« 白熱電球は熱いんです! | トップページ | 寒冷前線通過 »

2016年12月28日 (水)

昆虫に関する短歌2首

★1
朝日歌壇(2016.12.19)
馬場あき子選
 すっかり葉を散らせし欅(けやき)のうれに見ゆ蛹となりて冬越す蓑虫:(新潟市)山田昭義

ちょっと誤解があるようです。
ミノムシは終齢幼虫で越冬します。
蛹化は年を越して4月から5月にかけてなのです。

↓富山市科学博物館のHPから引用。
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/_ex/curators/negoro/minomusi.htm

ミノムシ
 ・・・
オオミノガの越冬
 10月、秋も盛りのころ、十分大きくなり終令幼虫(もう1回皮を脱ぐと蛹になる大きな幼虫のこと)になったミノムシは、越冬の準備にかかります。
 えさを食べるのを止め、葉をかじり取って口から吐く糸で蓑にかがりつけ、蓑を丈夫にします。そして手ごろな枝を選んで、糸を巻き付けそれに蓑を固定します。葉っぱをたくさんかがりつけた丈夫な厚い蓑は、雨や雪からミノムシを守ってくれます。丈夫な蓑は小鳥のくちばしでも切りさけないでしょう。しかし、シジュウカラがミノムシを嘴にくわえていることがあります。シジュウカラのような嘴の細い小鳥は、蓑の底に開いている細い口から嘴を差し込みミノムシを引っ張り出すのです。丈夫な蓑も完全ではありません。
 冬の寒さは、ミノムシにとってはたいへん危険です。寒さは蓑でも防ぐことはできません。体が凍るような寒さに遭うと死んでしまいます。

蛹へ、そして羽化
 無事冬を越したミノムシは、サクラの花も終わる4月下旬から5月上旬に蛹になります。約1カ月の後、オオミノガの雄の蛹は、蓑の下の口から体を半分ほど外に出し、成虫が羽化してきます。雄のオオミノガは、口が退化しておりえさを取ることもなく、雌を探して飛び回ります。
 一方、雌の幼虫は同じ時期蛹になった後成虫になりますが、成虫の姿は雄とはまったく異なり、蛾の成虫らしくありません。小さな頭と小さな胸、体のほとんどを占める大きな腹部、腹部の中は卵でいっぱいです。そして、驚いたことにハネも足も無いのです。しかも、この蛾の成虫らしからぬオオミノガの雌は、蛹の殻の先端を押し空けるのみで、体は蓑の中の蛹の殻の中に入ったままです。雌は特有の匂いを出し、雄を誘います。雄はその匂いを頼りに、雌の入っている蓑に飛んできて交尾します。

産卵、孵化、幼虫
 交尾後、雌はすぐに産卵を始めます。卵は蛹の殻の中に数千個も生みつけられます。2~3週間すると幼虫が孵化してきます。それまでに雌は小さく干涸らびて死んでしまい、蓑から下に落ちてしまいます。
 生まれたばかりの幼虫は、蓑の外に出て糸を長く延ばし垂れ下がり、風に揺られて、新しい枝や葉に移っていきます。
 新しい枝や葉に移った幼虫は、枝や葉の表皮をかじり取り糸で綴り合わせて小さな蓑を作ります。木の葉を食べてどんどん大きくなってゆくミノムシは、かじり取った葉を糸で継ぎ足し、体に合わせて蓑も大きくしてゆきます。7回脱皮し充分大きくなるころには、秋風が吹き、ミノムシは冬越しの準備にかかります。無事に冬を越せるといいですね。

新潟と富山、気候的にそう大きな違いはないと思いますので、富山市科学博物館の記述は新潟でも通用するはずです。
私も以前にこの件に触れたことがありました↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/part1-601f.html
2008年10月23日 (木)「ミノムシ(Part1)」
ぜひお読みください。

★2
朝日歌壇(2016.12.26)
馬場あき子選
 真っ暗な殻にこもれる「すずめの担桶(たご)」刺蛾(いらが)よ凍(しみ)る冬はこれから:(岐阜県)棚橋久子

「すずめの担桶」というものをご存知でしょうか。
イラガの繭なんです。

http://dictionary.goo.ne.jp/jn/118440/meaning/m0u/
すずめ‐の‐たご【×雀の田子/×雀の担=桶】 の意味
出典:デジタル大辞泉
    イラガの繭。楕円形で白地に褐色紋があり、硬く、冬に木の枝などに付着している。すずめのしょうべんたご。すずめのつぼ。すずめのさかおけ。たまむし。《季 夏》

すずめ‐の‐たご【雀の田子・雀の甕】
ガの一種のイラガの繭。卵球形で白く黒斑があり、非常に固く、繭とは思えないのでいろいろな名がある。長径15ミリメートル内外で、樹枝に付着し、中に幼虫または蛹さなぎが入っている。冬、川釣の餌とする。雀のしょうべんたご。雀のさかおけ。たまむし。
広辞苑第六版より引用

たご【担桶】
水肥みずごえ・水などを入れて天秤棒で担い、また牛馬の飼葉などを入れる桶。にないおけ。たごおけ。
広辞苑第六版より引用

というわけです。
イラガの成虫は特に毒があるというわけではないのですが、幼虫は危険です。
{チャドクガは幼虫も成虫も有毒ですが}

↓ウィキペディアから引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AC

生態
幼虫:通常7~8月頃、多い年は10月頃に再び見られる。体長は25mm。脚が短くずんぐりした体に多くの棘を持ち、触れるとハチに刺されたような鋭い痛みを生じる。様々な樹種で繁殖し、カキノキやサクラ、ウメ、リンゴなどのバラ科、カエデ類、ヤナギ類、クリなどの葉裏に、集団で生息していることが多い。

繭:終齢幼虫(前蛹)で越冬し、そのための繭を作る。独特の茶色い線が入った白く固い卵状の殻で、カルシウムを多く含み日本の昆虫がつくる繭の中で最も固いとみられる[2]。春先に中で蛹化し、6月に羽化する。羽化時には繭の上端が蓋のように開き(小さな穴は寄生蜂の脱出口)、地方によりスズメノショウベンタゴ(担桶)とも呼ばれる。玉虫と呼んで釣り餌(特にタナゴ釣り)に用いられる。

成虫:無毒。明かりに飛来する。口吻が退化しているため、成体は何も食べない。

私はイラガそのものの幼虫や繭は見たことがないのですが、イラガの仲間のヒロヘリアオイラガの幼虫はカエデの木などによくつきまして、うっかり触ってしまったことがあります。かなりの衝撃でした。
ヒロヘリアオイラガの繭も、スズメノションベンタゴです。
↓それを発見した時の記事です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-1363.html
2014年3月20日 (木)「イラガの繭」

いくら虫が好きな私でも、イラガやドクガは勘弁です。同じチョウ目なのにごめんな。
繭を見つけたら、外して燃えるゴミとするか、つぶしてしまうか、仕方のないことです、よろしくどうぞ。

« 白熱電球は熱いんです! | トップページ | 寒冷前線通過 »

動物」カテゴリの記事

崩彦俳歌倉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 白熱電球は熱いんです! | トップページ | 寒冷前線通過 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ