落雷
2017.6.5
午後6時40分頃。TBSのニュース番組内の天気情報。
森田さんは私と年齢的に近いし、ベテランですからアバウトなんだけど大事なことはちゃんと言っているという話し方が好きで、大抵見ています。{最近、気象知識が不十分なんじゃない?という気象キャスターさんも多くてね、苛立たされるのはかなわない。}
時々、非常に面白い画像が紹介されます。
この日は、雷の画像。
縦の稲妻は「対地放電」です。雲と地面の間の放電ですね。。
画面で「午後6時20分ごろ」という字幕のあたりに、横に伸びる稲妻がありますが、これは雲の中での放電「雲放電」かな。
一望で約10本もの稲妻が写るというのはかなり珍しいですね。
縦の対地放電も一本に見えるけれど、複数の放電で構成されているはずです。
難しい撮影になりますが、カメラを横に高速で振りながら撮影すると、一本に見えた稲妻が時間的に分解されて、複数本だったことが写ることがあります。雲から探るように下りてくる稲妻。地面に到達した途端に地面から雲へ「帰還雷撃」が走り、その放電経路ではイオンが多いので、繰り返し雲から地面へ、地面から雲へという放電が起きることもあります。
雷が鳴ったら、そんなことも考えてみてください。
http://www.jps.or.jp/books/gakkaishi/2016/04/71-04mijika.pdf
帯電した積乱雲から開始する雷放電は,放電開始(Initiation),リーダ(Leader),帰還雷撃(Return Stroke),ダートリーダ(Dart Leader),後続雷撃(Subsequent Return Stroke)などの各過程から構成されている.これらは何れも短ギャップ放電には見られない形態である.放電の開始は,雲内の現象であり,直接光学観測によって見ることはできない.そのため,放電開始に関する研究は電磁界観測によってその多くは得られている.図2の典型的なその電磁界観測によれば,放電の開始には特徴的な比較的振幅の大きい両極性のパルス列が観測される.その後,ステップを踏みながら,約105 m/s程度で大地に向けて放電は進展する.これをステップトリーダ(Stepped Leader)と呼ぶ.地表面に達すると,強い発光を伴って,同じ経路を光速の3分の1程度の速度で地表から上空に放電が進展する.これを第一帰還雷撃(First Return Stroke)と呼ぶ.その時,平均30 kA程度の電流が流れる.その後,再び,同様な経路を,積乱雲からリーダに似た,しかし,速度が一桁ほど速い(107 m/s程度)ダートリーダと呼ばれる放電が下降し,地表面付近に達すると再び帰還雷撃に似た大電流が流れる.これを先ほどの第一帰還雷撃に対して,後続雷撃(Subsequent Return Stroke)と呼んでいる.こうした過程が何度も繰り返され,一つの雷放電が完結する.何回繰り返されるのか,その回数を多重度と呼ぶが,夏季の負極性落雷の場合,多重度4程度が平均値である.
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