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2017年2月22日 (水)

水泳と渦

↓ここで、昆虫の飛翔と渦の話をたくさん引用しました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-ebd9.html
2017年2月17日 (金)「小翅片」

昆虫が飛ぶ、という行動では、人間の作る飛行機と違って、渦が重要だ、ということです。
で、思い出したのですが、人間が粘っこい流体の中で行動するとなると、水泳ですよね。
ほぼ1年前の記事を思い出して、引っ張り出してきました。

↓これは東京工業大学のプレス発表資料の一部です。

水泳と渦
東京工業大学 Tokyo Institute of Technology
東工大ニュース
S字ストロークか?I字ストロークか?―最適クロール泳法のメカニズムを解明―
2016.01.15
研究成果のポイント
    競泳自由形の泳法に関して、最適な泳法とその推進力発揮メカニズムの解明を試みました。
    S字かI字か、腕のかき方にまつわる論争解決に向けて、最新流体計測解析技術を応用しました。
    目的(効率or速度)によって最適泳法は異なり、渦の作用がキーポイントであることが判明しました。

概要
 国立大学法人筑波大学 体育系 高木英樹教授、国立大学法人東京工業大学 大学院情報理工学研究科 中島求教授らの研究グループは、最先端の流体計測解析技術をヒトの水泳運動、特にクロール泳に適用し、最適なクロール泳法の探究とそのメカニズムの解明に取り組みました。
 競泳界では長年にわたって、曲線的に水をかく(S字)のと、直線的に水をかく(I字)のとでは、どちらが速く泳げるのか、論争が続いてきました。本研究では、水泳の流体力学に関する、国内外の最新の計測・解析データから、最適なクロール泳法について多角的に議論しました。
 結果として、中長距離で効率(より少ない身体発揮パワーで推進力を得る)が求められる状況では、S字でかいた方が良く、短距離で効率より速度が重視される場合にはI字でかいた方が良いとする見解が得られました。また、2つの泳法は推進力発揮メカニズムが異なり、S字ストロークでは手の向きが変わる局面において、渦対の発生により非定常揚力が発揮され、I字ストロークでは、直線的に移動する局面において、カルマン渦の放出により抗力が発生することが明らかとなりました。
 本研究により、2つのストロークパターンに関して、特に渦の発生過程の違いがそれぞれの推進力発生メカニズムに大きく影響していることが世界で初めて明らかになりました。渦の発生等により瞬間的に発生する力は非定常流体力と呼ばれ、昆虫や鳥類の飛翔研究においてそのメカニズムが解明されてきましたが、ヒトの水泳運動においても同様の現象が出現することは、これまでの準定常状態を想定した推進理論と大きく異なるもので、重要な発見と位置づけられます。
 ・・・(後略)

Crawl
私は省力泳ぎですから、S字ストロークです。30分かけて1000m泳ぐ。
たまにI字ストロークを試みますが、100m位しか持ちませんね、息があがってしまう。筋肉量が少ないんです。老人ですから。
以前から、S字ストロークで、掌で作った渦を足先の方へ送りだす、というイメージで手をかいています。
う~む。虫さんと友達なんだなぁ。

I字ストロークは、ある意味でボートのオールです。オールの平らな面を、かく方向と垂直に保ちますね。
S字ストロークは、渦を作るような動作と、掌を翼面のように動かして、揚力=推進力を得るスカリングが混在しています。和船の櫓と似た動きですね。櫓は船の進行方向と垂直な方向に漕いで、平らな面で揚力を発生させ船を進めます。
プールでね、体を水面下に静かに伏せて浮かび、両手の肘から先を左右方向のみに動かして、前に進むことができます。これは完全に櫓の動きです。

スカル【scull】
左右両側の櫂(かい)で漕ぐ軽いボート。また、その競漕。一人(シングル)と二人(ダブル)とがある。軽漕艇。スカール。<季語:夏>
広辞苑第六版より引用

★こんな記事がありました↓

(ひと)木村忠啓さん 江戸時代の「競泳」を描き、朝日時代小説大賞を受けた(朝日新聞デジタル 2017年2月16日05時00分)
 ゆったり泳ぐイメージがある古式泳法だが、ふと手にした資料をもとに、相当速く泳げるはずだ、と構想を広げた。
 「競泳」に挑む武士。そんな意表を突く物語の受賞作を「慶応三年の水練侍」(「堀に吹く風」から改題)と題して昨年末、世に送り出した。
 ・・・(後略)

現在通っているプールには、私より高齢の男性で、みごとな「のし」で泳ぐ方がいらっしゃいます。
「相当速い」なんてもんじゃない。私のクロールのほうが若干速いかなという程度で、滑らかに高速で泳いでいらっしゃいます。足の蹴りが強力、手のかきが滑らか、いやすごい。水府流「のし(伸し)」でしょうか。
おそらく、足の蹴伸びで強力な渦を作っているのではないかな。この方の直後にくっついて泳ぐと、水流というか、水の塊りというか、渦の塊りというか、送りだされてくるんですね。それを捕まえて再度自分の後ろへ送ると、すごい省力泳ぎができる。スリップストリームみたいなものでもあるんですが、多分渦のキャッチだろうと思います。
上級者の真後ろに入って、その人が作る渦を捕まえて再度送りだすという省力泳法で25mとか50mとかついていくのも面白い。(但し、面識のある方でなくっちゃ駄目ですよ。失礼だと怒られますからね。)

★ペンギンの泳ぎは「水中飛行」ですよね。上下に羽搏いて推進力を生み出している。
水は粘っこいですから空を飛ぶ羽とは違う。板状になっています。
http://www.platinum-white.com/whatis/#list_kokaku71

フリッパー
ペンギンのフリッパーは、『上腕骨(じょうわんこつ)』より先が一枚の板状になり、各関節の可動域は極めて狭く ほとんど固定されています。ペンギンは、翼を完全な一枚のオールのように変化させ、水中を羽ばたいても折れない強靭なフリッパーを作り出したのです。その強力なフリッパーを支える上腕骨も、他の鳥類に比べて短く丈夫にできています。

昔、子らと水族館かな、遊びに行って、池の中を「飛び」回っているペンギンを見て、おおペンギンは鳥なんだ、と感動しましたっけ。

★クロールの「キック」ですが、よく子どもたちは膝を曲げて水面を叩くようなキックをする。そういう風に教えている方も多い。でもね、あれは間違い。
{選手が力任せに泳ぐときはまた別ですよ。}
両脚を滑らかにしなやかに、水を挟むように動かすのが正解。
たとえて言えば、両脚を鋏のようにして、両足で水をチョキン、チョキンと切るように動かすのがいいのです。
おそらくこれも、両脚の動きから渦を生成して後ろへ強く送り出す動作になっていると思います。
私は左脚が使えませんでしょ、右脚一本でキックというか、ビートをうつのですが、1本だから2本の半分の効果か、というとまるっきり違うんです。1本脚キックは、ほとんど推進力にはならない。手の動きとの連動で体や筋力のバランスを取っているという程度ですね。両足キックというのはそういうものです。

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