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2017年11月13日 (月)

台風から吹きだす風

★このタイトルを見ると、ん?なにを言いたいのかな、と思いませんか?
台風シーズンもほぼ終わり、ちょっと書き残しておきたい話がありまして。
もう30年近くも昔かな、化学準備室で同僚と話していて。
私が、気象衛星から撮影した台風の写真は確かに反時計回りに回っているようだが、これって、実際には何を見ているのだろう?と提起したのです。
確かに台風は反時計回りの渦なのですが。吸いこむばかりでいいのかい?というのが私の疑問。
大量の風を吸いこんで、激しい上昇気流を生じ、積乱雲の壁が目の周辺にある。
で、その上昇気流は、成層圏にぶつかったら、そのまま上昇はできないんだから、今度は吹きだすでしょ。
気象衛星は上から台風を見ています。
とすると、気象衛星で見る台風、というのは、何だろう?
吹き出した風が運ぶ雲を見ているという可能性はないのか。
これが私の疑問。同僚も、そういやそうだよな、とは言ってくれましたが。その時は、特に深く追及せずに、ペンディングのままに30年も「背負ってきて」しまいました。

そうしたら今年、台風21号のときに、動画を見ました。
youtube です↓
https://www.youtube.com/watch?v=t8FgJUplEWA&feature=youtu.be
画面右の方で左から右へ流れる雲は、おそらく前線の南側の雲でしょうから無視して。
台風の左上あたりから時計回りに流れていく雲がありますよね。
やっぱりなぁ。そうなんだ。

★難しいことは端折って、アナロジーで考えると。
北半球の低気圧:気圧の低い地点へ風が流れこもうとすると、コリオリの力という見かけ上の力が働いて反時計回りに吹き込んでいきます。
北半球の高気圧:気圧の高い所から吹きだす風がコリオリの力で時計回りに吹き出します。
さて、台風は低気圧ですので、中心へ吹き込む風は反時計回り。これはこれでよし。
吸いこまれた風は上昇し成層圏にぶつかって外側へ吹きださざるを得ない。中心近くではまだ反時計回りに吹きだしてくるのでしょうが、横へ広がって風速が落ちてくると「吹きだす風は時計回り」という高気圧型の回転が勝ってくるのだと思います。
つまり、台風というのは低気圧と高気圧の2段重ねみたいなものと考えられます。

気象衛星でみる台風の雲は、大部分が反時計回りに吸いこまれる風に乗った雲でしょうが、外側の一部には反時計回りに吹きだす風が流す雲も写っているのだ、とご了解ください。
動画だとそのあたりがよく見えるということですね。

このアナロジーを考えてから多分間違いないよな、とネットで検索してみたら。
↓ウレシイ!あってた!
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/feedback/ja/0142.html.ja
質問142: 台風の風の吹き出し方向について

台風は中心に空気が集まってくる渦ですから、どこかでその空気を逃さないといけません。そこで大気圏の上端まで上昇した空気は、相変わらず反時計回りに回転しつつ、しだいに外側に押し出されていきます。外側に押し出されるにしたがって、回転速度も徐々に遅くなっていきます(角運動量の保存則)。これは地上では中心に近くなるほど風速が強くなるのと逆の関係です。そして中心からかなり外側にまで動いてくると、今度はコリオリ力の影響が相対的に強まってきます。そしてコリオリ力によって、この空気は徐々に時計回りに反転していくというのが、この逆回転の仕組みとなります。

ということなのでした。
分からないことをペンディングなままに保持し続けるというのも、面白いものですね。

↓参考サイト
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/kiatsutokaze-01.htm

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コメント

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