オオシオカラトンボ
2017.6.20
オオシオカラトンボのオスが庭の池でテリトリーを張っていたのですが、そこへメスがやってきて交尾が成立しました。
カメラを持った状態で交尾シーンも目撃したのですが、ちょっと外の人とのやり取りがあって、撮影はできませんでした。内心「惜しかったなぁ」と思いつつ。
その後、私がフリーになったところで、メスの産卵が始まりました。上がオス、下が雌です。
この光景について、産卵中のメスをオスが上空で守っているのだ、という解釈を聞くことがあります。
「物語」としては面白い。でもね「まもる」といっても「守る」よりは「警護」「監視」「督促」なんですよ。
かなり激しく接近。
オスとしては、今自分が渡した精子で受精した卵を産んでほしい。自分の遺伝子を残したいのですから。
メスが飛び去ってしまうと、それが実現できない。メスは新たに交尾して産卵することができます。
ですから、オスとしてはメスが飛び去らないように、自分のテリトリーで「今、ここ」で産卵してくれと迫るわけです。
また、他のオスがこのテリトリー内に入り込むことを防がなければならない。
そういうシーンなのです。
メスは単独で水面を叩きながら産卵します。
水面を叩いた波でも撮れないかと繰り返しシャッターを切りましたがうまく写りませんでした。
翅の付け根が黒いのがわかります。これをシオカラではなくてオオシオカラであることの判定基準としました。
上空で守るというよりは、やはり、他のオスが来ないようにガードするから、ここで産卵してくれと迫っている、という感じが強いですよ。メスが上昇しようとすると、オスは上から抑え込みにかかる。もっと、ここで、と。かなり激しい動きでした。
「警護産卵」という言葉もあるらしいです。
「トンボ入門」新井裕 著、どうぶつ社刊、2004年7月刊
この本でこの行動を知りました。
↓ウィキから部分引用します。オオシオカラトンボではなくシオカラトンボについてですが、ほぼ同じと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9C
シオカラトンボ
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成熟した雄は縄張りを占有し、草上などに静止して警戒する。交尾は草や地面の上で行われ、その後は雄の警護下で雌が単独で産卵する。この雄の警護は、交尾相手の雌が産卵を終えるまでの間に他の雄と交尾するのを防止する適応的意義が大きいと考えられている。シオカラトンボの雄は多くのトンボと同様に交尾時に前にその雌と交尾した雄の精子が産卵時に受精に与るのを防ぐ操作を行うことが知られているが、カワトンボ類で知られているように貯精嚢内の精子の掻き出しを行うのではなく、奥に押し込むことで出口から遠ざける。
産卵は水面の上にホバリングしながら、腹部末端で水面をノックするようにして行われる。この行動は、平らで光を反射する面に対する反応として行われるため、たまには車のボンネットや、あるいは和室に飛び込んできて畳の面でこれを行うのを見ることがある。
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