600度の法則
NHKの気象情報を見ていたら、「600度の法則」なるものを紹介していました。ソメイヨシノの開花予想の話です。
「2月1日以降の毎日の最高気温の累計が600度を超えた日に桜が開花する」
というのですけど。
これは「経験則」かもしれませんが「法則」とは言い難いですね。
ある種の相関があるからといって、因果関係ではないし。
日照時間の累計とも相関関係があるのではないですか?
そのあたりは注意しないといけません。
相関関係≠因果関係 ←大事なこと
時間的に、あるいは空間的に「近接する出来事」に因果関係を見てしまうというのは、私たちがよくやる間違いです。
動物として生きていくためにはある程度有効な判断基準でしょうけれど、近接する出来事が因果関係にあるかどうかは、注意深く検証しなければなりません。
で、まあ、一応、毎日の気温の記録をエクセルに書き込んでいますので、グラフを作ってみました。すぐできます。
2月1日~3月15日の最高気温の累計です。
3月15日の時点で522.4でした。
3月23日までには600度に達しそうですね。
・日本気象協会が3月15日に発表した開花予想では東京は「3月23日」
・ウェザーマップは「3月24日」
まあ、前後10日位の範囲で予想は当たるでしょう。
花見の商売で仕入れとかが関わる人は別として、一般人としてはゆるく、あまく楽しみにしていればいい。生き物の活動ですもの、ゆるくっていいんです。
TBSの気象情報に出演している増田雅昭さんの話が掲載されているサイトがあったので引用します。
http://withnews.jp/article/f0150317000qq000000000000000W00o0601qq000011661A
・・・
なぜ、こんなに高精度なのか? 気象予報士はこの法則を知っているのか? 民間の気象情報会社「ウェザーマップ」の気象予報士・増田雅昭さんに聞きました。
――なぜ2月1日からなのでしょうか?
「立春が近く、気温が上がり始める時期だからだと思います」
――この法則を見つけた人は?
「わかりませんが、気象予報士の間では、そこそこ有名な話です」
――ここ数年を見ると、かなり精度は高いようですが
「あくまで目安であって、よく当たった年が続いたと考えるべきです。気温を積算して予測する手法は、桜に限らず農業全般で昔から行われてきたやり方です」
妥当なお話ですね。「目安」というあいまいさで十分だと思います。
★どうも、「法則」とか「式」というのに弱い方が多くて。
気温-風速=体感気温
こういう計算式があります、なんて、堂々とおっしゃる方もいるしな。
そもそも「体感気温」なんてどうやって測るんですか。くだらいなぁ。
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