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2017年7月10日 (月)

虹と雷

0616_31niji_kaminari 2017.6.16
「ホラン・森田のトクする天気」のTV画面の写真。
まるで虹に雷が落ちたようですよね。
でもね、虹というのは「ある場所に存在するもの」ではないのでして、その方向から光が来るという現象なのです。
ですから、虹には「位置」というものがない。
稲妻は電子がその場所の空気を切り裂いて移動=放電しているというものですから、ちゃんとした位置があります。
たまたま虹が観測される方向に落雷があって、重なって写真に写りましたが、虹に雷が落ちたのではありません。
珍しいショットではありますけどね。
この虹、主虹の上に副虹が見えています。色の順番が逆転しているのですが、この写真から読み取るのは難しいかも。
主虹と副虹の間が暗く見えると思いますが、この部分からは水滴による反射光が来ないので暗く見えるのです。アレキサンダーの暗帯とも呼ばれます。
いろんなことが読み取れる面白い写真でした。

★複数の人が虹を見る。普通、一つの虹を複数の人が見ている、と考えますが、実はそうではない。
虹が見えるという現象は、観測者と後ろの太陽との位置関係で決まるものなので、虹という現象は観測者に属する現象なのです。
二人の恋人が虹を見た、二人で一つの虹を見た、幸せいっぱい。
実は、二人はそれぞれが「自分の虹」を見たのです。

両眼の間が100mもあるような巨人が虹を見た。虹が一つの物体であるならば「視差」を生じて、虹の「存在する位置」に関する立体感が生じるでしょうけれど、虹はそれぞれの眼に属する現象なので、両眼視差がない。で、虹には遠近感を感じないのです。その巨人にとっても。

飛行機に乗っていて、飛行機の影が雲に映って影の周囲が虹状の輪で囲まれるのを見たら、ぜひスマホで何秒かの間隔を置いて複数の写真を撮ってください。
撮った写真をうまく並べて立体視してください。すると、雲には立体感が生じて、距離感や凹凸などが見えるはずですが、虹状の輪には遠近感が生じません。異様な感じがすると思います。ぜひチャンスがあったらチャレンジしてください。

以前の私のHP案山子庵雑記の理科おじさんの部屋にあった虹の話がやたら詳しく書き込んでありました。ワード文書があったのでpdfにしてここからリンクしてみます。うまくいくのかな?
「sci_98.pdf」をダウンロード

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