20万枚(約20キロの金)を使用。
張り替え前の10倍の量で、金箔の厚さは5倍でそれを二重に貼った。総工費は7億4千万円。
回答プロセス:
朝日新聞戦後50年見出しデータベースCD-ROMで検索。
金閣寺の金箔張り替えの記事を特定する。
1987年9月11日、11月2日
1988年4月30日、10月30日
これらの記事を朝日新聞縮刷版で確認した。
でもって、わたくし、実はまだ持ってるんですよ、金箔入りの飴。でお目にかけます。古い飴ですが、密封してありますのでカビたリはしていません。
これが金箔入りの飴です。
ちょうど京都へ行く、という人がいたので、金箔入りの飴をリクエストして買ってきてもらったものです。
「祇園小石」という店の商品です。現在も「むらさき抄」という商品は販売されているようですよ。
★現在も食用金箔は販売されていますが、金箔はなにせ薄い。
1cm^3の金から、約10平方メートルの金箔をつくることができるといいます。
金属の展性・延性の話をするときによく引き合いに出します。そうすると厚みは約1万分の1mmです。
扱いにくいものなのです。
で、食用金箔は、プルランというグルコースの多糖からなる食用膜に金箔を貼ったものが利用されます。
水溶性のコントロールのために、微量のコーティングが施してあるとかいう話ですが、省略。
金箔づくりは、和紙の間に金の粒を挟み、積み重ねたものを、昔は手で、今は機械で叩いて金を伸ばしていくという作業です。この時の和紙は極めて丈夫なもので、化粧用のあぶらとり紙にも使われています。
↓参考
http://www.hiyori.jp/pc/03_kinpaku/index.html
金箔打紙製法が解説されています。
これが「金沢純金箔」です。一枚の大きな箔ではなく、細かくなっています。絵画・工芸などに使うのでしょう。
生徒に見せる教材です。
左は画材店で買った「純金箔」。お金のことをいうのもなんですが
10枚で、3700円でした。
右は同じ店で買った「洋金箔」。
100枚で3450円でした。
桁が違いますね。
無色透明な下敷きの間に挟んで縁をセロテープで封をしたものです。
うっかり作業を始めたら、一枚、完全に失敗しました。これほどに扱いにくいものとは知らなかった。
もったいないから、くしゃくしゃになったのを、時計皿2枚の間に入れて封をしたのがこれ。
で、空気の全く動かない小部屋に閉じこもって、体の静電気を全部逃がして、そ~~~っと作りましたっけ。
さて、「洋金箔」ってなんだ?
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-59d4.html
2009年10月15日 (木) 金箔
色や輝きは純金箔と同じ。当時はインターネットなんて存在しない時代。検索もありはしない。「洋金箔」とはなんだろう?と分からなかったのです。
で、授業に、金箔と一緒に持っていって、今のところどういうものか分からないんだが、洋金箔というものもあったよ、で、こいつは光がほとんど透けないし青くはならないんだ、と話しました。
そうしたら、お父さんが貴金属宝飾店を経営なさっているというお嬢さんがいましてね、答えを聞いてきてくれたのです。
洋金箔とは真鍮の箔です。
純金箔よりずっと丈夫なので、装飾品に貼って金箔のように見せたり、あるいは、絵や工芸品に金箔を貼る際の下地に使うと丈夫になる、ということでした。
生徒やそのご家族にも授業を支えていただきました。
このころ広島原爆ドームの第2回の保存工事の募金運動があったのです。で、手作りの紙製募金箱を授業に持っていったり、化学準備室に置いておいて、集まったお金を「○○と授業仲間たち」という名前で贈りましたっけね。後で募金者名簿が送られてきたときに、校長をつかまえて「どうです、いいでしょ。校長なんかになると現場を失ってしまってこんなことはできないでしょ」とうらやましがらせて笑ったものです。授業というものは生徒と一緒に作るものなのです。教室を離れた者を教師とはいいません。
★オマケ:金の粒
これ渋谷の東急ハンズで見つけた「砂金」です。
多摩川の上流でも採取できるそうですが、行ったことはありません。
人々の欲望をかきたてた、小さな粒々です。
たまたま譲り受けるチャンスがあって入手したもの。
5gです。9999というのは99.99%の純度という意味です。
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