逆転層
2017.11.29
TBSの「森田さんのN天」から。
「移流逆転層」というものだそうです。
Wikiから引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E8%BB%A2%E5%B1%A4
逆転層
一般に高温の大気は密度が低いため上に移動し、対流が起こる。しかし逆転層があると上の方が密度が低いため、対流は起こらない。従って逆転層によって地表近くの大気がトラップされ、濃霧になったり、また激しいスモッグにより健康被害が起こることもある[1]。逆転層により、遠くの音が大きく聞こえることが多く、また電波伝播に異常が見られることもある。なお逆転層では蜃気楼が起こりやすくなる。対流の抑制が何らかの理由で破られると、湿度の高い空気が対流を起こすことで激しい雷雨になることもある。成因
逆転層は、特に秋・冬の夜間に風が弱いとき、放射冷却で地表面温度が低下することによって形成されやすい(接地逆転層)。
また風がある場合に冷えた地表・海面の上に温かい大気が流れ込んで発生することもある(移流逆転層)。
高気圧による下降気流で断熱圧縮が起こり、その結果ある程度の高度(2km程度)に気温の高い層ができることがある(沈降逆転層)。
前線では、一般に上空の気温が高くなり逆転層が生じる(前線性逆転層)。
成因の2番目ですね。温度の逆転する境界が見えているわけです。
接地逆転層はよく知っていましたが、移流逆転層をはっきり見たのは初めてでした。
★今度は朝日新聞デジタルから
何でそうなるの 都心で「逆転層」(朝日新聞デジタル 2017年12月9日05時00分)
東京都心がかすみに包まれた。
日本気象協会によると、通常は上空ほど低い気温が、8日は高度500メートル付近までは地上よりも上空の気温の方が高かった。地上付近の湿度が高かったことも原因で、「逆転層」と呼ばれる現象だという。500メートル以上の高度では、気温と湿度は一気に低下し、かすみが晴れるため、水墨画のような風景となった。
写真が2次利用されないように、縮小して白黒にしてしまいました。
12.9(14:31)
(14:52)
この逆転層も移流逆転層かな。午後ですからね。接地逆転層は早朝のことが多い。
昔ね、私が高校生の頃かな、朝早く登校する生徒でしたっけ。7時半頃には教室に入って、季節に関わらず教室の窓を全部開いて外の空気を入れるのが好きったんです。台地の縁みたいなところに建った学校で、見晴らしがよかったのですが、冬場はよく「接地逆転層」が見えたんですよ。逆転層が「蓋」みたいになって、下がかすんでるんですね。「スモッグ」という言葉がポピュラーになってきたころでしたでしょう
smoke + fog = smog
ですね。そういう時代を経験しながら生きてきました。
https://kotobank.jp/word/%E9%80%86%E8%BB%A2%E5%B1%A4-51732
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
逆転層
普通、上空へ行くほど低くなっていく気温が、逆に上昇していく気層。大気中では、気温は普通、上空であればあるほど減少する。その値は100メートルにつき0.6~1.0℃といわれている。しかし、暖かい空気が冷たい空気の上に流れ込んできたとき、すなわち、前線が生じたときや沈降性の気流が生じたときなど、あるいは地面付近で放射冷却が生じたときには、気温の逆転現象がおこり、空気は上空に行くほど温度が上昇する。このときの逆転が生じている気層が逆転層である。したがって逆転層には、上空の逆転層および接地逆転層の2種類がある。
接地逆転層の中では気層が静力学的に安定しているため、都会などではこの層の下部に煙や煤煙(ばいえん)などが沈滞してスモッグが発生しやすい。上空の逆転層の場合も、この中では気層は安定であるが、その下方の気層は不安定のため、汚染物質などは拡散しやすく、また、上方に逆転層があると、それより上空への汚染物質などの拡散はしにくくなるので、この逆転層をリッドlid(蓋(ふた))という。リッドが低い場合には、その下の混合層内の汚染濃度は高くなる。また逆転層の存在の仕方と煙突高度によって、煙の拡散する形はさまざまに変化する。
この逆転層が解消するときにフューミゲーションfumigation(いぶし現象)という現象がおこり、地上の汚染濃度が一時的に増大することがある。[内田英治]
[参照項目] | スモッグ出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
↓詳しいです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1922/43/11/43_11_760/_pdf
大気汚染に関する気象の問題
―昭和39年7月2日特別講演―気象研究所伊東彊自
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