比熱
★次の話の前段として、予備知識を。
これからお話するのは、熱の授業の一部なんです。
比熱というのは物質1gの温度を1K(1℃)あげるのに必要な熱エネルギーで、J(ジュール)で表します。
ここではごく大雑把な話しかしません。
比熱の大きい物質は温まりにくく冷めにくい。
逆に比熱の小さな物質は温まりやすく冷めやすい。
これまた大雑把な話で、
水の比熱は4.2J/(g・K)程度
花崗岩やら玄武岩やらの比熱は1J/(g・K)程度。
これを「水と土」というふうに理解しましょう。
水は比熱が大きい。だから温まりにくく冷めにくい。
土は比熱が小さい。だから温まりやすく冷めやすい。
★さて、黒板にダイナミックに大きな図をかきます。
左=昼です:陸と海がありまして、太陽がサンサンと輝いています。
すると、比熱の小さい陸が温まって高温になり、海はエネルギーを受けてはいるのですが温まりにくく相対的に低温になる。
高温の陸では上昇気流が発生し、低温の海では下降気流になる。そうすると、当然、海風が吹く。
右=夜です:月を描くと生徒が反応する。「先生、月はムーンムーンと輝くんでしょ」「よくわかったな、その通り」
夜は放熱の時間帯。陸は冷えやすく、海は冷えにくい。相対的に海に上昇気流、陸に下降気流。で、陸風が吹きます。
この二つのシーンの切り替わりにあるのはなんだろうねぇ。
「凪だ!」と気づく生徒もいます。
そうなんです、「風が止まる」時間帯があるんですね。朝凪、夕凪と2回。
これが次の記事への前段となります。
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