スイマーが受ける抵抗は泳ぐ速度の3乗に比例
毎週泳いでいる者としては、面白い研究が出ました。
「スイマーが受ける抵抗は泳ぐ速度の3乗に比例」ということです。
へぇ、そうなんだ。
↓サイエンスポータルというサイトです。
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2017/02/20170222_01.html
スイマーが受ける抵抗は泳ぐ速度の3乗に比例 筑波大が抵抗測定法を考案(掲載日:2017年2月22日)
スイマーが泳いでいる時の水の抵抗は泳ぐ速さ(泳速)の3乗に比例するー。筑波大学と東京工業大学の研究グループは、スイマーが受ける水の抵抗の程度を正確に測定する方法を考案し、この方法を使ってこれまでは2乗と考えられていた泳速と抵抗との比例係数を修正した。研究グループは2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた競泳指導に役立つことを期待している。
筑波大学体育系の高木英樹教授と東京工業大学工学院の中島求教授らの研究グループは、筑波大学内にある実験用回流水槽を使い、クロール、背泳ぎなどといった泳法の種類に関わらず、泳いでいるスイマーに作用する抵抗の程度を正確に推定する方法がないかという研究課題に取り組んできた。これまでは、スイマーが体を一直線に伸ばした時の抵抗(静的抵抗)や、上肢だけでクロールをして泳ぐ時の抵抗(動的抵抗)を測定する方法はあったが、実際に泳いでいるスイマーが受ける抵抗(自己推進時抵抗)を測定する方法はなかった。
研究グループは、実験用回流水槽内に、ある速さの人工的水流をつくってスイマーにクロールで泳いでもらい、その時の腕の回転頻度(テンポ)を記憶させた。次に、さまざまな速さの水流をつくり、その水流の中で記憶したテンポで泳いでもらった。それぞれの流速でスイマーに作用する抵抗を測定し、その値を解析して自己推進時抵抗を推定する方法を考案したという。
研究グループによると、競泳は泳ぐ時にスイマーが受ける抵抗との闘いで、どのようにして抵抗を減らすかが競技力向上を目指す上で最重要課題。100年以上も前からスイマーが受ける抵抗を測定する試みが行われ、これまでは泳速の2乗に比例して抵抗が大きくなるとされてきた。2乗と3乗とでは、泳速を向上させた場合にスイマーに作用する抵抗の程度はかなり異なってくるという。
(後略)
筑波大学プレスリリース「遊泳中のスイマーにかかる抵抗を推定する方法を開発 ―スイマーの抵抗は泳速の3乗に比例する―」http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201702171400.html
下の表はある速度を「1」として、速度が半分になったり2倍になったら抵抗がどうなるか、という計算です。
表の1列目が速度、2列目が2乗、3列目が3乗です。これまでは「2乗に比例」とされていたそうなので、入れておきました。
0.5 0.25 0.13
0.6 0.36 0.22
0.7 0.49 0.34
0.8 0.64 0.51
0.9 0.81 0.73
1.0 1.00 1.00
1.1 1.21 1.33
1.2 1.44 1.73
1.3 1.69 2.20
1.4 1.96 2.74
1.5 2.25 3.38
1.6 2.56 4.10
1.7 2.89 4.91
1.8 3.24 5.83
1.9 3.61 6.86
2.0 4.00 8.00
現在、泳ぎに行っているプールの一般開放に、たまに選手の人が練習に訪れます。私は30分で1000m泳ぐわけですが、その人は私の2倍を超えるスピードで泳ぐ。早い話、私が片道25m行く間に、その人は1往復以上泳いじゃうんですよ。タマンネ。
そうなると、その人が受けている抵抗は、私が受けている抵抗の8倍以上になるのですね。スゲェ。
素人の爺さんと、選手の大学生の筋肉のパワーって、とんでもない差があるのですね。マイッタ。
昔はね、60分で2500mくらい泳げたんです、この私でも。
そうすると、30分で1000mの現在のスピードの約1.3倍のスピードが出せたんですね。
ということは、その頃は今より約2倍の抵抗をくらっても泳ぎ続けられたんだな。そうだったのか。
逆に、これから年を重ねて衰えていって、スピードが今の8割くらいに落ちると、抵抗は半分で済むのか。
(1000m/30分)×0.8=800m/30分。
30分で、40ターンしてあがるのを、32ターンか。まだしばらくはそのくらいのスピードは保てそうな気もしますが。
いつまで泳ぎ続けられるのかなぁ。
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