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2017年3月 3日 (金)

三毛猫のオス

★↓2月23日に「オスの三毛猫『タケシ』」という記事を書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-9e31.html
2017年2月23日 (木) オスの三毛猫「タケシ」

[こたえ]オス
 名前は「タケシ」というよ。三毛猫は遺伝的な要因でほとんどがメスなんだ。オスはとても珍しい。そのため、昔から航海の守り神とされていたんだよ。

こういう「こたえ」でしたね。

★2月27日の「しつもん!ドラえもん」です↓

[しつもん!ドラえもん]2532 ねこ編(2/27)
 昔の人は、ネコが脚を折り畳んで座る様子を、ある物に例えたよ。どんな物だろう?
[こたえ]香箱
 お香の道具を入れる四角い箱だよ。芥川龍之介の小説にも「三毛猫が一匹静かに香箱をつくっていた」という表現が出てくるよ。しゃれた言い方だね。

この答えについては、まあ猫好きとしては知っていましたが。
↓芥川龍之介の小説に記述がある、というのが気になって調べてみましたら。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/126_14861.html

お富の貞操 芥川龍之介
       一
 明治元年五月十四日の午過ぎだつた。「官軍は明日夜の明け次第、東叡山彰義隊を攻撃する。上野界隈の町家のものは※(「勹<夕」、第3水準1-14-76)々[ブログ筆者注「匆々」とほぼ同じ]何処へでも立ち退いてしまへ。」――さう云ふ達しのあつた午過ぎだつた。下谷町二丁目の小間物店、古河屋政兵衛の立ち退いた跡には、台所の隅の蚫貝の前に大きい牡の三毛猫が一匹静かに香箱をつくつてゐた。
(後略)

一瞬、目を疑いまして「牡」って「オス」だよね、と辞書を引いてしまいました。
確かに「牡」は「オス」です。{メスは牝です}
こんなところに、オスの三毛猫がいたとは。龍之介がオスの三毛猫の珍しさを意識していたのかどうか、短編をさっと読んだところでは、わかりません。その三毛猫がオスであることの必然性は書き込まれていないように思えます。
龍之介の身辺に、オスの三毛猫がいたのでしょうか。それとも、登場する猫の命を守ろうとするのが女性ですので、オス猫のほうがイメージとしてよかったのか。いろいろな可能性はあるのでしょうが、研究者でもなし。わからないのでした。
しかし「めずらしいこと」ではあるように思えます。

★↓ところで、芥川の小説を探していたら、別の小説も目に入りまして。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/2522.html

青年 森鴎外
・・・
 ベルタンさんは長崎から買って来たという大きいデスクに、千八百五十何年などという年号の書いてある、クロオスの色の赤だか黒だか分からなくなった書物を、乱雑に積み上げて置いている。その側には食い掛けた腸詰や乾酪(かんらく)を載せた皿が、不精にも勝手へ下げずに、国から来たFigaro(フィガロ)の反古(ほご)を被(かぶ)せて置いてある。虎斑(とらふ)の猫が一匹積み上げた書物の上に飛び上がって、そこで香箱を作って、腸詰の※(におい)を嗅(か)いでいる。
・・・

森鴎外の小説に登場した猫が「香箱を作って」おりました。ふ~ん。

★思い出してみれば「三毛猫ホームズ」という赤川次郎さんの推理小説のシリーズがありますね。
「ホームズ」という男性名をもらっていますが、登場する三毛猫はメスと設定されていたはずです。

★ちょっとだけ、オスの三毛が稀少である理由に触れておきますね。
ネコの雌雄の決定はヒトと同じ。性染色体がXXの時はメス、XYならオスです。
で、ネコの体毛の、白や黒を決める遺伝子は、性染色体ではなく常染色体上にあります。
ところが、オレンジ色といいますか、茶色といいますか、あの色を決定する遺伝子はX染色体上にあるのです。
で、片方のX染色体上に顕性のオレンジ遺伝子があり、もう一方のX染色体に不顕性(潜性)のオレンジ遺伝子があったら、全部オレンジになるのかというとそうではない。XXの性染色体が2本とも活性だと不都合なのですね。で、発生の初期に、それぞれの細胞でどちらかのX染色体を不活化します(ライオナイゼーションといいます)。それはランダムです。そのため体中で顕性オレンジ遺伝子が発現する場所がモザイクになってしまうのです。それに白、黒が一緒になって「三毛」になる。
ですから、原則として三毛はXXのメスです。
で、オスの三毛ができる原因を一つだけ書きますと。
生殖細胞を作る時の染色体の不分離というようなことが稀に起こって、XXYという性染色体をもつ個体がごくまれに生じます。
そうすると、体毛に関しては三毛が可能になりますね。そこへ、Y染色体上のオス化遺伝子が発現して引き金を引くと、生殖器がオスになります。オス化遺伝子の働きは引き金で、それによって発現してくる一連の遺伝子群の働きで、何もなければメスの生殖器になるところがオスの生殖器になるのです。
これで、体毛はXXで三毛なのに、Yの働きでオスになった、というオスの三毛猫が誕生するわけです。

細かいことを言うとまだ他にも原因がありますが、代表的なものを理解しておけばいいと思います。

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