時の記念日
6月10日は「時の記念日」でした。
遅れましたが、読者のみなさんにお届け物。
カレンダーも時計も
人間のものさし
生命あるものは
それぞれの時空をもっている
焦ることはない
自分の歩幅で
歩めばいい
基
ALSを発症した中林 基(なかばやし おさむ)さんのカレンダーから引用しました。
もう30年近く以前になりますが、中林さんの活動に触れて、ALSの研究基金を集める活動にわずかながらに参加したいと、カレンダーや画文集を購入したのでした。下の引用にあるように、天井から手をつりさげて描く絵はモノクロームなのですが、輝きや色彩を感じさせる絵です。
「中林 基」でグーグルの画像検索をかけると、ごく一部の絵が見られます。
「時」に縛られていませんか?
現在という時空を共にして生きるすべての生物は38億年という時を一回たりとも切れることなく持続してきた者たちです。
それぞれに時空があり、今を共有しています。すべてが等価な生命なのです。
http://www.tbs.co.jp/houtama/last/080720.html
TBSのライブラリーに、ある一人の人物を追った300本以上の取材テープが保管されている。難病、ALSの患者、中林基さんを20年に渡って取材したものである。
ALSは運動神経系の細胞が変性、死滅し、全身の筋肉が萎縮してゆく病気だ。体は徐々に動かなくなってゆくが、意識は清明で五感の感覚もそのままだという。つまり、人を徐々に動かぬ肉体に閉じ込めてゆくような病だ。「難病中の難病」、「5年以内に8割が亡くなる病」といわれ、尊厳死、安楽死の議論の対象になることすらある。
カネボウでデザイナーをしていた中林さんは、1980年に発病した。その後、進行する病に闘いを挑むように絵を描き続ける。車椅子に体を固定し、天井から手を吊り下げて描く姿は「祈りのようだ」といわれた。
その絵をもとにALSの研究基金をつくり、絵が描けなくなった現在でも色紙に自作の俳句を書く「俳字」を制作するようになった。その作品は今年、日本タイポグラフィ協会のベストワーク賞を受賞している。 病に侵された体でありながら、次々に仕事を成し遂げて行く中林さんの記録を見て行くと、その強靭な意志に圧倒される。
「肉体は魂の牢獄である」とプラトンは言った。だが、ALSという病の牢獄は、人の自由は奪えても、その意志を潰えさせることはできない。中林さんは、そのことを身をもって証明している。
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