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2017年12月22日 (金)

冬至の日に

★今日についての話ではないのです。
日経サイエンス2017年11月号を呼んでいたら、土星探査機カッシーニの記事がありました。それを読んでいて、あっ、と虚を突かれました。

カッシーニの土星探査13年  C.ポルコ
↑こういう題名の記事ですが

★二至二分
↓図のキャプションを書き写します。

カッシーニは2004年6月30日に土星に達して以降、土星を293回周回した。土星系の多くの場所をクローズアップとパノラマの両方で撮影するため、周回軌道のサイズと向き、傾きを様々に変えた。当初計画の4年間の「プライムミッション」を2008年に終えた後、2年間の「エキノックスミッション」に移り、さらに延長して7年間の「ソルスティスミッション」に取り組んだ(エキノックスは春分・秋分、ソルスティスは夏至・冬至を意味する)

 ショックでした。「エキノックスミッション」「ソルスティスミッション」ですって。
そうか、自転軸が傾いた惑星にはすべて「二至二分」があるんだ。それはそうだが、気づいていなかったなぁ。

equinox
►n 春[秋]分,昼夜平分時;〔天〕 分点:PRECESSION of the equinoxes/AUTUMNAL EQUINOX, VERNAL EQUINOX.
[OF<L (noct- nox night)]
リーダーズ英和辞典第3版より引用

solstice
►n 〔天〕 《太陽の》 至(し)《太陽が赤道から北または南に最も離れた時;⇒SUMMER SOLSTICE, WINTER SOLSTICE》;〔天〕 至点;[fig] 最高点,極点,転換点.
[OF<L (sol sun, stit- stito to make stand)]
リーダーズ英和辞典第3版より引用

ぶんてん【分点】
〔天〕(equinoctial point)黄道と赤道との交点。太陽が赤道を通過する点で、その南から北に通る点を春分点、北から南に通る点を秋分点という。
広辞苑第六版より引用

してん【至点】
(solstice)黄道上で分点より90度へだたった所。夏至点と冬至点との並称。二至。
広辞苑第六版より引用

「二至二分」に「春夏秋冬」という名を冠するかどうかは地球人の勝手。
天文学的に普遍的な出来事なんですよ、「二至二分」というのは。
わかっているようなつもりでいて、わかってなかったな、と反省しきり。

↓データ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E5%82%BE%E6%96%9C%E8%A7%92
赤道傾斜角
太陽系の惑星の赤道傾斜角は以下の通りである。天王星は自転軸がほぼ横倒しになっているので、環や衛星の位置も横向きになっている。金星は自転軸がほぼ完全に倒立しており、他の惑星と逆方向に自転していることになる。水星や木星は自転軸がほぼ垂直に直立している。

惑星    赤道傾斜角(度)
水星    ≦0.027
金星    177.36
地球    23.4
火星    25
木星    3.08
土星    26.7
天王星  97.9
海王星  29.6

横倒しになった天王星でも、二至二分はあります。
水星、木星、金星では自転軸がほぼ垂直なので、二至二分はほぼないと考えていいです。公転周期の間中、ほぼ赤道上に太陽がありますので。
マイッタナ。そうだったか。思慮不足だった。
「二至二分」を旧暦に属する「古い暦上のできごと」なんて思わないでくださいね。宇宙的・天文学的な出来事なのですから。

★記事の本文から↓

・・・
 正規のミッションは2008年6月30日に4年間で終了する予定だったが、・・・2009年8月の土星の昼夜平分時(春分・秋分)における特別な日照条件での観測が可能になった。この条件では土星の環のほぼ真横から日光が射すので、リングの平面から突き出したものの存在が明らかになる。そこから長い影が伸びて、容易に判別できるのだ。
 最終的にカッシーニの軌道運用は0.5土星年(地球の13年2カ月半)に及んだ。到着時期は土星の南半球の盛夏から少し後で、ミッション終了時は土星の北半球の真夏となった。この時間枠のおかげで、土星のほぼフルシーズンを目にできた。土星とタイタンの南半球の夏から冬まで、北半球の冬から夏までだ。各半球をフルシーズン見たわけではないが、充分役立った。

 だが喜ばしいことに、土星大気が季節変化に完全に無反応ではないことを私たちは発見した。カッシーニが土星に到着したとき、冬の北半球を覆う雲の上で予想外のショーが演じられていた。土星は青かったのだ!2基のボイジャーの土星接近通過はいずれも昼夜平分時に近いころで冬の土星は撮影していなかったので、この思わぬ色はかなりの驚きだった。
 冬は紫外線が弱いうえ、冬側の半球に環の影が落ちて太陽光を抑える効果が生じるため、もやの生成が減ると考えられる。大気が澄むことで、地球の空を青くしているのと同じレイリー散乱が生じやすくなるうえ、土星大気中のメタンが日光の赤色成分を吸収しやすくなる。私たちが撮影した土星の冬側半球を彩っている青空は、実のところ、海王星が青く見えるのと同じ現象だった、誰が想像していただろう?

土星には「四季」がある。
「土星大気が季節変化に完全に無反応ではないことを私たちは発見した。」のだそうです。
土星人がいれば四季の変化を感じることができるんです。二至二分をさらに半分に分割して「四立」だって作れますよ。
で「土星は青かったのだ!」「土星の冬側半球を彩っている青空」ですって。すごいなぁ。
土星の公転周期は約29.5 地球年ですので、各々の四季は約7年続くんですね。
私は初めての人工衛星から知っていて、月の裏側も初めて見ることができたし、太陽系探査惑星からの写真も見た。つくづくよい時代に生まれ生きた、と感謝します。そして、冬の土星の青い空を想像するチャンスを得た。なんと素晴らしいことでしょう。

★で、思い出すことが一つ。
火星の昼の空は赤く、夕焼けは青いという話。
火星の夕焼けは青いだろうという予想を立てていた学者もいまして、本で読み、火星からの画像を見て、うなったものでしたっけ。
↓解説があります。
https://irorio.jp/sakiyama/20130626/66014/
地球とは真逆の火星の空。なぜ昼間の空は赤っぽく、夕焼けは神秘的な青なのか?

・・・
 米アリゾナ大学の天文学者マーク・レモン氏によると、火星の大気は地球よりもずいぶん薄く、その大気の塵の1%を構成していると思われている粒子(酸化鉄や磁鉄鉱)のサイズがやや大きめだ。この錆びた大きめの粒子が大気中に蔓延しているせいで、太陽光の中の周波数が長い赤っぽい光の方が散乱され、そのせいで昼間の空が黄色っぽい茶色に見えるのだそう。そして日没時になると、地球と同じように太陽光は昼間よりも厚い大気と塵の中を通らなくてはならない。そうなると赤いスペクトラムの光が更に散乱され、散乱されずに済んだ青っぽい光だけが、直接観測者に届くというわけだ。
 これがリリースされたのは2010年の事なのだが、当時、地球のように日没は赤いと予想していた研究者たちを驚嘆させた動画だ。その神秘的な火星の青い夕暮れを、ぜひ観ていただきたい↓
[youtube]
http://www.youtube.com/watch?v=4ZExs9KVj20[/youtube]
NASASolarSystem

↑この引用サイトには火星の夕空の写真がありますし、youtube には動画があります。是非ご覧ください。

探査機カッシーニについてはまだ書きたいことが残っていますので、稿を改めることにします。
冬至についても、まだ、ぐちゃぐちゃ言いたいし。

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