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2017年10月23日 (月)

ツユクサ

0930_27tuyukusa 2017.9.30
この青い色。他の花では見られませんね。
先日、化学雑誌を読んでいたら面白い記事がありました。

「化学」という雑誌のVol.72 No.11(2017) 54ページです。
「色彩の美と科学 ツユクサと青花の青」田中陵二(相模中央化学研究所)

 

ツユクサの大花栽培品種に、オオボウシバナ(青花)がある。この花の青色色素も鮮やかな青を示すが、水に晒すと全て溶出してしまう。この性質を利用して、手書き友禅染めなどの下絵描きに利用されている
 青花は滋賀県、琵琶湖周辺の特産植物で、直径3cmを超える青く美しい花を真夏の早朝に付ける。
 ・・・
 確認可能な青花の文献では、江戸時代寛文12年(1638年)の「毛吹草」がおそらく初出だと思われる。寺島良安の「和漢三才図会」(1712年)、平賀源内「物類品隲(ぶつるいひんしつ)」(1736年)にはいずれも、花より搾り取った汁で和紙を染め乾燥させた「青花紙(藍花紙)」の説明がある。・・・青花紙は友禅染の下絵書きに用いられるほか、貴重な青色染料として、浮世絵摺り、あるいは行灯や団扇の張り紙の彩色にも用いられた。水に濡れさえしなければ、紙を染めた青花の色はかなり高い安定性があり、特に透かした色が美しい。

で、化学雑誌ですから、この青い色素コンメリニンの分子構造などの話や図もありますが、ここでは割愛します。
あと、図で「初代歌川広重による浮世絵『五十三次 草津』」という広重美術館蔵の絵が掲載されています。キャプションは

黎明のなか、青花を摘みかごに収める二人の女性が生き生きと描かれている。奥に見えるのは琵琶湖と京都東山の山々

とあります。
 明治時代には草津で500戸を超える農家が栽培していたそうですが
「2017年の夏に草津市に問い合わせてみたところ、昨年は三戸、今年は一戸の農家のみが青花紙を作った、という話であった。」とのこと。

染め物の下絵ですか。ツユクサの「青」が利用されていたなんて、知らなかった。見直してしまいました。
昔の人の実践的な知恵はすごいですね。

↓下にいろいろ参考サイトを載せておきます。関心がおありでしたらどうぞ。
https://kotobank.jp/word/%E9%9D%92%E8%8A%B1%E7%B4%99-422381

青花紙 アオバナガミ
デジタル大辞泉の解説
あおばな‐がみ〔あをばな‐〕【青花紙】
ツユクサの花の青い絞り汁をしみこませた和紙。すぐ脱色できることから、友禅・描(か)き更紗(さらさ)・絞り染めなどの下絵描きに用いる。藍紙(あいがみ)。藍花紙。縹紙(はなだがみ)。

http://www.spirulina.co.jp/aobana/

アオバナとは
アオバナ(青花) アオバナ(青花)は、ツユクサ(Commelina communis)、オオボウシバナ(Commelina communis var.hortensis)の俗名です。ツユクサ科の一年草で、日本全土・中国・朝鮮・ロシア西部に分布し、北米の一部で野生化しています。道傍や荒地のやや湿った場所に普通に見られます。


http://kasanui.net/kasanui/aobananosato/aobana.html ←広重の絵が見られます。
http://kasanui.net/kasanui/aobananosato/aobana2.html

https://www.city.kusatsu.shiga.jp/kurashi/sangyobusiness/norinsuisan/tokusan/aobana/aobananitsuite.files/aobana_PDF.pdf

万葉のころ
鮮やかな「青色」が、水に溶けて流れやすいことから「心変わり」の意味を込めて「ツユクサ」「青花」「月草」を歌っていた。

草津に根付いたあおばな
ツユクサの花弁は青色や藍色に染めるのに利用され、その頃に草津で栽培が始まったといわれています。
利用しやすいように、花びらの大きなものを選び、人の手で作られた選抜品種として、育てられたと思われます。

http://www.biwa.ne.jp/~futamura/sub47X.htm

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