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2018年2月26日 (月)

寒剤

温度の話をしていると「寒剤」というのが何度も出てきました。
「エッセンシャル 化学辞典」東京化学同人から

 二つ以上の物質を混合した冷却剤。氷と食塩を重量比で約4:1に混合すると-21.2℃まで冷却される。氷と食塩の混合物が寒剤として働くのは、氷の一部が溶けて液体になるときまわりから熱を奪い、さらに溶けた液体中に食塩の一部が溶解するときにも熱を吸収するためである。このほかに氷と塩化アンモニウムの混合物(到達温度-15.8℃)・・・などがある。

理論的な話はちょっと厄介です。ここでは省略。
イメージとして、凝固点効果、水は0℃で凍るけれど、食塩水やジュースなどが凍る温度はもっと低い、というのを思い出しておくのも、全くの的外れともいえないでしょう。

また、氷と食塩の混合物が寒剤として働くとき、「氷が熱を吸収して」とけるということの利用が「融雪剤」になりますね。
東京で大雪になった時も融雪剤の話が聞こえてきました。
食塩(塩化ナトリウム)とか塩化カルシウムがよく使われます。ただ、「塩水」ができてしまうので、鉄の構造物やコンクリート中の鉄筋などが錆びやすくなります。分解されやすい有機物系の融雪剤もあるとか聞きますが、価格が高いかな。

スキー場というのは、スキー場には雪があってほしいけれど、スキー場へのアクセス道路には雪があってほしくない。ということで、融雪剤を大量に使うことになります。自動車でスキー場へ行った後は、車体の下をスチーム洗浄でもしてもらって、塩水を流し落とした方がいいと思います。
また、融雪剤が溶けた「塩水」は沢に流れ込みますので、カエルやイモリなど皮膚のそれほど丈夫でない動物や、魚類などにも影響が出る。環境にはよくないでしょうね。スキー場そのものだって、植物のない斜面を作るんですから、エコとは言えません。
スキーって、真っ白なゲレンデは美しいイメージですが、夏のゲレンデへ行ってみてください。なんとなく寒々しい感じになりますよ。決してエコロジカルなスポーツではありません。

★森田さんの気象情報から
1220_7nten2 2017.12.20
網走港内
1220_7nten3
網走川の淡水が流れ込んで
1220_7nten4
「川の水が港内に流れ込み、塩分濃度の低い海水が寒さで凍った。」
のだそうです。濃い塩水の凝固点は低い、ということですね。

★NHK・Eテレ。えいごであそぼのDEAR KARLEE のコーナーから。
0209_10karlee1 2018.2.9
ネジ蓋のアルミ缶にジュースを入れます。
0209_10karlee2
アルミ缶がすっぽり入って隙間もある大きな瓶に、アルミ缶を入れ隙間には氷と食塩を入れます。
0209_10karlee3
きちっと栓をして、タオルでくるみ、大きな布に置きまして。
0209_10karlee4
親子でこの布の端を上げたり下げたり。瓶をぐるぐる回転させます。
0209_10karlee5
しばらくすると
It's sherbet.

NHKの番組HPから引用

  DEAR KARLEE
日本が大好きな女の子・Karleeが、日本人の親子に招待されていっしょにあそびます。お手玉や折り紙であそんだり、大好きな場所に連れて行ってもらったり・・・。そんなKarleeとやってみたいことを招待状に書いて送ってください。お待ちしています。

{ブログ筆者注:「Karlee」は日本人としては「カーリー」さんなんですが、英語の発音では「カー r リー」と舌先が持ち上がって口の中のどこにも触れない「アーr」音があって、それから舌先が口の上の方に接触して「エル」の音に移ります。}
食べてみて「yummy!」と言ってました。

yummy《口》
►a おいしい,おいしそうな;魅力的な,すてきな.
►n ウマウマ,おいしい[おいしそうな,すてきな]もの.
[yum-yum]
リーダーズ英和辞典第3版より引用

なんと「ウマウマ」ですって。日本語と似てるなぁ。ウマウマ。アムアムしましょ、という表現もあるなあ。
umauma と amuamu って同じ「音」を使ってますね。
幼児語の世界も奥が深い。

★話は戻って、私は子どもの頃、氷と食塩の寒剤でアイスキャンディを作って遊び・食べましたっけ。
街に「氷屋さん」というのがあって、氷冷蔵庫用の氷をリアカーに積んで配達してました。大きな鋸で切れ目を入れ、鋸を逆にして鋸の背で打つと氷がきれいにパコンと割れる。面白くってよく眺めたものでした。
発熱時の氷枕用の氷も氷屋さんで買う。アイスづくりの氷も氷屋さんで買ったのです。
冬場、氷屋さんは需要がほとんどない。で、冬の氷屋さんは灯油屋さんになったりね。

★手軽な実験
冷蔵庫から四角い氷を取り出して、皿にのせます。そこへ食卓塩をパラっと振りかけます。
しばらく眺めていると、塩の粒が乗ったところが小さく深い穴になっていきます。
舐めると変な舌触り。面白いですよ。

★流氷について

福岡伸一の動的平衡 生命のゆりかご(2/15)
 新聞を眺めていたら、稚内沿岸に流氷が押し寄せてきたという記事が目に留まった。カチカチに氷結した鮮度のよいマイワシも大量に打ち上げられたという。聞いただけで息も凍りそうな季節の便り。わたしの机の上にある小さな地球儀を回して、宗谷岬の緯度をぐるりと指でたどってみた。ヨーロッパならロンドンやパリよりもずっと南、北米でもシアトルの方が北にあるのに、どうして海が凍ってしまうのか。
 これには大陸と千島列島に囲まれたオホーツク海の特殊な地理的条件が関わっている。大陸から注ぎ込むアムール川。大河の淡水によって海は局所的に薄められる。これがシベリア寒気団に冷やされて凍る。氷は樺太の東を南下する海流に乗って、北海道にやってくる。
 しかし流氷は単なる氷塊ではない。底面にはアイスアルジーと呼ばれる微小な藻類がはりついている。自らを固定すると、環境が自分の中を通り抜けていく状態に移れる。こうしてアイスアルジーは氷床で栄養塩を得て大量に繁茂する。藻類は酸素を海に与えつつ動物プランクトンの餌となり、それはクリオネをはじめとした水棲生物をはぐくみ、エビ、カニ、ホタテあるいはサケ、マス、タラ、ニシンといった魚たちへと連鎖する。
 時間が閉ざされたかに見える流氷は、実は大きな生態系を支える生命のゆりかごなのだ。

河川の水で薄められた海水が凍るんですね。なるほど。網走港の氷結のもっと大規模な話なのですね。

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